トキのひな 巣立ちを確認
 環境省は、新潟県佐渡市で誕生したトキのひなが5月25日、自発的に巣の外に出る巣立ちをしたと発表した。自然界で巣立ちが確認されたのは、佐渡に野生のトキが生息していた昭和49年以来38年ぶり、自然に放されたトキでは初めてだ。

 佐渡市では野生復帰に向けて自然に放され、繁殖させる試みが行われているトキのうち、3組のつがいから8羽のひなが誕生している。このうち、先月3羽のひながかえった3歳のオスと2歳のメスのつがいの巣で、25日午前11時半ごろ、1羽が巣から羽ばたいて近くの木の枝に飛び移った様子が、環境省が巣の近くに設置したビデオカメラに映っていた。

 環境省はひなが自発的に巣の外に出たとして、「ひなが巣立ちをした」と発表した。環境省によると、巣立ちをしたひなはしばらくは巣と近くの枝を行ったり来たりするということで、このあとひなは巣に戻った。

 ひなは数日たつとさらに飛べるようになって、その後、親鳥と一緒に田んぼなどで餌をとるようになるという。また、この巣にいるほかの2羽についても、数日中に巣立つとみられるということである。

Toki

 自然界で巣立ちが確認されたのは、佐渡に野生のトキが生息していた昭和49年以来38年ぶり、自然に放されたトキでは初めてで、トキを野生復帰させる取り組みは大きく前進することになる。

 トキのひなの巣立ちが確認されたことについて、環境省の長田啓首席自然保護官は「巣からおよそ40センチ離れた枝に羽を広げながら飛び移るのが確認できた。ここ数日、活発に動いていたので、今か今かと待っていたところだった。巣の外に両足が出ることを巣立ちの定義にしているので、ほかの鳥に比べると地味な巣立ちだが、勇気を振り絞って1歩巣の外に出たと思うので、とても喜んでいる。これから厳しい自然の中をたくましく生き抜いていってほしい」と話している。

 野生復帰へこれから正念場
 自然界で38年ぶり、自然に放されたトキでは初めてとなる巣立ち。野生復帰に向けた取り組みは大きく前進したものの、課題は残されている。
環境省によると、巣立ちをしたトキは数日後には飛べるようになり、巣のある林の外に飛び立ったり地面に降りたりする。親鳥と一緒に行動するため、ドジョウやタニシなどの餌は親鳥からもらうが、自分でも田んぼなどでとることを覚える。

巣立ちからおよそ2か月たつと、親鳥と離れて別のトキと群れを作って行動するとみられるが、単独で行動する可能性もあるということだ。1歳を過ぎると羽根が生えかわり、灰色から大人のトキと同じ白に変わる。そして、2歳になる再来年の春には大人のトキになり、初めての繁殖期を迎えるという。

 しかし、この繁殖期を迎えるまでには、自然界に生息しているテンやオオタカなどのトキの天敵の野生生物に襲われたりしないかや、餌を十分にとることができるのかが課題となる。

 佐渡市では、野生復帰に向けた取り組みで、これまでに78羽のトキが自然に放され、現在、6割に当たる45羽の生存が確認されている。環境省は、3年後の平成27年までに佐渡市に少なくとも60羽のトキを定着させたいとしている。

 今回のひなの巣立ちで、トキの野生復帰の取り組みは大きく前進したことになるが、この目標を達成するためには、自然界で安定した繁殖を続けていかなければならない。自然界で誕生したトキのひなが、巣立ち後、さまざまな課題を乗り越えて繁殖することができるかが初めて試されることになり、トキの野生復帰への取り組みはこれから正念場を迎えることになる。(NHK news 5月21日)

 聟島のアホウドリ1羽、巣立つ 
 一方、小笠原諸島・聟島では、国の特別天然記念物アホウドリが巣立った。新たな繁殖地をつくるため、2月に伊豆諸島の鳥島から小笠原諸島の聟島に移送したひなのうち、1羽が5月15日、巣立った。聟島で飼育している山階鳥類研究所(千葉県)の職員が同日確認した。

 巣立ったひなは今後、北太平洋のベーリング海やアリューシャン列島へ渡るとみられる。 同研究所などは2月に鳥島から15羽を移送。人工飼育中だったが、うち1羽は3月に死んでいるのが確認された。

  アホウドリが生息する鳥島は活火山で、噴火の恐れがあることから、同研究所などが2008年から5年計画で移送を開始。昨年までに55羽を移送している。 (2012/05/15 共同通信)

 さらに5月25日には、聟島のアホウドリのヒナ14すべてが巣立った。2月11日に伊豆諸島鳥島から小笠原諸島聟島(むこじま)に移送したヒナ15羽のうち、3月に死亡した1羽をのぞき、14羽すべてがこの日までに巣立った。

 移送・人工飼育は今年で5年めの最終年で、初年度から合計69羽のヒナが巣立っている。今シーズンは、昨年までに巣立った個体のうち、3歳個体(2009年巣立ち)4羽と、4歳個体(2008年巣立ち)2羽の合計6羽が、聟島に帰還したことを確認した。 帰還個体の中から聟島で繁殖する番が生まれるのがこのプロジェクトの目標である。来シーズン以降も引き続き現地のモニタリングを続けてゆく。(山階鳥類研究所)

 コウノトリは43年ぶりの自然復帰
 かつては、ひどい公害が問題になった日本であるが、現在は多くの人が環境問題に関心を持ち、環境を回復するプロジェクトがすすんでいる。

 2007年7月31日には、国内の自然界では43年ぶりになる、コウノトリの巣立ちがあった。コウノトリは、東アジアに推定2,000〜3,000羽しか確認されておらず、絶滅危惧種CR(ごく近い将来に野生絶滅の危険性が極めて高い)に指定されている。渡りのときには日本を通過することもある。

 日本列島にはかつて留鳥としてコウノトリが普通に棲息していたが、明治期以後の乱獲や巣を架ける木の伐採などにより棲息環境が悪化し、1956年には20羽にまで減少してしまった。そのため、コウノトリは同年に国の特別天然記念物に指定された。

 コウノトリの減少の原因には、他に化学農薬の使用や減反政策などがあり、さまざまな複合的な原因により生活環境が失われたと考えられている。

 1986年2月28日最後の一羽が死亡、国内絶滅種になった。 その後、動物園などで人工飼育、人工繁殖に成功し、兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)では、2005年から野生復帰計画が開始した。

 2007年7月31日、国内の自然界で43年ぶりに誕生した幼鳥が人工巣塔から巣立ちし、飛び立った。 この計画では絶滅の原因になったとされる「農薬」を使わない、「無農薬栽培」を周辺の農民が協力。地域ぐるみで野生絶滅種をよみがえらせる「世界初の成功例」になった。

 環境大国日本とも呼べる成果である。これからも、人類が環境に関心を持ちながら、発展していくことは大切なことである。野鳥たちの自然復帰を考えることは、自然環境を考えることに等しい。野鳥たちの自然復帰、みんなで応援しよう!
参考HP 山階鳥類研究所 聟島のアホウドリのヒナすべて巣立ち 

50羽から5000羽へ―アホウドリの完全復活をめざして
クリエーター情報なし
どうぶつ社
最後のトキ ニッポニア・ニッポン―トキ保護にかけた人びとの記録 (ノンフィクション 知られざる世界)
クリエーター情報なし
金の星社

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