サメの有効利用法
 サメは獰猛で危険な生物というイメージが定着しているが、人に危害を加えるおそれのある種は20~30程度とされ、サメ類全体の1割ほどである。中でもホホジロザメやイタチザメなどに代表されるような鋭い歯と力強いあごを持つ種は特に危険であるが、その多くは外洋性で人との接触の機会はあまりない。まれに海水浴場など人のいる沿岸域にそのようなサメが現れることがあると、安全のためそこは遊泳禁止になったり、サメよけネットが張られたりする。
 
 サメの利用法にはどんなものがあるだろうか?まず、高級食材である「フカヒレ」がとれる。しかしそれ以外は、軟骨を利用したり、一部がかまぼこなどの練り製品になるものの、ほとんどが利用されずに捨てられている。その理由は「臭い」ということ。サメ肉に含まれている尿素が、ウレアーゼという酵素によりアンモニアなどに分解されるために臭う。現在、サメ肉を有効利用しようと研究が続けられている。

 また、深海に棲息するサメの肝臓には肝油があり、これが健康によいということでよく利用される。肝油は、タラやサメ、エイの肝臓に含まれる液体、およびそれから抽出した脂肪分。サメやエイなどの軟骨魚類は浮き袋を持たないため、海水より比重の軽い油を肝臓に蓄え、浮力を得ている。

Greenland Shark

 今回、北極圏の冷たい海に生息する、深海ザメの一種である「ニシオンデンザメ」を調べたところ、“世界一のろい魚”であることを発見、日本の国立極地研究所やノルウェー極地研究所、カナダのウィンザー大学の研究チームが国際的な海洋科学誌「Journal of Experimental Marine Biology and Ecology」のオンライン版に発表した。

 研究チームは2009年6月にノルウェー沖の北極海で、体長3メートル前後の6匹のニシオンデンザメ(体重204~343キログラム)の体にGPS(衛星利用測位システム)機能付きの測定器を取り付け、24時間の動きを調査した。その結果、ニシオンデンザメの平均的な泳ぐ速さは秒速約34センチ(時速約1.2キロ)と、人間の赤ちゃんのハイハイほどで、最大でも時速2.6キロほどしかなかったという。(サイエンスポータル June 18, 2012)

 世界一のろい魚発見!
 国立極地研究所を中心とするノルウェー極地研究所、ウィンザー大学(カナダ)との国際共同研究により、「世界一のろい魚」が発見された。北極海に生息するニシオンデンザメは、体の大きさや系統関係の違いを考慮すると、これまでに調べられたどんな魚よりもゆっくり泳ぐことがわかった。

 動物の体にとりつけるデータロガーで調べたところ、体長3mにもなるこの大きなサメは驚くほどのろかった。プロペラセンサーで記録した泳ぐ速さは、平均でわずかに時速1キロ。赤ちゃんのハイハイほどの速度である。泳ぎにともなう尾びれの動きの速さを、加速度の記録から推定すると、左右の往復運動になんと7秒もかかっていた。

 これらの値を、体の大きさや系統関係の違いを考慮して他の魚と比較すると、これまでに調べられたあらゆる魚(ニシン、サケ、タラ、ヒラメ、マンボウ、チョウザメ、他のサメ等)よりも遅いことがわかった。

 一般に、動物の筋肉の収縮速度は温度の低下とともに急激に遅くなる。北極海の冷たい水の影響で、尾びれの動きが鈍くなり、それにともなって泳ぐ速さも落ちているのだと考えられる。

 南極の魚の中には、低水温の中でも高い筋肉活性を保てるよう、特別な適応をした仲間がいる。北極のニシオンデンザメには、そのような適応は見られず、低水温のなすがままにされていることがわかった。

 不思議なことに、この「世界一のろい魚」はアザラシを襲って食べる。アザラシは哺乳類であり、体温を常に高く保っているので、低水温の中でも筋肉の活性を落とさずに済み、ニシオンデンザメよりもはるかに速く泳ぐことができるのに。

 北極のアザラシは、ホッキョクグマを避けるために水面で眠ることがある。私もフィールドワークをしているときに、水面にプカプカ浮かぶアゴヒゲアザラシを見たことがある。死んでいるものと思ってボートで近づき、手でつっついてみたところ、ハッと目を覚ましたように動き出し、潜り去っていった。もしかしたらニシオンデンザメはこのように眠るアザラシを探し出し、襲っているのかもしれない。(国立極地研究所)

 ニシオンデンザメとは何か?
 ニシオンデンザメ(西隠田鮫、学名:Somniosus microcephalus、英名:Greenland Shark)はツノザメ目オンデンザメ科に属するサメの1種。北大西洋全域と、沿岸沖の大陸棚地帯に生息。英名が示すように、グリーンランド近辺の海域にも分布。緯度が北の低水温の海水であれば、浅い海域にも浮上してくる。

 ツノザメ目の最大種で、最大体長7.3メートルにもなる。体色は灰色。近縁種のオンデンザメと同じに深海性だが、エサを求めて浅海に上がってくる。顎の歯は上顎に付いている歯がやや突き出て、下顎の歯がやや小さくなっている。吻部はやや前方に突き出る。体型はやや太めで横幅がある。体の大きさに比べて、鰭と目はやや小さい。目には寄生性のカイアシ類(ミジンコの仲間)をぶら下げていることがよくある。

 鰭が小さく、ズングリとした体型である。低温域に生息しているため筋収縮速度が遅く、泳ぐ速さは時速1km程度と、サメ類に限らず大型魚類の中でも極端に遅い。一方で、食性は非常に多彩で、サケ、マスなどの魚類や底生性動物を捕食するが、大型の個体となると、アザラシを襲うようになる。

 貪欲で、エサになりそうなものであれば、何でも口に入れるようで、胃の中からトナカイの姿や、ホッキョクグマの骨が見つかった事もある。しかし、死亡して、漂流していた個体を食べた可能性も指摘される。船員の長靴や、海に沈んだ人間の遺体まで胃の中で発見された例もある。
 
 体が大きく、その貪欲な食性のため潜在的に危険なサメとされるが、人の泳げない低温海水域に分布しているので、直接害に及ぶことは無いとされる。本種は肉に毒があって、焼いて毒抜きしないと食べられないと言われるが、肝臓は肝油などに利用されるために、北極海近辺では年間3万頭あまりが捕獲されている。

 肝油は、タラやサメ、エイの肝臓に含まれる液体、およびそれから抽出した脂肪分。サメやエイなどの軟骨魚類は浮き袋を持たないため、海水より比重の軽い油を肝臓に蓄え、浮力を得ている。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia:ニシオンデンザメ 国立極地研究所:世界一のろい魚発見!

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