ダークエネルギーの正体を探れ! 
 ダークエネルギーとは、宇宙を加速度的に膨張させるエネルギーであり、宇宙全体に広がって、負の圧力を持ち、実質的に「反重力」としての効果を及ぼしている仮想的なエネルギーである。この語は、宇宙論研究者のマイケル・ターナーが1998年に初めて作った言葉であるが、その正体は謎である。

 今回、チリの山頂に建設された「ダークエネルギーカメラ」が、初めて撮影を行った。数か国の研究機関による共同プロジェクト「ダークエネルギー・サーベイ・コラボレーション(Dark Energy Survey Collaboration)」が発表した。カメラの計画と建設には8年間がかかった。

 80億年前、はるか遠くの宇宙から、地球に向かって発せられた光線の旅が始まった。それが今、南米チリの山頂に降り注いでいる。その光の中には、なぜ宇宙の膨張は加速しているのかという物理学最大の謎を解明する答えがあるかもしれない。

 このカメラ(DECam)は、世界で最も高感度な、570メガピクセル(5億7000万画素)のデジタルカメラだ。カメラ(DECam)の焦点面には62枚の撮像素子を配置。合計で5億7000万画素を持ち、暗黒エネルギーがもたらす2つの影響の定量化を目指す。


DECam

 プロジェクトの代表を務めるジョシュ・フリーマン(Josh Frieman)氏は、「暗黒エネルギーは宇宙膨張を加速させている」と話す。DECamは80億光年先の光を検出可能で、当時の宇宙の姿が確認できると期待されている。「宇宙膨張がたどった歴史を、かつてないほど正確に分析できるだろう」。
 「また、暗黒エネルギーは重力と競合関係にあり、宇宙構造の形成に影響を与えている」。例えば、100億年前と50億年前の星団で形状を比較できれば、暗黒エネルギーが及ぼした影響を測定できる可能性があるという。(National Geographic News September 19, 2012)


 ダークエネルギーカメラ(DECam)
 ダークエネルギーカメラの製作は、アメリカのイリノイ州にあるエネルギー省フェルミ国立加速器研究所が担当。はるか80億光年先から届くかすかな光をとらえるため、南米チリの山頂に設置された。

 今回のファーストライト画像でもその威力は十分に伝わるが、本格的な観測開始は12月の予定。史上最大の銀河探索プロジェクトで、天文学最大の謎を解明する手掛かりが得られると期待されている。

 プロジェクトを担う「ダークエネルギーサーベイ(Dark Energy Survey)」の代表、ジョシュ・フリーマン(Josh Frieman)氏は、「宇宙膨張は加速している。これは現代科学において最大級のミステリーと言える。物質が重力によって互いに引っ張り合えば、減速して当然のはずなのだ」と話す。「したがって、互いを引き離す何かが存在していなければならない。それこそが“ダークエネルギー(暗黒エネルギー)”だ」。

 暗黒エネルギーは、重力に逆らって宇宙膨張を加速させている未知の力で、宇宙の全質量の約75%を占めるとされる。1990年代に初めてその存在が提唱されたが、いまなお直接観測が未達成で、正体が明らかになっていない。しかし、宇宙膨張に及ぼす影響の観測結果から、既知の物質の重力とは反対に作用する、いわば「逆重力」という奇妙な性質を持っている可能性が高いという。従来の物理法則は書き換えを迫られるかもしれない。(National Geographic News September 19, 2012)

  ダークエネルギーとは?
 ダークエネルギー(暗黒エネルギー, dark energy)とは、宇宙に存在するエネルギーの75%以上を占めるとされるが正体が明らかでないエネルギーである。現状ではほぼ推測の対象にすぎない。ダークエネルギーは一般相対論の宇宙定数 (Λ) で表される真空のエネルギーではないか、と考える人々も多く、実際、これはダークエネルギーに対する最も単純な説明である。宇宙定数は、時間や宇宙膨張によらず宇宙全体に存在する一様密度のダークエネルギーと解釈できるからである。これはアインシュタインによって導入された形式のダークエネルギーであり、我々の現在までの観測と矛盾しない。

 ダークエネルギーがこのような形をとるとすると、これはダークエネルギーが宇宙の持つ基本的な特徴であることを示すことになる。これとは別に、ダークエネルギーはある種の動力学的な場が粒子的に励起したものとして生まれるとする考え方もあり、クインテセンスと呼ばれている。クインテセンスは空間と時間に応じて変化する点で宇宙定数とは異なっている。クインテセンスは物質のように互いに集まって構造を作るといったことがないように、非常に軽くなければならない(大きなコンプトン波長を持つ)。今のところクインテセンスが存在する証拠は得られていないが、存在の否定もされていない。

 インフレーションとの関係
 ダークエネルギーはインフレーション宇宙論と密接に関係しているという点は注意が必要である。インフレーションはダークエネルギーと定性的に同様の、何らかの反発力の存在を前提としている。これによって宇宙はビッグバンの直後に急速な指数関数的膨張を引き起こす。このような膨張はほとんどの現在の宇宙論や構造形成論の本質的な特徴である。しかし、インフレーションは現在我々が観測しているダークエネルギーよりももっとずっと高いエネルギー密度で起きなければならないし、宇宙の一生の初期で完全に終わっているはずだと考えられている。したがって、ダークエネルギーとインフレーションの間にもし関係があるとしても、それがどのようなものなのかについては分かっていない。


参考HP Wikipedia:ダークエネルギー National Geographic news:ダークエネルギーカメラ始動


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