ウォター・スクレイパー
 海に囲まれている日本、領土は世界第61位で、377,930平方キロメートル。世界の陸地のうちわずか 0.25%しかない。しかし、海の広さは領海と排他的経済水域を合わせた広さで世界6位となる。さらに、その全海水量を計ると、世界で4位の海水量になるという。これは凄い事だ、これを活用しない手は無い。(日本は世界4位の海洋大国 山田吉彦著)

 ということで、今回は海上都市の話。

 海に浮かぶ未来の摩天楼「ウォーター・スクレイパー(Waterscraper)」。中央にそびえる透明なドームは、水面下120メートルに伸びるラグビーボール形の建造物の一部である。強力な水圧にも耐えられ、高級マンションやホテル、研究施設としての用途が想定されている。周囲のリング状の構造で支持し、安定を維持する。

 海上を自由に移動できるが、錨(いかり)を下ろせば流される心配はない。ドームから差し込む自然光が、内部の明るさを保つ。ビーチやレストラン、マリーナ、ダイビング・センターなども備え、マンションの住人や宿泊客のニーズに応えるという。

 ウォーター・スクレイパーのようなアイデアには、都市の人口増加圧力を緩和する役目が期待されている。

 国連の経済社会局(DESA)によると、いまや世界人口の半分が都市部に暮らしている。2050年までには、インド4億9700万人、中国3億4100万人、ナイジェリア2億人、アメリカ1億300万人が集中すると予測されている。

 シースクレイパー
 未来の水上コミュニティ「シースクレイパー(Seascraper)」。アメリカのチームによる独特なデザインは、カツオノエボシから着想を得たという。世界人口が70億人を超え、都市部の膨張が加速するなか、持続可能な水上都市に注目する建築家やイノベーターが増えている。世界的に高まる洪水や海面上昇リスクへの対処も狙いの一つである。

 シースクレイパーは、住居やオフィス、娯楽スペースを備えた自給自足型のコミュニティだ。電力は、深海に設置した海流発電タービンや、外壁に組み込んだ太陽電池で賄う。大きく窪んだ中央部からは、下層階まで届く日光が差し込み、雨水が集められる。必要な淡水は、浄化処理した雨水と、内部に設けた海水脱塩プラントで確保するという。

 底部からは水深240~370メートルまでパイプが伸びており、深海の栄養分に富んだ水をくみ上げて周囲に拡散させる。魚類などのエサとなる植物プランクトンが発生しやすくなり、海洋生物の個体数維持に役立つと設計チームは説明している。

 シタデル
 オランダ、ハーグ近郊の都市ヴェストラントに2014年完成予定の浮遊式マンション「シタデル(Citadel)」。オランダの建築事務所Waterstudio.NLのコーエン・オルトゥイス(Koen Olthuis)氏によると、ヨーロッパで浮遊式の共同住宅が建設されるのは初めて。全60世帯が入居でき、国土の約半分が標高0メートル以下にあるオランダの人々を浸水の被害から守るという。

 オランダの内陸部には干拓地(ポルダー)が3500カ所以上存在する。降雨や満潮、海面上昇によって浸水することがあり、ポンプで頻繁に排水しなければ住民の生活はままならない。シタデルはこのポルダー内に建設される。

 浮遊式の一軒家は決して珍しくないオランダだが、比較的規模の大きい共同住宅はシタデルが初である。シタデルを支える浮遊式のコンクリート土台は、同じく水に浮く道路を介して陸地につながっている。

 近隣には今後さらに5棟の浮遊式マンションが建設される予定。オルトゥイス氏によると、これらのマンションでは消費エネルギーを従来よりも約25%節約できるという。

 プラスチック・フィッシュ・タワー
 海上を漂うプラスチックを収集する「プラスチック・フィッシュ・タワー(Plastic Fish Tower)」。「太平洋ゴミベルト」の対策として考案された。東日本大震災では、洋上を漂う震災ゴミが問題になっている。

 アメリカのカリフォルニア州沿岸からハワイ諸島にかけて広がるゴミベルトには、大量の廃棄物が浮遊している。ほとんどは世界中から集まった小さなプラスチック片で、広がる海域面積は日本の約4倍に相当するという。渦を巻いているのは、投棄され海流に運ばれた大量のゴミだ。

 プラスチック・フィッシュ・タワーは、直径1キロのリング状浮きフェンスを利用してプラスチックを収集する。浮きフェンスは、中央にある球形の主要構造物(イラスト)から四方に伸びた支柱で固定されている。主要構造物の中心部ではプラスチックゴミから養魚場用のネットを再生する処理工場を稼働させ、外層部と水上部には居住スペースを設ける計画だ。

 専用のボートで陸地と行き来する予定だという。「燃料には、処理済みのゴミからまったく新しい手法で抽出した化学物質を使用したい」と韓国の設計チームは話している。

 グリーンスター
 インド洋の島国モルディブで2014年オープン予定の浮遊式ホテル「グリーンスター(Greenstar)」。モルディブは世界で最も海抜が低く、気候変動による海面上昇の脅威が深刻な国の一つだ。

 オランダの建築事務所Waterstudio.NLが、周囲の海と調和するようにデザイン。800名が宿泊可能な客室と2000名規模の会議場を備える。

 Waterstudio.NLによると、地球温暖化に立ち向かうモルディブの決意に賛同し、環境負荷を最小化する効率性の高さを意識したという。「気候変動をテーマとする国際会議を開くなら、グリーンスターほど適した場所はない」と開発チームは述べている。(National Geographic News August 2, 2012)

 グリーンフロート
 日本にもある、洋上都市の計画。それが清水建設の「グリーンフロート(GREEN FROAT)計画である。

 GREEN FLOATは、赤道直下の洋上に人工島を建設し、カーボン・マイナス、自給自足、廃棄物ゼロを目指す新環境都市モデル構想だ。海中への光の確保という海洋環境への配慮から、固定式とせず、ゆるやかな潮流に浮遊する方式を採用し、洋上をゆっくりと回遊する。

 赤道直下というのは、暑くて過ごしにくいイメージがあるが、実は温度が一定で、台風も来ないので、安定した気候だ。そこに、半径1kmの人工島と、その上に地上1000mのタワーを作る。1000mですと、上は涼しくなるので、一年中26℃の空中都市が実現できる。

 GREEN FLOATは、2010年5月に、清水建設、スーパー連携大学院協議会、野村證券の三者が、必要となる技術課題に関する研究を共同で推進すべく、三者協定を締結し、構想の実現に向け、動き出している。

参考HP National Geographic news:未来の水上都市グリーンスター海に浮かぶ摩天楼ウォータースクレイパー

大規模浮体構造物―新たな海上経済空間の創出
クリエーター情報なし
鹿島出版会
東京湾をつなぐ―次世代技術を育んだ「アクアライン」プロジェクトの軌跡 (WORKING TOGETHER・人と技術のスケッチブック)
クリエーター情報なし
太平社

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