硫化水素が細胞老化を抑制
 熊本大大学院生命科学研究部の赤池孝章教授は7月4日、九州大などとの共同研究で、活性酸素が心不全を引き起こす仕組みと硫化水素が心筋細胞の老化を抑制することを解明したと発表した。

 以前から心筋梗塞を起こした心臓で活性酸素が多量につくられ、心不全を引き起こすことは知られていた。赤池教授らは、活性酸素の代謝過程で生じる「親電子物質」と特定のタンパク質が反応し、心筋細胞を老化させて心不全が起きることを突き止めた。

 さらに体内では、2種類の酵素が硫化水素を生成し、この親電子物質を分解することを発見した。猛毒で知られる硫化水素が、活性酸素を抑え老化防止効果があるとは驚きの実験結果である。硫化水素は火山ガスに含まれている。温泉の中にもある。将来温泉の健康成分の1つになるのだろうか?

Hydrogen sulfide

 硫化水素に心機能改善効果
 火山ガスなどに含まれる硫化水素が心筋梗塞の悪化を防ぐことを、熊本大大学院生命科学研究部の赤池孝章教授(52)、澤智裕准教授(44)らの研究グループが7月4日までに発見、米科学誌ネイチャー・ケミカルバイオロジー電子版に発表した。

 心不全の予防や治療薬開発につながる可能性がある。 九州大の西田基宏准教授らと共同で研究している。赤池教授らは心筋梗塞状態にしたマウスを使って実験。体内で活性酸素が代謝される過程でできる物質と、「H-Rasタンパク質」という分子が反応することで、心筋細胞が老化し、心不全へと進行することを見つけた。  一方、マウスに硫化水素を投与すると、活性酸素やH-Rasタンパク質の働きが抑えられ、心臓の機能が改善したという。

 心筋梗塞を起こすと活性酸素が過剰に作られることは知られていたが、心不全の発症につながる仕組みや、硫化水素の投与で心機能が改善する効果を解明したのは初めて。

 硫化水素は温泉にも低濃度含まれ、ニンニクやネギを摂取すると体内でも生成されるという。赤池教授は「硫化水素は高濃度だと毒性がある。たくさん投与しても体に影響が出ない、毒性のない薬を開発することが課題」と話している。(kumaniti.com 2012.7.4)

 硫化水素とは何か?
 硫化水素(hydrogen sulfide)は化学式 H2S をもつ硫黄と水素の無機化合物。無色の気体で、腐卵臭を持つ。空気に対する比重は1.1905である。一般に「腐った卵のようなにおい」というとこの気体である。

 下水処理場・し尿処理場・ごみ処理場等において、細菌による分解、腐敗などに伴い発生して悪臭の原因となる。火山ガスの成分の一つでもある。

 空気より重く、無色、水によく溶け弱い酸性を示す。可燃性。硫黄と水素からなる無機化合物で、無色の気体。悪臭防止法に基づく特定悪臭物質のひとつである。臭気を感知できる濃度(検知閾値濃度)はわずか0.0005ppm。

 空気中にわずか0.1~0.2%(1,000~2,000ppm)あるだけで即死する。600ppmで致命的中毒。200~300ppmで急性中毒。100~200ppmで臭覚麻痺が起きる。50~100ppmで気道刺激、結膜炎の症状。0.41ppmで不快感。0.02~0.2ppmが悪臭防止法に基づく大気濃度規制値である。

 毒性は、化学的な反応性の高さによる皮膚粘膜への刺激性とミトコンドリアに所在するシトクロムcオキシダーゼの阻害が挙げられる。

 シトクロムcオキシダーゼ阻害作用は非常に急速に発生する。高濃度での暴露を受けた場合には数呼吸で肺の酸素分圧が低下することによる呼吸麻痺を起こし、呼吸中枢が活動できなくなる結果昏倒に至る。この現象は「ノックダウン」とよばれる。皮膚粘膜への刺激性は中長期的な影響となり、気管支炎や肺水腫を起こす。

 また硫化水素は独特の臭気があるが嗅覚を麻痺させる作用もあり、高濃度で匂いを感じなくなる。従って濃度が致死量を超えていても嗅覚で知覚できないケースもある。知らずに近づいた登山者やスキー客・温泉客が死亡する例も見受けられる。

 硫化水素と社会問題
 2007年頃より硫化水素を発生させ自殺する事件が度々起こっており、2008年3月頃からは特に急増している。警察庁によると硫化水素による自殺者は2007年に通年で27件29人だったことに対し、2008年1月から5月の5か月間で489件517人にまで急増、11月には1000人を超えていると報告された。

 なお、2009年11月17日に政府がまとめた自殺対策白書では、硫化水素ガス自殺において、自殺者数の増加と新聞やテレビなどマスメディアでの露出は比例したと結論付けており、メディアの無秩序な報道が自殺増加の原因と考えられている。 この際、救助しようとした人間が巻き込まれたり、階下の住民が巻き添えとなった事例も報告されている。

 2008年3月にはTBSが硫化水素を発生させる方法やその他自殺のためのノウハウを情報番組内で紹介して批判されている。高い確実性のある自殺の具体的手法がインターネット上に多数流通していることを受け、京都府警察がプロバイダにこれらの情報の削除を要求する事態にまで発展した。

 その後、警察庁は各都道府県警察本部に対し、硫化水素ガスの自殺目的での製造を教示する情報について、「情報自体から、違法行為を直接的かつ明示的に請負・仲介・誘引する情報」としてプロバイダ等に有害情報として削除等の措置を依頼することを求める通達を出した。同通達別添によれば、インターネット・ホットラインセンターに対しても、業務委託仕様書上の位置付けとして同様の扱いを求めたとしている。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia:硫化水素

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仮説社

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