「昆虫虐待?」で驚きの研究論文
 恐怖におののきながら死んだバッタの死骸は、安らかに死んだバッタの死骸とは異なる影響を土壌に与える――。このような内容の論文が15日発行の米科学誌サイエンス(Science)に発表された。
 
 論文の主執筆者でイスラエルのエルサレム・ヘブライ大学(Hebrew University of Jerusalem)の研究者Dror Hawlena氏は同誌のウェブサイトに掲載された音声インタビューの中で、この研究結果は「確かに少しとっぴな話に聞こえる」と語った。
 
 Hawlena氏は米エール大学(Yale University)の研究者らと共に、クモにおびえさせられたバッタの死骸を使った実験を行った。実験ではまず、バッタだけを入れた籠とバッタとクモを一緒に入れた籠を用意し、草木が茂る自然の中に置いた。バッタが実際に食べられてしまうことを防ぐため、クモの口はのりを使ってふさぎ、バッタには純粋な恐怖のみを感じさせた。

Jorougumo

  バッタが死んだ後、Hawlena氏はその死骸を研究室に持ち帰り詳しく分析した。すると、恐怖を与えられたバッタの体の窒素に対する炭素の割合が、安らかに死んだバッタと比べて4%増加していることを発見した。
 
 また、このわずかな違いが原因で、恐怖を感じたバッタの死骸を入れた土壌では、落ち葉など植物性有機物の分解速度が大幅に遅くなることが確認された。 
 
 Hawlena氏は、干ばつや酷暑によるストレスでも恐怖と同様の効果が生まれ、土壌成分が変化して農作物の収量や植物の成長サイクルに永続的な影響を与える可能性があると指摘している。(6月15日 AFP)

 有機物の分解と炭素率(C/N比)
 分解する有機物として、バイオプラスチック (bioplastic)があるが、これは生物資源(バイオマス)から作られたプラスチックである。 主にデンプンや糖の含有量の多いトウモロコシやサトウキビなどから製造される。今回、恐怖を受けたバッタの体も有機物でできている。その成分中の窒素が減少、炭素が4%増加したという。一般に有機物中の炭素分が多いと分解しづらくなることが知られている。

 有機物にはいろいろな種類のものがあるが、土壌中に施用されると微生物によって分解され、植物の栄養になったり、土壌の物理性(保水性、排水性、通気性など)や生物性(微生物性)の改善に役立つ。有機物は年間で数%程度分解して減少していきますので地力の維持や増強には有機物の補給は欠かせないものである。

 有機物は種類によってその分解のしかたが違う。分解のしやすさ・しにくさは環境条件によってちがいうが、同一条件ではC/N比(炭素率)の大小でほぼ決まる。炭素率が大きくなると分解しにくく、小さくなると分解しやすくなる。その境界線はC/Nが「30」程度。

 有機物中の炭素量(C)を窒素(N)で割ったものである。土壌の炭素率は表土では10前後で下層にゆくほど小さくなる。黒ボク土では大きく20近くなるものもある。新鮮なわらの炭素率は60、堆きゅう肥は20~30位である。 

 炭素率の大きい有機物の分解を促進するには、窒素を加えて炭素率を小さくする必要がある。麦わらなど炭素率の高い有機物を土壌に多量に施用するとき、窒素を多めに施用するのはそのため。これをしないと土壌中の窒素が有機物の分解のために使われ、植物に窒素不足(窒素飢餓)がおこり、生育が悪くなる。

 鶏ふんなど炭素率の低い有機物は、施用後まもなく分解が始まり窒素などの養分を放出する。有機物の分解がすすむと炭素率は低下し最終的には「10」近くになる。

 有機物の堆肥化と炭素率(C/N比)調整法としては、窒素を添加してC/N比を30前後まで下げる必要がある。これは有機物を堆肥化する場合も同じである。ほとんどの有機物は100kg当たり窒素1kg添加することでC/N比は30以下に低下する。

 また、技術的には木、米、生ゴミ、牛乳等からも製造可能であるとされている。 バイオプラスチックの大きな利点は、元来地上にある植物を原料とするため、地上の二酸化炭素の増減に影響を与えないカーボンニュートラルの性質を持っていることである。ただし、従来のプラスチックと同様にバイオプラスチックの製造時にもエネルギーを必要とするため、完全なカーボンニュートラルではないとの意見もある。

 害虫と益虫の違い
 今回の実権は、バッタがかわいそうになる実験であるが、バッタとクモで比較すると、バッタは害虫、クモは益虫に分類される。しかし、バッタの方がはるかに親しみが湧くのはなぜだろうか?

 害虫と益虫の定義はあくまでも人間にとっての但し書きが付くのだが、それ以外にも本当のところは益虫なんだけど見た目が気持ち悪いとか人間の勝手な判断で個人的に害虫に分類されてしまったりする所もあるので、明確な線引きも時には難しい。

 家庭菜園などでテントウムシはアブラムシを食べてくれる益虫でしかも見た目も悪くないですし、テントウムシのサンバなんて歌謡曲も流行りましたので、人間に駆逐され難いと思うが、見た目が全然違っていてグロテスクだったら、人間の扱いは全然違っていただろう。

 例えばミミズは誰がどう考えても土を耕して、土中の空気の通りを良くして土地を健全に保ってくれる益虫の代表のような存在だと思うが、どうも嫌っている人は多い。ミミズが出ただけで大騒ぎするような人が、家庭菜園をやっていたりするのは理解に苦しむが、とにかく地球上には実に様々な生物が共存しているので、少なくとも益虫位は可愛がってあげても良いのではないかと思う。

 最近はキャンプ場に虫が居ただけでクレームを付けてくるような、頭の中を検査したいような人が増えているとも聞く。都会に住む子供などは大人になるまで殆ど実際に生きている虫を見たり触ったりしないって事も増えてしまうような事も充分に予測されるので、そのうちに益虫も害虫も関係なく虫は全部同じで駆除の対象になってしまったりするかもしれない。

 人間にとって、蜜をつくり、果実を受粉させ、実らせる大切なはたらきをしている、ミツバチは、益虫中の益虫とも呼べるが、嫌う人も多い。それは刺すという行為がヒトには害だからであるが、難しい問題だ。益虫とはどんなものだろう?

 益虫には、資源供給をするものと害虫を駆除するものがある。資源供給でいうと、絹糸がとれるカイコや、蜂蜜を生産するミツバチなどを指していう。また、直接資源を提供するわけではないが農作物の受粉を媒介する動物として昆虫は重要な存在である。
 
 害虫駆除では、クモやヤモリが水田のイネに巣食う害虫や、人家内外に住まうゴキブリ・ダニ・ハエ等を捕食してくれるとか、トンボやゲジがカを捕食するとか、そのような場合に使う。ただし、クモが益虫であるミツバチを食べたり、巣を張れば害虫扱いとなる場合もある。また益虫であっても、ゲジやアシダカグモなどは「外見が気分を害する」などの理由で「不快害虫」のレッテルを貼られてしまうケースも出てきている。

参考HP 三重県農業技術情報システム:有機物の種類と分解の特徴 Wikipedia:益虫 

有機物循環論
クリエーター情報なし
昭和堂
減農薬のための田の虫図鑑―害虫・益虫・ただの虫
クリエーター情報なし
農山漁村文化協会

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