太陽の直径 金環日食で計算
 太陽の直径はどのくらいあるだろう?教科書などには140万kmと記載されているが、これは正確な値ではない。太陽は光が強いため輪郭の位置を観測しにくく、正確な測定が難しいのだ。国際天文学連合は、太陽半径を大雑把な値として139万2000キロ・メートルと定めている。

 5月21日に日本で観測された金環日食のデータを使って、これまで100年以上にわたって正確には分かっていなかった太陽の直径を、139万2020キロと精度よく求めることに国立天文台などの研究グループが成功した。

 5月21日の金環日食の際には「ベイリービーズ」と呼ばれる月の谷間からこぼれた小さな光が玉のように連なる珍しい現象が全国で観測された。国立天文台の相馬充助教らのグループは、このベイリービーズの詳細な観測データから、正確には分かっていない太陽の直径を求めようと全国に呼びかけてデータを集めた。

 そして、光の玉が月のどの谷間によってできているのかを月探査衛星「かぐや」のデータと照らし合わせて割り出し、観測地点からその谷間を通る直線を引いて太陽の中心との間で直角三角形を作った。

 その結果、太陽の半径が求まり、最終的に太陽の直径は139万2020キロと精度よく計算できたという。太陽の直径を巡っては、およそ120年前から欧米の研究者が地上の望遠鏡などを使って直接観測して求めていたが、この方法だと太陽のふちが正確に把握できず、これまで測定された値は、139万1000キロ前後から139万2300キロ前後まで1300キロものバラツキがあった。

 相馬助教は「NASAでも成し遂げられなかったことを日本の科学技術でできたことはとてもうれしい。全国の多くの方々の協力があって得られた結果です」と話していた。研究グループでは今後、データの検証を行い、ことし秋ごろに正式に発表したいとしている。(2012.5.25 NHK news)

 太陽の大きさは変動しているという説もある。今回求めた半径は、観測に成功した国内11か所のうち2か所のデータを利用したが、国立天文台の相馬充助教は「他のデータも入れて計算すれば、さらに精度が高まる。今後も日食のたびに大きさを計算し、太陽の大きさがどう変動しているのか確かめたい」と話している。(2012年5月25日 読売新聞)

 ベイリー・ビーズとは何か?
 ベイリー・ビーズ(Baily's beads)とは、日食の際に月が太陽を隠し、月表面の凹凸の地形によって日光がビーズのように見える現象である。1836年にこの現象について初めて正しい説明を与えたフランシス・ベイリーにちなんで名付けられた。

 月の地形は、山、クレーター、谷等の存在によって、かなり凹凸に富んでいる。月表面の不規則性は、恒星の掩蔽の観測によって正しく知ることができる。ベイリー・ビーズは日食の経路の中心では数秒間だけ見られるが、本影部の端付近ではその継続時間が最大になり、1分から2分も続く。(Wikipedia)

 ベイリービーズは次のような日食でよく見られる。 皆既食よりも金環食、皆既食や金環食となる継続時間が長い日食よりも、継続時間が短い日食、皆既食や金環食の中心線に近い観測地点よりも、限界線に近い観測地点。このような条件下では長い時間にわたってクレーターから数多くの光が漏れやすく、ベイリービーズが観測しやすくなる。

 例えば1948年5月9日に起きた礼文島での金環日食は、皆既日食に限りなく近い金環日食であった。このため月の谷間から随所でリング状に光が漏れて、全周にわたってベイリービーズが観測された。このような現象をダイヤモンドネックレスと呼ばれる方もおられる。

 ウェザーニューズによると、全国では63%が「日食見えた」と報告があった。ウェザーニューズの日本全国に6万7,979人いるサポーター会員のうち、7時45分時点で63%が日食が見えると回答したという。

 当日は、南海上の低気圧・前線の影響で、太平洋側は雲に覆われ、日本海側ほど鮮明に日食を観察できた。九州、四国地方には湿った空気が流れ込み、雲が発生しやすく、一部では雨雲もともなったという。関東南部でも雲が厚く、一時的に雨雲も発生したが、雲のフィルター越しに日食を観察できた例が多かった。沖縄でも梅雨前線の影響で雲が多くなったが、前線南下により、雲の切れ間から日食を観察できたとのこと。

 金環日食「貴重な体験」ペンギン、東向き鳴く
 金環日食当日、動物たちに何か変わった反応はなかったのだろうか?

 那須町大島にある那須どうぶつ王国では、水辺にすむ動物に普段と違う行動が観察された。日食が始まった午前7時頃から、2匹のコツメカワウソは目を細めたり、あくびをしたりと眠そうな表情を見せ、水中に入らなかった。ケープペンギンは太陽の方角に並んで立ち、時折「ウォー」と鳴き声をあげた。フラミンゴやペリカンは羽ばたきをしたり、鳴き声を発したりしていたが、金環日食に入った午前7時半頃には静かになった。(2012年5月22日 読売新聞)

 NHKは横浜市の動物園「ズーラシア」から中継したりと、朝からにぎやかな放送となった。注目されていた動物の珍現象。ズーラシアではチンパンジー1頭が木に登って日食を眺めていた程度で目立った行動はなかった。

 だが、猿の博物館や動物園がある愛知県犬山市の日本モンキーセンターでは、太陽が一部欠けた7時ごろ、いつもは地面に下り“朝食”の草を食べる時間帯に、23頭のワオキツネザルが木に登ったまま。リング状になると興奮気味に木から木へと跳び回る行動をした。同センターの飼育員、佐藤百恵さん(27)は「太陽に熱量がないと感じたのか、朝方にはみられない活動をした」と驚いていた。(2012.5.21Zakzak)

 金環日食、気温最大5℃低下 
 三重県伊賀市。太陽は午前6時20分ごろから欠け始め、三日月が細くなるように徐々に日食が進んだ。周辺も、冬の早朝のような薄暗さに変化していく。太陽の中心に月が入り、輝くリングが出現すると、天体ショーはクライマックスを迎えた。登校前に参加した同市立緑ケ丘中3年、福永彩さんは「日食グラスが売り切れで手に入らず、見学会に来ました。すごくきれいで、良かった」と声を弾ませた。

 気温の変化をとらえようと、公園は会場に温度計を設置。午前7時前は20度を観測していたが、金環日食の瞬間は15度まで下がった。(毎日新聞)

 滋賀県甲賀市。金環日食の前後25分の間に地上の気温が0度6分下がったことが、京都大学の研究グループの観測で分かった。研究グループでは気温が下がったのは月によって太陽の日射が遮られたためとみている。

 京都大学生存圏研究所の研究グループは、滋賀県甲賀市信楽町の施設で金環日食が起きている間の大気の変化を観測した。研究グループでは、当初、金環日食の5分ほど前の午前7時25分から午前7時40分までの15分間に地上の気温が1度近く下がったと説明した。

 その後、観測データをさらに詳しく検証した結果、午前7時25分に15度ちょうどだった気温が、午前7時50分に14度4分まで下がり、金環日食の前後25分間で0度6分下がったことが分かった。研究グループでは気温が下がったのは月によって太陽の日射が遮られたためとみている。(NHK news)

 兵庫県西脇市。太陽の大部分が欠けた市内では、日の出後の気温上昇が日食中は下降に転じ、最大で1度気温が下がった。日本へそ公園(同市上比延町)内に設置された気象庁の無人観測施設「アメダス」の気温データを「にしわき経緯度地球科学館」の職員が確認。

 日食開始時(午前6時17分)は15.8度で、同7時3分には17.1度まで上昇。そこから下がり始め、日食が最大に近くなった同7時29分には16.1度になった。同館職員の高原摂竜さんは「日食による温度低下と考えてまず間違いない」と話している。(毎日新聞 2012年05月22日)

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