求めよ、さらば与えられん?
 富山県朝日町にあるヒスイ海岸ではヒスイがとれるというが、なかなか目当てのものに出会ったことがない。多くの人が探すので先に拾われているのだろう。子どもたちを連れて行くと、喜んで石を捜している。だが、大人になるに従って、いつしか夢を諦めてしまうものだ。そんなお宝がその辺に落ちているわけがない…と。

 「求めよ、さらば与えられん」とは聖書の言葉だが、諦めずに根気よく何かを探していれば、いつかは価値のあるものが発見できるかもしれない…。

 イギリスの少年チャーリー・ネイスミス(Charlie Naysmith)君は、そんな幸運に恵まれた1人だ。数日前、南西部ドーセット州の海岸を父親と散歩していたネイスミス君(8歳)。風変わりな石にふと目が留まった。早速自宅に持ち帰りインターネットで調べてみると、貴重な龍涎香(りゅうぜんこう)とわかったという。重さは600グラムで、4万ポンド(約500万円)ほどの値が付くと見られている。


Ambergris

 龍涎香は昔から香料として珍重されてきたもの。まるで龍の涎(よだれ)が固まったかのようだ…ということでこの名が付いたが、マッコウクジラの腸内で生成される結石で、海岸に漂着した塊が偶然見つかる場合がある。

 龍涎香は香水の原材料として広く用いられており、高級ブランドが香りを持続させる保留剤として利用する場合が多い。

 龍涎香の芳香には、土や麝香(じゃこう)に似た香りや甘い匂いなど、さまざまな種類がある。高級香水に利用できる品質だと、30グラムで数十万円の値が付くこともある。
 アメリカでは、絶滅危惧種であるマッコウクジラの龍涎香を香水の原材料として使用することは禁止されているが、フランスなどでは現在も活発に取引されている。

 龍涎香の生成プロセスについては、今も完全には解明されていない。イカのクチバシなど未消化のエサを、粘性の分泌物で包み込み体外へ排出する生態はよく知られており、この排出物が海を漂う間に固化したと考えられている。かつては口から出ると思われていたが、現在では肛門という説が有力である。(Johnna Rizzo for National Geographic News September 3, 2012)


 龍涎香とは何か?
 龍涎香あるいは、アンバーグリス(Ambergris)とはマッコウクジラの腸内に発生する結石であり、香料の一種である。灰色、琥珀色、黒色などの様々な色をした大理石状の模様を持つ蝋状の固体であり芳香がある。

 龍涎香にはマッコウクジラの主な食料である、タコやイカの硬い嘴(顎板:いわゆるカラストンビ)が含まれていることが多い。 そのため、龍涎香は消化できなかったエサを消化分泌物により結石化させ、排泄したものとも考えられているが、その生理的機構や意義に関しては不明な点が多い。 イカなどの嘴は龍涎香の塊の表層にあるものは原形を保っているが、中心部の古いものは基質と溶け合ったようになっている。

 マッコウクジラから排泄された龍涎香は、水より比重が軽いため海面に浮き上がり海岸まで流れ着く。 商業捕鯨が行われる以前はこのような偶然によってしか入手ができなかったため非常に貴重な天然香料であった。商業捕鯨が行われている間は鯨の解体時に入手することができ、高価ではあったが商業的な供給がなされていた。1986年以降商業捕鯨が禁止されたため、現在は商業捕鯨開始以前と同様に偶然によってしか入手できなくなっている。

 龍涎香がはじめて香料として使用されたのは7世紀ごろのアラビアにおいてと考えられている。また、龍涎香という呼び名は 良い香りと他の自然物には無い色と形から「龍のよだれが固まったもの」であると中国で考えられたためである。 日本にこの香料が伝来したのはこの語の記述が室町時代の文書に残っているため、この頃ではないかと推測されている。

 香料として使用する場合にはエタノールに溶解させたチンキとして使用され、香水などの香りを持続させる効果がある保留剤として高級香水に広く使用されていた。 また、神経や心臓に効果のある漢方薬としても使用されていた。

 龍涎香の構成成分の大部分はステロイドの一種であるコプロスタノールとトリテルペンの一種であるアンブレインである。このうちアンブレインの含量が高いものほど品質が高いとされる。 このアンブレインが龍涎香が海上を浮遊する間に日光と酸素によって酸化分解をうけ、各種の香りを持つ化合物を生成すると考えられている。

 ハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』第92章は、章題がAmbergrisとあり、その内容もマッコウクジラの解体時に龍涎香を入手する様子を詳しく描写している。(Wikipedia)


 マッコウクジラの名前の由来
 マッコウクジラは、抹香鯨と書く。これはマッコウクジラの体内からとれる「龍涎香」が、抹香(まっこう)に似た香りを持っていることから、そのまま生物学名として定着した。学名は、Physeter macrocephalus、英語名Sperm Whale。クジラ目-ハクジラ亜目-マッコウクジラ科(cf.en)に属する海生哺乳類である。
 マッコウクジラ科は絶滅した7属と現生のマッコウクジラ属からなり、マッコウクジラ属はマッコウクジラの1種のみで形成されている。
 ハクジラ類の中で最も大きく、歯のある動物では世界最大で、巨大な頭部形状が特徴。属名 Physeter は、「鯨の潮吹き」を意味する 古典ギリシア語: φυσητηρ (physētēr; ピュセーテール) に由来。 とりわけマックウクジラは前方に吹き出す潮がよく目立つためか、後にその属名に冠されることとなった。 英語では「ファイシター」のごとく発音する。日本語では慣用的に「フィセテル」「フィセター」などと呼ぶことが多い。
 本種は全てのクジラ類の中で最も大きな性差をもつ。標準的なオスの体長は約16- 18mであり、メスの約12- 14mと比べて30~50%も大きく、体重はオス50t に対しメス25t と、ほぼ 2倍の差異がある。なお、誕生時は雌雄いずれも体長約4m、体重 1t 程度である。ハクジラの中では最大種であり、成長したオスには体長が20mを越えるものもいる。
 本種を特徴づける著しく肥大化した頭部は、その長さがオスで体長の3分の1に達する。これは、クジラ類の中でも例外的に巨大である。脳は、おそらく全ての動物の中でも最大・最重量であり、成体のオスでは平均 7kg に達するが、身体サイズに比べれば決して大きな脳ではない。
 背中の色は一様に灰色だが、日光の下では褐色に見えるかもしれない。背中の皮膚は通常凸凹(でこぼこ)で、他の大きなクジラのほとんどが滑らかな皮膚をしているのとは対照的。
 噴気孔(呼吸孔、鼻孔)の位置は頭部正面に集中しており、遊泳方向に向かって左側にずれている。そのため、潮吹きは前方に向かった特徴的なものとなる。背鰭(せびれ)は背骨に沿って前から3分の2の場所に位置し、通常は短い二等辺三角形の形状をしている。尾は三角形で非常に厚い。クジラが深い潜水を始める前には、尾は水面から非常に高く引き上げられる。

 北極から南極まで世界規模で分布しており、深海沖に最も多くが生息している。社会的単位は安定していて、雌と子は部分的に母系の集団で暮らす。オスは高緯度の寒流域にも進出するが、メスと子が暖流域の外に出ることは滅多にない。日本では小笠原諸島近海に定住している。普通マッコウクジラは回遊することが多いので、これは特異な事例である。
 世界規模で多く生息している個体群には不明確なものもあり、地中海にてクリック音の観測や目撃情報などの分析から、詳細は不明ながらも、想定以上に多く生息しているであろう事実が確認された事もある(詳細は「深海への適応」参照)。

 マッコウクジラ、驚異の潜水能力
 マッコウクジラは、その生涯の3分の2を深海で過ごす。軽く2,000mは潜ることができ、集団で狩りをすると考えられている。光の届かない深海においてはイルカ等に代表される反響定位(エコーロケーション)を用いている。家族同士での会話にも音を利用していると考えられている。

 本種は家族の絆がとても強い。子は生まれてすぐには深海に潜ることができない。母親は子が深海へ潜ることができるようにするため、しばしば訓練をするが、子がなかなか潜ろうとしない場合は母乳を飲ませながら潜る。最近の研究では頻繁に深海と海面を行き来することが分かっている。

 本種の潜水能力はクジラの中で群を抜いている。ヒゲクジラ類の潜水深度は200- 300m程度とされる。マッコウクジラの場合は、全身の筋肉に大量のミオグロビンを保有し、これに大量の酸素を蓄えることが可能である。このため、1時間もの間を呼吸することなく潜っていられることが可能で、さらに、これによって肺を空にして深海の水圧を受けないことも明らかとなった。通常では、約1,000m近くの深海に潜ってから息継ぎをするために水面に上がり始めるまでの20分ほどの間、深海にて捕食などの活動を行っていることが分かっている。

 また、3,000mを潜ったとする記録もあり、深海層での原子力潜水艦との衝突事故や、海底ケーブルに引っかかって溺死したと見られる死骸の発見などの実例が、この記録を裏づける。しかし2,000m以上の深さまで潜ると捕食すべきイカなどの数も少なくなるため、それ以上はあまり積極的に潜ろうとするとは考えにくいとも言われている。マッコウクジラと衝突した場合、大型船は船体を破損させることはないが、ヨットや木造船であった場合には多大な損傷をこうむることが予想される。

 マッコウクジラの下顎(したあご)に20~26対の円錐形の歯を有する。それぞれの歯は約1kgもの重量を持っている。ヤリイカやダイオウイカなど主な食性はイカ類であり、スケソウダラやメヌケ、フリソデウオ科やツノザメ科のような大型の深海魚類も餌となる。

 丸呑みが可能なイカ類を食べるために歯は不要と考えられており、本種が歯を備えている理由ははっきりとは分かっていない。歯を持たないにもかかわらず健康に太った野生の個体も、実際に観察されている。現在では、同種のオス同士で争う際に歯が使用されるのではないかと考えられている。この仮説は、成熟したオス個体の頭部に見つかる傷の形状が歯形にあっていたり、歯が円錐形で広い間隔を空けて配置されている理由も説明できる。

 上顎の中にも未発達の歯が存在するが、口腔内まで出てくることはまれである。似た食性を持つハナゴンドウが、マッコウクジラと同じく下顎にのみ歯が有していることに、紐解くべき糸口があるかもしれない(この種はマイルカ科に属すが、多くの部分でマッコウクジラと酷似している)。
 近年の研究により、子を海面に残したまま深海へ獲物を獲りにいった親が、捕らえた獲物を子の餌としてくわえたまま持ち帰る姿が確認されている。映像に収められているものはダイオウイカで、一匹丸ごとではなく、一部だけを持ち帰ってきた。これにより、歯の存在理由が獲物をかみ切ること、深海から海面へ運ぶときの滑り止めなどとしての仮説も出てきた。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:マッコウクジラ 龍涎香 National Geographic news:イギリスの少年、高価な龍涎香を発見


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