世界一の科学技術
 2012年9月8日日テレの「世界一受けたい授業は」凄かった。1時間目の科学は、世界一の技術。紹介してくれるのは、山形大学、城戸淳二先生。先生自身も有機デバイス工学の世界的権威だ。

 今回紹介するのは、絶対にパンクしない世界一のタイヤ。なにしろ、空気が入っていないから絶対にパンクしない。通常のゴムタイヤは中に空気が入っているが、このタイヤは、オールプラスチック製。いったいどうなっているのだろう?
 この秘密が60本のプラスチックのスポーク。自転車のスポークよりも数は多い。しかも材質がプラスチックだからやわらかい。形状にも工夫があって、バネが効いていて乗り心地がよい。また、ゴムと違ってリサイクルも可能だ。


AirFree

 プラスチックはさらに、世界一のポールにも使われている。一見、どこの道路にでもある赤いポール。これがすごい。10tトラックがひいて、つぶされる。ところがすぐに復元。次はショベルカーのキャタピラでひいてみる。一瞬ぺしゃんこになった。すぐに復元。この秘密はプラスチックのポールの構造にある。上から見るとS字型になっている。こうすることで復元力が増すのだという。

 世界一のプリンターも凄い。ふつうは紙に印刷するだけ。このプリンターは何と3D印刷する。実物をコピーしてプラスチックで、実物大の模型をつくる。さらに最近では、0.1mmの最小の模型をつくることも可能になった。微小な部分をレーザー光を使って、樹脂を硬化させてつくるという。

 世界一のプロジェクターはメガネが不要な3D映像を映す。ふつうのスクリーンはもちろん建物にも映像を映すことができる。すると建物がいきなり崩壊して見えた。目の錯覚を利用して映像を映すという技術だ。

 世界一頑丈な壁はすごい、17tのおもりを山の斜面から転がして、この壁にぶつける。するとびくともしない。この秘密はその壁の構造。中が蜂の巣のような、「ハニカム構造」になっている。さらにその中に小石が詰められていて、これで衝撃を吸収できる。


 空気入りタイヤ(エアフリーコンセプト)を開発
 株式会社ブリヂストンは、新たなタイヤ環境技術として、これまでのタイヤとは全く異なるコンセプトの非空気入りタイヤ(エアフリーコンセプト)技術の開発に成功した。

 当社は、持続可能な社会の実現に向けて主体的に取り組んでいくために、「環境宣言」の中で、特に重要と考える 「3つの社会の実現(自然共生社会、循環型社会及び低炭素社会)」に向けた、長期的な環境活動の方向性を明確に示し、環境に貢献する様々な事業を推進している。

 非空気入りタイヤの技術は、タイヤの観点から、より環境に貢献する技術として、当社が開発を進めているもので、早期実用化を目指している。

 タイヤ側面に張り巡らせた特殊形状スポークにより荷重支持することで、空気を充填する必要が無い為、省メンテナンス性に優れるとともに、パンクの心配も無くなる。また、タイヤ側面に張り巡らせた特殊形状スポーク部の材質に再生利用(マテリアルリサイクル)可能な熱可塑性樹脂を使用することで、タイヤトレッド部のゴムを含め、100%再生利用可能な材料を採用しており、環境、安全、快適性を高次元で達成することが可能である。

 当社は、このような技術開発を推進していくことで、"Tire to Tire"を目指し、資源の循環利用や再生可能資源の利用拡大を積極的に進める。なお、「非空気入りタイヤ(エアフリーコンセプト)」は、11月30日より開催の「第42回東京モーターショー2011」のブリヂストンブースに展示した。(ブリジストンプレスリリースNo.183 2011年11月29日)


 課題は耐久性テスト
 開発担当者の中央研究所研究第4部の阿部明彦課長は「ホイールと外側のゴムを放射状スポークでつなぐ場合に比べ、強度は数倍以上で、柔軟性も確保した」と胸を張る。タイヤ1本当たり最大300キロの荷重にも耐えられるという。製造コストも、原付きバイク用なら従来のタイヤと同等という。

 環境面では、これまでのゴム製タイヤは材料の約9割を占めるゴムを燃料としてリサイクルしていた。これに対し空気不要タイヤはゴムの部分が少ないため、使用後はゴムを細かく粉状にし、薬品を加えて再び空気不要タイヤに利用。これに加え、スポークには成形やリサイクルが容易な熱可塑性樹脂を利用したことで、「材料を100%リサイクルした上で、同じタイヤに戻すことができる」(阿部課長)。

 地面に接する部分のゴムの溝がすり減った場合、新しいゴムに張り替える同社の「リトレッド」と呼ばれる技術を利用し、寿命を長持ちさせることも検討している。

 実は、空気不要のタイヤは特殊用途としてすでに使われている。フォークリフトにはホイールの周りがすべてゴムでできているタイヤを採用。
また、シニアカーなどと呼ばれるハンドル付き電動車いすにも、空気の代わりにウレタン樹脂が詰められたタイヤが使われている。ただ、いずれも通常のタイヤよりも重くて柔軟性も劣るため、乗り心地に難があるのが欠点という。

 空気不要タイヤを市販するには、長く使った場合の耐久性が課題だ。

 大きな力を一度に加えても問題がないことは室内実験ですでに判明しているが、小さな力を長時間加え続けた場合については現在も実験を重ねている。

 阿部課長は「原付きバイク用では走行距離数千キロレベルの耐久性で良いが、乗用車用では数万キロレベルが要求される。暑さや寒さ、高速走行にも耐える必要がある」。

 このタイヤを昨年末の東京モーターショーに出品したところ、「特にパンクの多い自転車用として早く販売してほしい」との要望が多かったという。「今後も数年かけて評価し、実用化にめどをつけたい」と阿部課長は普及を視野に入れている。(Sannkei Biz)


参考HP Sannkei Biz:パンクせず100%リサイクル可能ブリジストンの空気不要タイヤ ブリジストン:非空気入りタイヤ(エアーフリーコンセプト)を開発


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