ドリカムの「時間旅行」
 日本国内では25年ぶり、本州では129年ぶりの観測となった“金環食”。その前日、5月20日(日)、DREAMS COME TRUEがスペシャル・イベントを、幕張メッセ・国際展示場9-11ホールにて開催した。1990年にリリースされたアルバムの収録曲、「時間旅行」で吉田美和が歌った“指輪をくれる? ひとつだけ 2012年の 金環食まで待ってるから”という歌詩から実現したライヴだ。

 ステージの上で吉田美和が「金環日食は、何よりも老若男女問わず、みんなが1つの空を見上げていることが一番素敵だと思う」といった言葉通り、翌日は全国8300万人が空を見上げで、金のリングを観測した。

 ここ湘南地方は朝から雨…。「残念、今日は無理か」と思った。テレビをつけると、目覚ましテレビで、各地の様子を伝えていた。名古屋や日光などは晴れていて、もう太陽は欠け始めていた。どうやら中継で伝えているようだ。雨を避けて、都心から日光のいろは坂まで足をのばした熱心な天文愛好家もいた。

Annular Eclipse

 天気図を調べると、西から雲が切れ始めている。「ひょっとしたら雲の隙間から見えるかもしれない」と期待した。はじめに見つけたのは家内だった。7:30、外にゴミを捨てに行くと、うすい雲を通して金環食のリングが見えたという。急いで子供達と外に見に行くと、太陽はときどき雲を通してリングになった姿を見せてくれた。

 これなら太陽グラスはなくていい。雲は意外にも太陽グラスの役割を果たしてくれた。テレビではなく、じかに見るのは感動的だった。しかも、雲を通して見る金環日食は幻想的だった。思ったより静かな時間が流れ、気がつくと4分間はあっという間に過ぎていた。みるみるうちに三日月から部分日食に変わっていく…。これに満足して、出勤。職場では雨だと思ってあきらめたのか、じかに見た人は少ないようだった。

 雲間にのぞいた天空のリング
 太平洋側を中心とした日本の広い範囲で5月21日、太陽の中心部が月に隠され、細いリングのようになる金環日食となった。日本で観測されたのは1987年の沖縄以来25年ぶりで、列島の広範囲で見られるのは平安時代の1080年以来、932年ぶりだ。

 右上から欠け始めた太陽は、九州南部で午前7時20分ごろから金環日食に入り、美しい金のリングが列島を横切った。

 22日に開業を迎える東京スカイツリー(高さ634メートル、東京都墨田区)と、金環日食を同時に見ることができる観測スポットでは、この日早朝から大勢の観光客が集まった。午前7時34分ごろ、雲の切れ間からスカイツリーの横に金環日食が顔を出すと、空を見上げていた人たちから一斉に歓声やため息が漏れた。

 東京、大阪、名古屋など大都市でも見ることができたとあって、通勤途中のサラリーマンも足を止め、日食グラスや携帯電話を空に向け、観察を楽しんだ。金環日食は通学時間帯に重なったこともあり、多くの学校で登校時間を変更するなどの対策を取った。次の金環日食は北海道で2030年に見ることができ、それより前の2016年には全国で部分日食となる。(2012.5.22 SANNKEI EXPRESS)

 なぜ起きる?太陽、月、地球が一直線
 日食は、太陽、月、地球が一直線に並び、地球から見て、月が太陽の前を横切った時に起きる現象だ。太陽が月によって完全に隠される「皆既日食」になるのか、太陽の縁だけが残って金色に輝いて見える「金環日食」になるのかは、三つの天体の距離や大きさが関係している。

 太陽の直径は約139万2000キロあり、月の直径(3476キロ)の約400倍。一方太陽と地球との距離は約1.5億キロで、月と地球の距離約38万キロに対し、こちらもほぼ400倍だ。だから地球に住む私たちの目には、月と太陽はちょうど同じくらいの大きさに見えている。

 月は約27日間かけて地球の周囲を回っていて、その軌道は実はわずかに楕円(だえん)を描いている。地球に比較的近い位置で太陽を隠す時、月は太陽よりも大きく見えるため「皆既日食」になる。遠い位置にある時に重なれば、月の見た目は太陽より小さくなるために太陽を隠しきれず、今回のような「金環日食」になる。三つの天体の奇跡的な距離と大きさのバランスが、私たちに「皆既」「金環」「部分」というさまざまな日食を楽しませてくれているのだ。

 最古の記録、日本書紀
 日本の歴史には、日食に関するエピソードが数多く残っている。日本初の日食の記録とされているのは、日本最古の正史「日本書紀」の記述で、「日有蝕尽之(日蝕(は)え尽きたること有り)」とあり、628年4月の皆既日食の記録とみられる。しかし、計算上、国内の陸上では太陽の一部が欠ける部分食しか見られなかったはずで、正確性に疑問が持たれている。
 金環日食のエピソードは800年以上前にさかのぼる。平安時代末期の1183年11月17日、源氏と都落ちした平氏が現在の岡山県内で戦った「源平水島合戦」。当時の様子を伝える「源平盛衰記」に、戦の最中に日食があり、薄暗くなったことに驚いた源氏が日食をあらかじめ知っていた平氏に敗れたとの記述がある。平安時代には暦家や数学家、陰陽師(おんみょうじ)などが権力者の求めに応じ、競って日食を予測していたという。

 日食に詳しい科学ジャーナリストの武部俊一さん(73)によると、伝説や神話で日食は「天上の怪物が太陽を痛めつけている」「太陽と月の神が争っている」など、「畏れ」の感情から凶事の前触れとして扱われてきた。やがて天文現象として理解されるようになり、それにつれて畏れが憧れに変わり、現在のように天文ファンに愛されるイベントに変わっていった。武部さんは「歴史と日食のつながりに思いをはせるのも日食の楽しみ方の一つです」と話している。

 次回「金環」は? 18年後、北海道で日食はおおよそ年に2回、地球上のどこかで観測されているが、金環や皆既になる地域はごく狭く、自宅にいながらにして見ることができるチャンスはめったにない。

例えば東京23区の場合、金環日食が前回起こったのは1733年前の1839年。今回を見逃すと、次回は300年後の2313年まで待つことになる。

 日本全体では、2040年までに今回を含めて日食を10回見ることができる。だが、うち7回が部分日食だ。金環日食になるのは2030年6月1日の北海道地域、皆既日食になるのは2035年9月2日の能登半島や関東地方のみ。これ以外の金環や皆既日食を見るには、海外へ遠征するしかない。(毎日新聞 2012.5.17)

 次回は6月6日金星の日面通過
 国立天文台によると、地球で見られる次の天体ショーは、6月6日の「金星の太陽面通過」現象だ。太陽と地球の間に金星が入り、小さな“ほくろ”のような金星が太陽面を左から右に移動するように見える。日本では同日午前7時10分ごろから午後1時48分まで観測できる。この現象は前回(2004年6月8日)から8年ぶりだが、21世紀では最後の天体ショーとなる。次回は105年後の2117年12月11日に起きるという。

 2004年6月8日、日本では130年ぶり、世界的にも122年ぶりに、金星が太陽面を横切る現象がありましたが、全国的にお天気が悪かった。それから8年が経ち、2012年6月6日、21世紀では最後の「金星の太陽面通過」を迎える。いま、世界に生きている人々にとって、おそらく人生最後の観望チャンス。次回は105年後、2117年12月11日まで起こらない。

 金星の軌道は、地球の軌道に対し、3.4度ほど傾いている。そのため、地球と太陽の間に金星がきても、金星はたいてい太陽の上か下を通っていき「太陽面通過」が起こらない。金星と地球の軌道の面が交わっている方向で、金星と地球が並ぶことがあれば「金星の太陽面通過」が起こる。金星と地球の軌道の面が交わっている方向に地球が来るのは、6月上旬頃と12月上旬頃なので、「金星の太陽面通過」はその時期に起こる。

 

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