海の色が変化する理由
 海の色はどうやって決まるのだろう? 海の色の違いというのは おもに、海水中のプランクトンなど、 小さな生き物による。 可視光線のうち、海は 青い色を反射し、赤い色を吸収するため、青く見える。 植物プランクトンの量が多くなれば、 光合成のため赤と青の色を吸収して緑やオレンジ色の光を跳ね返す。 よってプランクトンがたくさんいると、 海の色が濁った緑っぽい茶色に見える。

 東京湾だと1ミリリットルの海水にプランクトンが1000~1万個くらいもいるという。 沖縄の海だと10個くらいのため、 海の水は透き通った青だが、 浅瀬では白い砂か跳ね返った光の色が混ざり 透き通ったエメラルドグリーンになる。プランクトンが増える理由は 東京湾みたいに周りに人がたくさん住んでいると、 生活排水が川からいっぱい流れて来る。 その中に、植物プランクトンの栄養になる窒素やリンが含まれているため、増加する。

 また沖縄の海は栄養分が少ないため、プランクトンも少なくなる。赤潮はプランクトンの異常発生で起きる。ヤコウチュウというピンクのプランクトンが海面に沢山集まると赤く見えまる。 黒潮は日本列島の南側を流れる潮の流れ。 海が深いためプランクトンも少なく、 光の跳ね返りが少ないから青黒く見える。このように海の色は、 プランクトンの量によって変わりまる。


Emiliania huxleyi

 今回、北太平洋と北極海をつなぐベーリング海の東部陸棚域で、豊かな水産資源の基となる植物プランクトンの種類が、1970年代後半から別な種類へと大きく変化していることが、海洋研究開発機構・地球環境変動領域の原田尚美チームリーダーと岡山大学、九州大学などの共同研究で分かった。地球温暖化により海洋環境が変化したとみられ、その影響が海域の低次生態系の優占種を変化させるまでに及んでいることが初めて示された。

 ベーリング海はサケやカニなどの好漁場となっている。その豊富な水産資源を支えるのが植物プランクトンで、特に、二酸化ケイ素の殻をもつ「珪藻」が優占種として「食物網」の底辺にあった。ところが1997年から始められた人工衛星搭載の海色センサーによる観測で、炭酸カルシウムの殻をもつ別の植物プランクトン「円石藻」のブルーム(大増殖)がベーリング海の東部陸棚域でみられ、年によっては数カ月も続くことが分かった。

 海底堆積物中のバイオマーカー分析
 2006年、海洋地球研究船「みらい」の航海において、円石藻ブルームが観測されるベーリング海東部陸棚域の12地点で海底堆積物を採取し、堆積物中に含まれる放射性同位体210Pbと137Csの鉛直分布を利用して堆積構造に乱れのほとんどない6地点の堆積物を選び出した。堆積物の年代を見積もった結果、この6地点の堆積物は最長で過去70年前まで遡ることができる試料であり、この堆積物から円石藻が特異的に合成するバイオマーカー(有機化合物の長鎖不飽和アルキルケトン)を分析し、その濃度変化から過去の円石藻のブルーム出現のタイミングを明らかにすることを試みた。同時にこの海域の優占種である珪藻の現存量にも変化があるかどうか解析を行った。

 その結果、円石藻ブルームの出現は、1970年代後半に始まっており、円石藻ブルーム出現のタイミングは、1976-77年に北太平洋中高緯度全域で生じた気候のレジームシフト(この時期を境にベーリング海を含む北太平洋東部高緯度域は温暖になった)と大きく関わっている可能性が示唆された。しかしながら、ベーリング海が温暖-寒冷になるメカニズムは、北太平洋十年規模振動(PDO)と密接に関係しており、1930-40年代にもベーリング海は温暖な環境であったが、この時には円石藻ブルームは起きていないことがバイオマーカー分析から明らかになった。また、ベーリング海北部域では、円石藻ブルームの出現が1990年代後半と、ごく最近の現象であることも明らかになった。これは、PDOに起因する自然変動が、ベーリング海の円石藻ブルーム出現を十分に満たす要因ではないことを示している。

 このため、原田らは、円石藻生息に関するデータとベーリング海に関する既存の研究との照合を行い、円石藻の成長を促す最適な条件である、海洋表層の安定した光環境や低塩化(低い栄養塩環境)が、現場海域にもたらされた結果であることを明らかにした。具体的には、既存の研究で指摘されている近年の温暖化に伴うベーリング海の海氷域の減少が、この海域全体の光環境改善につながっている可能性がある。また、温暖化は、大気―海洋間の水循環を活発化させ、その結果、ベーリング海を含む亜寒帯域は低塩化の傾向にあることも既存研究から明らかとなってきている。温暖化による表層の昇温や低塩化は表層付近の鉛直混合を妨げ、海洋深層から表層への栄養塩供給を弱化させることになり、結果、貧栄養環境で優占する円石藻のような群集がベーリング海でも活発に生息するようになってきた可能性がある。

 近年、北極海の植物プランクトンのサイズが小型化しているという報告例はあるが、温暖化が低次生態系の優占種を変化させるまでの影響をもたらしたという報告は、他の海域でもほとんどなく、本成果がその可能性を示した初めての報告となる。(JAMSTEC)

 プランクトン・ブルームとは?
 
3月下旬、太陽の日射しは真冬のころと比べると随分強くなる。水温はまだまだ低いものの、海の中でも季節が着実に進んでいる。

 ブルームとは、もともとは陸上の花などが咲き盛ることを指すが、海洋学の分野ではプランクトンの大発生を意味する。日本海では、秋-冬の間は、海の表面が冷やされるとともに季節風によって盛んにかき混ぜられるため、より深い層(山陰沖では水深百五十メートル付近)まで海水が混合した状態となっている。このため、植物プランクトンの増殖に必要な窒素やリンなどの栄養塩類が海中の深い層から表面付近まで供給され、彼らにとっては、周囲にエサがたっぷりとある状態になっている。

 しかしながら、植物プランクトンが光合成によって増えるには、栄養塩類だけでなく太陽光が不可欠です。冬の間、日本海では日照時間が短く、また厚い雲に覆われた日々が続くため、いくら栄養分があっても植物プランクトンの増殖が妨げられてしまう。沿岸性の一部の種類では、環境条件が悪い時期には、形を変えてタネの状態(シストや休眠期細胞)になって過ごすものもいる。

 やがて2~3月になると、日射量や日照時間が大きくなる。このことが引き金となり、これまで増えたくても増えられなかった植物プランクトンの発芽や増殖活動が一気に盛んになる。これが、植物プランクトンの大増殖、「春のブルーム」である。 (但馬水産技術センター主任研究員 宮原一隆)

 円石藻とは何か?
 円石藻は、亜熱帯域などの貧栄養で光環境の安定した海域(荒天などによる海洋表層の鉛直混合が起きにくい)に多く生息する植物プランクトンであり、栄養塩に富む荒天海域の代表であるベーリング海では、珪藻ブルームは報告されていたが、円石藻ブルームはこれまで報告されていなかった。

 円石藻とは聞き慣れないが、どんな藻類だろうか? 円石藻(えんせきそう)は、細胞表面に円石と呼ばれる円盤型の構造を持つ植物プランクトンである。分類学上はハプト植物門に属する単細胞真核藻類である。円石藻はすべて海産で、世界中の海洋に広く分布している。細胞直径は5~100μm程度、細胞内に葉緑体を持ち光合成を行う独立栄養生物で、外洋における重要な一次生産者である。細胞の表面に炭酸カルシウムの鱗片である円石を持っており、これにより他のハプト藻と区別される。しかしながら円石藻は単系統のグループではなく、ハプト植物門の中で幾つかの系統にまたがって出現した事が知られている。

 円石藻は円石の形態により容易に種の同定・区別が可能であり、現生のものだけでも60属以上が知られている。また円石藻は微化石として大量に出土する為、現生種の何倍もの化石種が記載されており、層序学の分野においては示準化石として利用されている。加えて、円石の形態が円石藻の生育環境によって変化する事を利用し、示相化石として古環境の復元に用いられる事もある。

 円石藻は光合成生物であり、海洋の有光層で生活する。円石藻の多くは貧栄養の外洋を好み、高密度で存在する事は少ない。例外的にイソクリシス目の Emiliania huxleyi や Gephyrocapsa oceanica は富栄養環境に適応しており、沿岸域・外洋域をとわず大発生する事がある。北大西洋などでは前者が、太平洋の日本近海では後者がブルームを形成する事が知られている。円石藻の研究は1800年代のエーレンベルクや Huxley にまで遡るが、これらはいずれも化石や堆積物としての円石を対象としたものであった。円石は低マグネシウム含有性の炭酸カルシウムであり、化石化しやすい。

 円石藻が死ぬと円石は沈降してゆくが、大部分の円石は海底に到達する前に溶解してしまう。円石が堆積物として大量に集積する為には、動物プランクトンなどに捕食されて糞として固められる(いわゆる fecal pellet となる)必要がある。沈降した円石は年月を経て石灰岩となり、ドーバー海峡に見られるような白亜、つまり天然のチョークの露頭を示す。

 円石藻の化石は三畳紀~現代に至る各層から発見されている。円石藻が最も栄えたのはジュラ紀~白亜紀にかけてであるが、恐竜類が絶滅したK-T境界において、円石藻もその8割の種が失われたと言われている。新生代にはディスコアスター(Discoaster)と呼ばれる放射総称の円石を持つ円石藻が栄えたが、個々の円石は発見されるもののコッコスフィアを維持している例は無く、円石藻とは全く別の生物に由来する可能性も残っている。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia:円石藻 JAMSTEC:ベーリング海における近年の植物プランクトン群集の大きな変化

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