星出さんISSに入室「家に帰ってきた感じ」
 宇宙飛行士の星出彰彦さん(43)が搭乗したロシアのソユーズ宇宙船が7月15日午前8時40分(日本時間同11時40分)、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からソユーズロケットで打ち上げられた。約9分後に地球を回る軌道に入り、打ち上げは成功した。打ち上げ後、軌道制御のための噴射を行い高度400キロのISSに接近。

 17日午後1時51分、ドッキングに成功した。17日午後4時23分には、ロシアのソユーズ宇宙船のハッチが開き、星出彰彦さん(43)ら日米露3人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に乗り移った。(2012年7月17日  読売新聞)

 ハッチが開けられると、星出さんは3人のうち最初に笑顔で入室。先に滞在していた飛行士と抱き合い、約4カ月の長期滞在がスタートした。星出さんのISS入室は日本実験棟「きぼう」を自ら建設した2008年以来、4年ぶり2度目。地球への帰還は11月12日、カザフスタンの予定だ。 

 地上との交信で星出さんは「応援してくださった日本のみなさん、ありがとうございます。まだ『きぼう』まで行ってないが、家に帰ってきたなという感じです」と笑顔で話した。

Hoshide

 7月21日には日本の物資補給機「こうのとり」が打ち上げられる予定で、星出さんは「こうのとりチームのみなさんと、一緒に仕事ができることを楽しみにしています」と元気な様子で語った。

 星出さんは11月中旬までの滞在中、きぼうで超小型衛星の放出や科学実験などを行う。8末には日本人3人目、長期滞在では日本人初となる船外活動を行う見通し。(SannkeiBiz 2012.7.17 )

 夢の宇宙へ再び挑戦!「燃え尽きない」星出さん
 宇宙飛行士になって宇宙に行きたい-。星出彰彦さん(43)は小学4年の時、作文に夢をつづった。それから30年余り。努力の宇宙少年は、夢の舞台に再び向かった。

 3歳から7歳まで米国で育ち、ケネディ宇宙センターのロケットに興奮。帰国後は「銀河鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」に夢中になった。中高一貫の茗渓学園(茨城県つくば市)に進み、授業の課題でスペースシャトルを取り上げた。「航空宇宙関係の仕事につきたい」。理由の欄には、今も決意が残る。
 担当の藤井健司教諭(56)は「いつも笑顔で勉強も楽しんでいた」と振り返る。水泳部で5年先輩だった佐藤賢士教諭(49)は「体が小さく泳ぎは速くないが、厳しい練習もしっかりやった。名前の通り、将来は月などの星にも出発してほしい」とエールを送る。

 ベストセラー「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の作者岩崎夏海さん(43)は同級生。真面目な主将・星出純は「文武両道で典型的な優等生」の星出さんがモデルだ。「全員から信頼を集める存在。一番頼りになる飛行士」と太鼓判を押す。

 1985年、高校2年の夏。毛利衛さん(64)らが宇宙飛行士に選抜され、夢は現実味を帯びる。2年間の留学で英語を鍛え、慶応大理工学部へ。ラグビーと勉強に没頭した。卒業論文を見た菱田公一教授(58)は「『宇宙に行きたい、行きたい』とずっと言っていた。周囲は無理と言ったが、思いは非常に強かった」と苦笑する。

 大学4年の時、「実務経験3年以上」の受験資格を無視して飛行士試験に応募した。当時の宇宙開発事業団に直談判したが門前払いされ、職員として就職。2回目の受験で1999年に合格した。直談判から3度目のトライで夢をつかんだ。

 2度目の宇宙飛行はトラブルで出発が1カ月遅れたが、「この商売に延期は付き物」と笑い飛ばす。「完全燃焼するが燃え尽きるつもりはない」「宇宙は人間の可能性」。少年の笑顔を残し、宇宙へと旅立った。(時事通信 2012/07/15)

 今回のミッション(31S)とは?
 星出宇宙飛行士「宇宙環境を利用したさまざまな実験を行いますが、そのうち滞在中の新たな作業として小型衛星の放出ミッションとメダカの実験があります。まず小型衛星放出ミッションは、宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機を使って、一辺約10cmの立方体の小型衛星とその放出装置を打ち上げ、「きぼう」日本実験棟の船内で組み立てます。それを「きぼう」のエアロックを使って外に出し、「きぼう」のロボットアームでつかんで放出する方向にもっていき、放出します。」

 「最近は小型衛星の打ち上げ需要が増えていますが、大型の人工衛星と一緒に打ち上げる場合には、ロケットの振動環境などに関して小型衛星にも大型衛星と同じ厳しい条件が課せられます。ですから開発費などが結構かかってしまい、小型衛星といっても手軽に打ち上げられるというわけではありません。しかし、今回の場合ですと、小型衛星を梱包して「こうのとり」で打ち上げますので、そのような厳しい条件をクリアする必要はありません。また、衛星を軌道に投入する直前まで、国際宇宙ステーション(ISS)でチェックや試験をすることができるというメリットもあります。宇宙飛行士が船外活動をすることなく、これができるのは、「きぼう」にエアロックとロボットアームがあるからです。このような小型衛星打ち上げの方法があれば、将来的には新しいビジネスにつながっていくかもしれません。」

 「メダカの実験では、メダカを長期間飼育できる水棲生物実験装置を「こうのとり」3号機でISSに運び、宇宙で長期間にわたってメダカを育て、無重力が生物に与える影響、特に骨や筋肉に与える影響を調べます。この実験で飼育するメダカは、私がISSに滞在している間にロシアのソユーズ宇宙船で運ばれる予定です。この実験で得られる知見は、地上での骨粗しょう症や筋力低下の予防につながるのではないかと期待されています。」

 「また、私がISSに滞在している間、ロシアのプログレス補給船が2回、「こうのとり」が1回、そのほかアメリカの民間の補給船が到着する予定です。クルーと一緒に、運ばれた物資を所定の場所に収納したり、ISSから分離する「こうのとり」3号機に不要品を積み込むなどの作業をします。そのほか、船内の掃除や水の再生処理など日々のメンテナンス作業、教育イベントなども予定されています。」

 “宇宙”に対するイメージ・希望
 星出宇宙飛行士「実際の宇宙は、思っていたものとは全然違いました。“宇宙戦艦ヤマト”のように宇宙船の中を歩けませんし(笑)。宇宙って楽しいところですが、同時に怖いと感じたこともありました。写真や映像だと地球の向こうに黒い宇宙が広がっていますよね。でもあの黒さは写真や映像で見る黒とは違って、底のない、黒さなんです。じっと見ていると暗黒の世界に引き込まれそうな感じになるんです。なんだか、ゴーッという音が聞こえてきそうな黒です。」

 「そしてその恐怖を感じながらふっと見たときの地球は、本当に美しかったです。地球も、これまで写真で見てきたものとは全く違っていました。宇宙の黒い闇の中で、地球がなければ人間は生きていけない。地球を大事にしなくてはと心から思いましたね。宇宙から地球を見ていても、いろいろな表情が見られて飽きないということも実際に行って分かったことです。帰還したときには、宇宙へ行って自分の夢がかなって満足して終わりかといったらそうではなく、すぐに再び宇宙へ行きたいという気持ちになっていました。」

 「いつか月へ行ってみたいです。そして、将来の有人宇宙活動に貢献できる技術を蓄積できればと思います。これはおそらく日本人宇宙飛行士の共通の願いかと思いますが、日本の種子島宇宙センターから宇宙へ行きたいという思いがあります。」

 「今は自分が4年前に取り付けた「家」に帰るような気持ちでいます。その家の中で長期間に渡って仕事をし、生活できることが非常に楽しみです。日本はISS計画のパートナーとして、世界から高い信頼を得ていますが、そうした信頼に応えられるような仕事をしてきたいと思います。仕事ですからしっかりやることは前提ですが、みんなで楽しみたいですね。最終的にクルーや地上スタッフの笑顔が見られたらいいなと思います。」

 「宇宙飛行士は宇宙に行くことで確かに注目されることが多いですが、私はチームの一員であり、宇宙で働く役目を担っているに過ぎません。例えば実験1つをとってみても、実験の内容を考える人、実験装置を作る人、手順を考える人、その手順を私たち宇宙飛行士に教えてくれる人、地上から宇宙にいる宇宙飛行士に指示をくれる人、というように、多くの人が関わってチームをつくっています。そのチーム全体の成功に、なにかしらの形で貢献できることが私の喜びであり、チームのみんなの笑顔にもつながってほしいと思います。」

 「そして、みなさんに“自分もいつか宇宙へ行けるかもしれない”という夢を抱いてもらえるよう、“身近な宇宙”をどんどん伝えていきたいと思います。宇宙から、明るい未来を少しでも見せることができたらと思っています。」(JAXAインタビュー)

参考HP JAXA:星出彰彦宇宙飛行士

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