「こうのとり」打ち上げ成功
 国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給機「こうのとり」3号機を載せた国産大型ロケット「H2B」3号機が7月21日午前11時6分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。こうのとりは約15分後、予定軌道に投入され打ち上げは成功した。順調に行けば27日、星出彰彦さん(43)らが滞在するISSに到着する。

 こうのとりは大型バスに匹敵する大きさで約4.6トンの物資を搭載。ISS日本実験棟「きぼう」でメダカなどを飼育する水槽や、きぼうから放出する日米の超小型衛星5基のほか、星出さんら滞在飛行士の食料や日用品などを運ぶ。

 ISS到着時は星出さんらがロボットアームでつかみ、7月28日に取り付けを完了する見込み。不用品を積んで9月上旬に離脱、大気圏に再突入して燃え尽きる。

 再突入時には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とIHIエアロスペースが共同開発したデータ収集装置で機体が壊れる様子を初めて撮影。将来の有人宇宙船につながる帰還カプセルの開発に役立てる。

HTV

 H2Bは国産主力ロケット「H2A」の増強型で、JAXAと三菱重工業が共同開発した。平成21年の初号機から3回連続の成功で信頼性の高さを示した。3号機の打ち上げ費用は約150億円、こうのとりの製造費は約140億円。

 今回の成功でH2Bの打ち上げ業務はJAXAから三菱重工に移管される見込みで、同社は既に移管済みのH2Aと同様に商業衛星打ち上げの受注を目指す。

 H2Aと合わせた打ち上げ実績は計24回、成功率は95.8%に上昇。今後は海外と比べて割高なコストの削減による価格競争力の強化が課題となる。こうのとりはISS参加国の協定で年1基ずつ、計7回の打ち上げが決まっている。(産経news 2012.7.21)

 「こうのとり」の実績と計画
 最近の我が国のロケット打上げ技術の進歩にはめざましいものがある。この宇宙補給船「こうのとり」もすでに3号機である。これまでの実績はどうだったのだろうか? 

 HTV 初号機 : HTV-1ミッションは打ち上げロケットともども最初のフライトであり、H-IIBロケット1号機は試験機、HTV初号機はHTV技術実証機、HTV-1とも呼ばれている。
 技術実証も目的のため単独飛行期間にデモンストレーションを行った。そのため推進剤やバッテリが多めに搭載されたこともあり、補給能力は本来の6tではない。
 2009年9月11日午前2時1分、H-IIBロケット1号機にて打ち上げられ、9月18日午前4時51分にISSと結合した。10月31日にISSから分離し、11月2日に大気圏再突入してミッションが終了した。搭載量は与圧3.6t、曝露0.9tの合わせて約4.5t。
 HTV2「こうのとり2号機」: HTV2は技術実証機を基にHTVを運用機に改良した最初の機体であり、物資の補給能力も異なるほか、与圧部内物資搭載場所の拡張、搭載機器の国産化、一次電池の性能向上、各種ソフトウェアの改修など変更が行われた。
 2011年1月22日14時38分にH-IIBロケット2号機で打ち上げられ、1月27日20時41分にISSのロボットアームに把持され、1月28日3時38分にISSとの電力・通信系の接続が完了し結合を完了した。3月28日22時29分にISSから切り離され、3月30日12時9分頃に、ニュージーランド東の海上上空120kmで大気圏に再突入した(いずれも日本時間)。 ミッション期間は67日間だった。搭載量は与圧約4t、曝露約1.3tの合わせて約5.3tになる。
 HTV3号機: 今回、2012年7月21日に打ち上げられた。HTV2号機(HTV2) からの主な変更点としては、メインエンジンとスラスタを国産化。メインエンジンは、IHIエアロスペース(IA)社のHBT-5、スラスタは同社のHBT-1。通信装置を国産化。曝露パレットとしてEP-MPを初めて使用。
 HTV4以降: HTV以降の打ち上げ予定は未公表だが、年1機のペースで計7機の打ち上げを見込んでいる。なお、ISSは2020年まで運用が延長されることになったため、2015年以降も打ち上げは継続されると想定される。JAXAは2010年代半ばには、回収機能付加型HTV(HTV-R)を導入することを目指して検討が進められている。

 将来は有人宇宙船
 HTVは人間を乗せての打ち上げこそ行わないものの、ISS係留中に人が立ち入ることができる安全性を有し、無人での単独飛行が可能な宇宙船であることから、HTVを基点とした発展型が構想されている。なお、これらの構想は論文等で公表されているが、正式に開発が決定したものではないことに留意されたい。

 JAXAは2015年に有人宇宙船開発の判断を行い、2025年に実用化することを掲げている。HTVはISS係留中に宇宙飛行士が立ち入るため、有人宇宙船に相当する安全性を備えていることから、日本の有人宇宙船開発の基本になるものと位置付けられている。このため、上述の回収機能付加型宇宙ステーション補給機 (HTV-R) を実用化するなど、有人宇宙船の要素技術を開発し、2015年までに有人宇宙船の開発計画をまとめる方針である。構想では2020年までにHTV-Rを発展させた有人回収カプセルと、無人の有翼再使用型回収システムを開発する。これらを統合し、2025年までに再使用型有人宇宙船を開発するとしている。

 2008年6月に発表された構想によれば、HTVの推進モジュールに4人乗りの有人カプセルを組み合わせることを基本とする。最小構成の重量は6tで、H-IIA202型ロケットでの打ち上げも可能だが、脱出ロケットを持たないため有人打ち上げはできない。最大構成では、脱出ロケットや居住モジュールも搭載され、H-IIBロケットの2段目を大型化して対応する。なお、この構想は2001年にNASDA先端ミッション研究センターが構想を発表した「ふじ」と共通点が多い。

 ソユーズや神舟は上から順に脱出ロケット、居住モジュールに相当する部分、有人カプセル、電気・推進部の順なので、脱出ロケットは補給キャリアごとカプセルを脱出させる。HTV有人型は有人カプセル、推進モジュール、居住モジュールの順になるので、脱出時は有人カプセルのみを脱出させる。軌道に到達すると、補給キャリアを後方から前方に入れ替え、ソユーズなどと同じ構成になる。

 日本単独宇宙ステーション
 HTVを基に、日本独自の宇宙ステーションを建設する構想も存在している。補給キャリアの代わりに宇宙ステーションのモジュールを搭載して打ち上げたり、HTV自体を宇宙ステーションの推進機能として利用することが考えられている。

 これは、ロシアの宇宙ステーションと同じ手法である。ミールやISSのロシア製モジュールの多くはTKS宇宙船を基に開発したため、自力でISSにドッキングすることが可能で、ISSの高度や姿勢を制御するのにも使われている。また中国の神舟宇宙船も、軌道船と組み合わせて宇宙ステーションとして使用することが想定されている。

 JAXAの一案では、HTVを基にした推進モジュールや、HTVで輸送される太陽電池アレイ、居住モジュールを打ち上げ、これと既存のきぼうを組み合わせることで日本独自の小型宇宙ステーション (JSS) を実現する。なお、宇宙政策シンクタンク「宙の会」がこれとほぼ同じ趣旨の構想を発表しているが、こちらはきぼう以外にもISSのモジュールを流用しているため、より大型である。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia:宇宙ステーション補給機 JAXA:こうのとり2号機

われらの有人宇宙船―日本独自の宇宙輸送システム「ふじ」
クリエーター情報なし
裳華房
宇宙ステーションにかけた夢―日本初の有人宇宙実験室「きぼう」ができるまで (くもんジュニアサイエンス)
クリエーター情報なし
くもん出版

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ ←One Click please