香港の地下に古代の超巨大火山を発見
 中国当局は8月30日、香港の地下に古代の超巨大火山(スーパーボルケーノ)が存在すると発表した。ビクトリア・ハーバーを含む香港の大部分がその山域にあり、カルデラの直径は18キロにも及ぶという。火山全体は「糧船湾超巨大火山」と名付けられている。
 かつては大規模な噴火が発生していたが、香港の住民にとって危険はない。香港特別行政区土木開発部(CEDD)によると、1億4000万年前に噴火し、大部分が海洋に崩れ落ちて以降は死火山になっているという。
 「むしろ最も心配なのは、観光客がボートに乗り込み、湾内の岩石質の島に行くことだ。この島々には観光客用の設備は何もないので、上陸は控えた方がいい」と地質学者のデニス・タン(Denise Tang)氏は香港政府のテレビ番組で話している。
 「今回の発見が特に重要視される理由は、火山噴出物が大量に確認されただけでなく、マグマ源も特定できたからだ」とタン氏は説明する。そのマグマ源は、香港島北部の花崗岩帯として残っているという。


Hong_Kong_Night_Skyline

 糧船湾超巨大火山のマグマが固まった柱状節理と呼ばれる石柱群は、香港東南部の多数の小島で確認できる。六角形が最も多く、三角形や七角形も存在する。小さな石柱の直径は10センチ程度だが、大型になると直径3メートル、高さ9メートルを超えるという。同様な石柱群は、アイルランドのジャイアンツ・コーズウェーや米ワイオミング州のデビルズタワーなどでも見られる。

 超巨大火山の噴火は極めて激しく、1回で1000立方キロメートル以上の溶岩が放出される。糧船湾超巨大火山の噴火も同レベルだった可能性があるが、1億4000万年前の最後の大噴火では、直径18キロのカルデラから噴出した火山灰や溶岩は約300立方キロと推定されている。それでも香港全体を覆ってしまうほどの量だ。

 一方、アメリカのイエローストーンにある超巨大火山は、約200万年前に2000立方キロ以上の溶岩を放出しており、はるかに大規模で危険性が高いと考えられている。(Richard A. Lovett for National Geographic News September 7, 2012)


 イエローストーンの超巨大火山
 「ちょうどコーラの瓶を振ってから栓を抜くようなものです」と話すのは、1960年代からイエローストーン火山の研究をしてきた米国地質調査所のボブ・クリスチャンセンだ。噴火によってマグマ溜まりが空になると、地表は陥没して、後には巨大なカルデラが残される。イエローストーンの地下には、大量のマグマが継続的に供給される“ホットスポット”があり、過去1800万年ほどの間に噴火を繰り返し、その度にカルデラを形成してきた。ホットスポットの上にある北米プレートが南西方向へ移動しているため、太古の噴火の痕跡がいくつも連なっているのだ。

 過去3回の超巨大噴火は、現在の国立公園内で起きた。最も新しい噴火は64万年前に発生し、その規模は、1980年に57人の犠牲者を出した、ワシントン州セント・ヘレンズ山の噴火の1000倍に相当する。研究者たちの推計によると、火山灰は上空約3万メートルにまで達し、噴出物は西部一帯を覆い、南はメキシコ湾にまで達したという。また、800℃に達した灼熱の火砕流が渓谷一帯を席巻し、比重の重い、高温の噴出物が数百メートルの厚さで堆積した。緑豊かな谷が、一瞬にして、アスファルトのようなもので覆われたのだ。

 しかし、イエローストーンでは、さらに規模の大きな噴火が発生している。210万年前に起きた噴火の規模は、64万年前の2倍を超え、地表には広さ4000平方キロもの巨大な穴が開いた。これら2回に比べると、小規模だが、それでもなお壊滅的な被害をもたらした噴火が、130万年前にも発生している。

 超巨大噴火のたびに、影響は地球全体に及んだはずだ。噴出したガスは成層圏にまで達し、水蒸気と混ざり硫酸塩エアロゾルの薄い層が形成され、太陽光をさえぎっただろう。このため地球では、「噴火の冬」と呼ばれる気温の低い期間が数年も続いた可能性がある。

 驚異的な破壊力の割に、超巨大噴火が残した痕跡はあまり目立たない。イエローストーンのカルデラは浸食が進み、後に発生した小規模な噴火(最近では7万年前に起きた)の際に流れ出た溶岩や火山灰が溜まり、氷河によって表面が削られて平らになっている。そして、森が噴火の痕跡を覆い隠しているのだ。そのため、ドーン少尉のような鋭い観察眼をもっているか、地質学者に教えてもらわない限り、噴火の跡を見つけることは不可能と言えよう。

 「ここから見えるカルデラは、全体の3分の2にすぎません。あまりに巨大なので、全体を見渡せないのです」と、イエローストーンの超巨大火山を研究する地質学者、ボブ・スミスは語る。私たちはイエローストーン湖東端にそびえる丘、レイク・ビュートの上にいた。そこからはカルデラが見渡せるということだったが、私には見えなかった。その大半は湖底に水没しているし、直径が約72キロと巨大なためだ。


 7つの超巨大火山
 恐竜絶滅の原因ともいわれる、巨大火山の噴火。恐竜絶滅は隕石の衝突の方が有力だとされているが、それに勝るとも劣らない破壊力を持つ超巨大火山の大噴火が、実際に過去に起こった形跡が残されており、大量の生物を絶滅させた。

 地球で古代に大噴火を起こしたと思われる「7つの超巨大火山」を紹介すると、1.イタリア・セージア渓谷、2.米国イエローストーン、3.薩摩硫黄島、4.インドネシア・トバ火山、5.ニュージーランド北島のカルデラ群、6.シャツキー海台、7.オントンジャワ海台である。

 超巨大火山の噴火に関して、オーストラリアのモナシュ大学地球科学学部のレイ・キャス教授は次のようなことを言っている。

 「スーパー噴火が起こった場合、膨大な量の岩石と灰が放出され、200km四方に有毒ガスが拡散する。死者は数十万から数百万人に達し、気候や食料生産に深刻な影響を及ぼす」と主張。可能性がある地域として挙げられたのは、ナポリやニュージーランド、インドネシア、南米および北米。インドネシアではトバ山だという。同教授は「これを上回る脅威は小惑星の地球衝突くらいだ」と話す。

「これを上回る脅威は小惑星の地球衝突くらいだ」はすごいが、スーパー噴火が起きると「生物の95%死滅する」とも言っている。

 なお、火山の噴火の規模は、火山爆発指数という8段階のレベル(VEI)が決められていて、1が一番低く、8が最高である。有史時代ではレベル8の噴火はなく、1815年のインドネシアのタンボラ山の噴火がレベル7となっている。上記の7つの超巨大火山の過去の噴火の多くはレベル8に達していたと思われる。


参考HP National Geographic news:香港の地下に古代の超巨大火山発見 地球の記録:7つの巨大火山


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