太陽に「怪物級の黒点」出現
 太陽の表面にある巨大な黒点群が地球側に出現し、3月の太陽嵐に続いて再び太陽活動の活発化が予想されている。

 米航空宇宙局(NASA)の研究所によると、巨大黒点群は「AR1476」と呼ばれ、直径9万6000キロを超す巨大さで「怪物級の黒点」だという。黒点は磁場の活動によって太陽表面に黒い斑点が観測される現象で、無線信号や衛星通信に障害を引き起こす太陽フレアやコロナ質量放出(CME)の大部分は黒点群で発生している。

 黒点群の活動は既に活発化していて、既に太陽フレアは過去数日で複数確認されたという。現在のところ、その規模は3段階の分類で最も小さい「C」等級だが、米海洋大気局(NOAA)によれば、今後24~48時間の間に中規模の「M」等級の太陽フレアが発生する確率は65%、最大規模の「X」クラス発生の確率は10%のもようだ。

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 太陽フレアとCMEの発生は、太陽上の巨大黒点群が地球側にある間は続く見通し。太陽の赤道付近は約26日の周期で自転していることから、巨大黒点は少なくともあと13日間地球側にある。 (CNN 2012.05.10)

 太陽のフレアというと、今年3月にも発生して、地球への影響が危惧された。

 米海洋大気局(NOAA)の宇宙気象予報センターは、3月7日に太陽表面で発生した巨大なフレアによる大型の太陽嵐が、日本時間3月8日午後3時~午後7時ごろに地球に到達する見通しだと発表した。太陽嵐は過去5年間では最大の規模で、GPSや通信に影響を及ぼす可能性がある。

 太陽嵐の影響は日本時間の9日中まで続く可能性があるという。ただ、Wall Street Journalの報道によると、同センターの担当者は「大きな規模の嵐だが、極端なタイプではない」としている。NASAの専門家も「超大型というにはほど遠い」と述べているという。

 太陽フレアとは何か?
 太陽フレア(Solar flare)は、太陽で発生している爆発現象のことである。

 太陽系で最大の爆発現象で、しばしば観測されている。多数の波長域の電磁波の増加によって観測される。特に大きな太陽フレアは白色光でも観測されることがあり、白色光フレアと呼ぶ。太陽の活動が活発なときに太陽黒点の付近で発生する事が多く、こうした領域を太陽活動領域と呼ぶ。太陽フレアの初めての観測は、1859年にイギリスの天文学者、リチャード・キャリントンによって行われた。

 「フレア」とは火炎(燃え上がり)のことである。フレアの大きさは通常数万km程度であり、威力は水素爆弾10万~1億個と同等である。100万度のコロナプラズマは数千万度にまで加熱され、多量の非熱的粒子(10keV-1MeVの電子や10MeV-1GeVの陽子)が加速される。同時に衝撃波やプラズマ噴出が発生し、時おりそれらは地球に接近して、突然の磁気嵐を起こす。

 フレアの規模はX線の強度によって、X、M、C、B、Aの5つの等級に分類され、Xが一番強い。太陽フレアの規模は、アメリカの気象衛星GOESで観測される大気圏外の軟X線強度(W/m2)で分類され、低い方から10倍 (1桁) 強度が上がるごとに A, B, C, M, X と表される。 Cクラスは小規模、Mクラスは中規模、Xクラスは大規模のフレアに相当する。

 各クラス内でさらに1-9まで直線状のスケールで強度を示す(ただしXクラスの上はないため、この場合は10を超えて示される)。このためX2フレア(2 x 10−4 W/m2)は、X1フレア(10−4 W/m2)よりも2倍の強度となり、M5フレア(5 x 10−5 W/m2)よりも4倍の強度であることを示す。

 フレアの発生機構については、太陽活動領域中に蓄えられた磁気エネルギーが、磁気再結合によって熱エネルギーや運動エネルギーに変換されるという説が有力である。全てのフレアを説明するモデルとして、京都大学教授柴田一成の「統一フレアモデル」がある。

 フレアが発生すると、多くのX線、ガンマ線、高エネルギー荷電粒子が発生する。またフレアに伴い、太陽コロナ中の物質が惑星間空間に放出される(コロナル・マス・エジェクション(CME))ことが多い。高エネルギー荷電粒子が地球に到達すると、デリンジャー現象、磁気嵐、オーロラ発生の要因となる。2003年は、大規模なフレアが頻発し、デリンジャー現象により、地球上の衛星、無線通信に多くの悪影響を与えた。また地球磁気圏外では、フレア時のX線、ガンマ線による被曝により、人の致死量を超えることもある。(Wikipedia)

 超巨大太陽フレアの可能性
 もし、巨大フレアが発生したらどうなるのだろうか?過去にあった地上の電波に影響をあたえたり、大停電が起きたりする以上のことが起きる可能性はあるのだろうか?

 1989年にカナダで起こった磁気嵐では、600万人が停電の影響を受けた。フレアにより発生したオーロラ内部ではプラズマと磁場との相互作用で大電流が流れ、それによって生じた磁力によって変圧器のコイルに大きな誘導電流が生じる。その結果、変圧器が壊れて停電になったのだ。

 フレアが生じると、約8分で可視光とX線、その後30分から2日で高エネルギー粒子線、2~3日後にプラズマが地球に届く。予測は、過去のデータから法則性を見つけて発生の確率を算出していくが、その規模や、方向、時期を予測することは簡単ではない。X線の強度や太陽表面の変化を正確に捉えることで、フレアによる地球への被害に備えることができる。

 大停電を起こす規模の巨大フレアは1年に1度の頻度で発生するが、多くは地球とは異なる方向で起こるため、その規模や、方向、時期を予測することは簡単ではない。

 これまでのデータの蓄積により、フレアにより放出されるX線強度と発生頻度が反比例することがわかってきた。前述した規模のフレアは1年に1度の頻度で発生していますが、例えばその1万倍規模の超巨大フレアは1万年に1度起こる可能性がある。地質学者との議論により、過去に起こった5回の大量絶滅の一部はこのような超巨大フレアが原因の1つかもしれないという可能性も出てきている。

 超巨大フレアはいつ、どのように起こるのか。そこで、太陽と同じ型で様々な年代の恒星で起こる、超巨大フレアの観測が進められている。最近、生まれたばかりの恒星では太陽の100万倍の超巨大フレアが起きていることがわかってきた。「宇宙天気予報」は、身近で遠い太陽からもたらされる災害から身を守る、重要な研究である。

 超巨大太陽フレアで大量絶滅?
 京都大学大学院理学研究科附属天文台の柴田一成台長・教授の著書『太陽の科学』に面白い話が書いてある。太陽フレアによって地球上の生命が大量絶滅したという可能性もなくはないという。

 太陽フレアの発生頻度というのは次のようになっている。Cクラスのフレアは1年に1000回発生、Mクラスのフレアは1年に100回発生、Xクラスのフレアは1年に10回発生、X10クラスのフレアは1年に1回発生。

 C、M、XというのはX線の強度を示す記号。C→M→X→X10と進むごとに強度が10倍ずつ上がっていく。 だから、XクラスのフレアのX線強度はCクラスの100倍ということになる。人類が見た過去最大のフレアはX30だそうだ。

 この傾向がもっと大きなフレアにも当てはまるとするならば、X100000クラスのフレアは1万年に1回発生し、X1000000クラスのフレアは10万年に1回発生することになるのだとか。

 柴田教授は冗談半分で恐竜絶滅は超巨大太陽フレアのせいじゃないかという話をするそうだが、他の大量絶滅では原因がよくわかっていないものもあり、もしかしたら超巨大フレアによって絶滅が起こった可能性も否定できないと書かれている。

参考HP Wikipedia:太陽フレア 

太陽と地球のふしぎな関係―絶対君主と無力なしもべ (ブルーバックス)
クリエーター情報なし
講談社
太陽の科学―磁場から宇宙の謎に迫る (NHKブックス)
クリエーター情報なし
日本放送出版協会

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