モロッコに到達、大陸間ソーラー飛行
 翼上の太陽電池のエネルギーだけで飛ぶ飛行機「ソーラー・インパルス」が6月5日、スペインのマドリードからモロッコまでの大陸間飛行に成功した。高度は約8200メートルを記録。

 ソーラー・インパルスはスペインのマドリードを離陸し、19時間後の現地時間6月5日午後11時30分にモロッコへ着陸。ヨーロッパとアフリカを隔てるジブラルタル海峡を渡る830キロの旅を終え、大陸間飛行を初めて成功させた有人ソーラー飛行機として歴史に名を刻んだ。操縦は設計者の一人ベルトラン・ピカール(Bertrand Piccard)氏が担当した。

 モロッコのラバト・サレ国際空港で人々の歓声に迎えられたピカール氏は、「ジブラルタル海峡の飛行は夢のような時間だった。パイロット人生のハイライトの一つだ」と振り返っている。

 ソーラー・インパルスはスイス西部パイエルヌから出発し、マドリードに着陸。気象条件が整うまで1週間以上待ち、ラバトに向けて飛び立った。スイスからスペインまでの17時間の飛行は、プロジェクトのパートナーで設計者のアンドレ・ボルシュベルグ(Andre Borschberg)氏がパイロットを務めた。

 それまでの数日間は晴天に恵まれていたが、超軽量機には大敵の強風が吹いており、大陸間飛行は延期されていた。条件が整った6月5日、同空港を離陸した。

 モロッコへの飛行は、対地速度で平均時速約52キロ、19時間8分を要した。夜明け前に離陸し、深夜に着陸したが、電力の問題はなかったという。「約20時間の飛行を終えても、バッテリーには十分な充電量が残っていた。これは大成功で、新しい技術にますます自信が持てる」とパイロットのアンドレ・ボルシュベルグ氏は語る。

 機体にはベルギーの化学・プラスチックメーカー大手「ソルベイ(Solvay)」の名が大きく記されている。同社は2004年からプロジェクトの最初のスポンサーとなり、高性能で超軽量のポリマーを提供して同機の製作を可能とした。その他、時計メーカーのオメガ、ドイツ銀行、エレベーター・エスカレーター大手のシンドラーも後援している。 

 チームによると、今回の飛行はモロッコ太陽エネルギー庁(MASEN)が招待し、国王モハメッド6世も後援したという。目的地にモロッコを選んだのは、世界最大(160メガワット)の太陽熱発電所建設を後押しする目的もあった。
 
 MASENのムスタファ・バクリ(Mustapha Bakkoury)長官は、飛行成功を受けて次のコメントを出している。「ソーラー・インパルスもMASENも届けたいメッセージは同じ。太陽光エネルギーは研究開発の段階を抜けだし、日常生活に溶け込み始めている。ソーラー・インパルスが世界一周に挑戦する2014年には、太陽熱発電所も稼働を開始する予定だ」。今回の大陸間飛行はそのウォーミングアップにあたる。(National Geographic News June 7, 2012)

 ソーラー・インパルスとは?
 ソーラー・インパルス(Solar Impulse)は、スイス連邦工科大学ローザンヌ校で進行中の有人ソーラープレーンプロジェクト。世界初の気球による無着陸地球一周を成功させたベルトラン・ピカールがプロジェクトを主催している。このプロジェクトでも太陽エネルギーを動力源とする有人固定翼機で世界一周することを最終目標としている。

 最初の単座航空機はスイスの機体番号コードで HB-SIA とされ、自力で離陸でき、最長36時間連続航行可能とすることを目標として製作された。2010年7月7日から8日にかけて、9時間の夜間飛行を挟んで連続26時間の飛行を成功させた。このプロトタイプ機の経験に基づいてやや大きめの2号機 (HP-SIB) が製作されており、20日から25日をかけて世界一周する計画である。

 ピカールがソーラー・インパルスのプロジェクトを開始したのは2003年のことである。その後様々な分野の専門家50人が6カ国から集まり、約100人がアドバイザーとして関与している。
 
 プロジェクトの資金は私企業が出資している。主要スポンサーはドイツ銀行、オメガ、ソルベー、Schindler Groupの4社。他にバイエル・マテリアルサイエンス、Altran、Swisscom がスポンサーとなっている。サポーターとしては、Clarins、Semper、トヨタ自動車、BKW、STG がある。スイス連邦工科大学ローザンヌ校、欧州宇宙機関、ダッソーが技術的支援をしている。

 HB-SIAの翼
 翼幅はエアバスA340に匹敵する63.4m。翼の下に4つのナセルがあり、それぞれにリチウムイオンポリマー二次電池と10 hp (7.5 kW)の電動機、2枚羽根のプロペラがある。翼をなるべく軽くするため、炭素繊維のハニカム・サンドイッチ構造を採用している。
 
 主翼と水平安定版の上面には12,000個の厚さ150μmの単結晶シリコン太陽電池があり、日中はこれで発電する。その電力で推進力を得ると同時に電池を充電して夜間飛行に備える。理論上は乗員1名で無制限の航行が可能である。2010年7月、夜間飛行を含む26時間以上の連続有人飛行に成功した。
 
 設計上の主な制限は搭載できる電池の容量である。条件がよければ24時間以上の間、平均で8 hp (6 kW)を供給でき、これは1903年のライト兄弟のライトフライヤー号の出力にほぼ匹敵する。昼間は電池を充電すると同時に位置エネルギーを利用して電力消費を抑え、夜間に備えることができる。

 2009年6月26日、ソーラー・インパルスはスイスのデューベンドルフで初めて一般公開された。走行試験の後、2009年12月3日に初の短距離飛行を行った]。操縦士は Markus Scherdel。プロジェクトの副リーダー André Borschberg は「信じられない1日だった。飛行機は約350m、地上1mほどの高度で飛行した…今回の試験は高く飛ぶことが目的ではなく、飛行中の操作性や飛行特性を確認することが目的だった」と述べ、さらに「結果は技術者が望んだとおりだった。これでエンジニアリング・フェーズが終り、飛行試験フェーズが始まる」と述べた。

 2010年4月7日、Markus Scherdel の操縦で87分以上の試験飛行を行った。この4月の試験飛行では高度1200mにまで達した。2010年5月28日には、太陽エネルギーだけによる飛行を初めて成功させ、電池を飛行中に充電した。
 
 2010年7月8日、HB-SIAは26時間の有人飛行を達成した。André Borschberg が搭乗し、中央ヨーロッパ時間 (UTC+2) の7月7日午前6:51にスイスのパイエルヌの飛行場を離陸、翌朝9:00に着陸した。この飛行で最高 8,700 m (28,500 ft) の高度に達した。有人のソーラープレーンとしては航行距離でも高度でも世界最高を記録し、2010年10月に国際航空連盟 (FAI) が正式に記録を認めた。
 
 2012年6月5日、スペインのマドリードを離陸。19時間掛けてジブラルタル海峡を越え、モロッコのラバト・サレ国際空港に着陸。飛行距離は830kmだった。
 
 計画されている2機目の飛行機 (HB-SIB) 
 HB-SIB はソーラー・インパルス2号機のスイスの機体番号コードである。2011年に完成予定で、与圧されたコックピットと最新のアビオニクスを備え、大陸横断飛行や大洋横断飛行が可能である。
 
 翼幅は 80.0 m (262.5 ft) でエアバスA380の翼幅 79.75 m (261.6 ft) より若干広く、旅客機としては世界最大である。
 
 コックピットは与圧されていて酸素マスクなども備え、高度 12,000メートル (39,000 ft) で巡航可能となっている。
 
 チームは世界一周飛行を2012年に実施したいとしている。北半球の赤道付近を一周する予定である。操縦士の交代のため5カ所で一旦着陸する予定となっている。操縦士の生理学上の制限により、1回の飛行は3日から4日までとしている。
 
 電池が改良されれば重量を減らすことができ、複座式にして途中で止まらずに世界一周できるようになると期待されている。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia:ソーラー・インパルス National Geographic news:世界初の成功、大陸間ソーラー飛行

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