超高度ダイビングに成功、史上最高の高度(3万8000m)
 超音速とは、音速を超えること。その速さは、標準大気中で1225km/h である。オーストリア人の元兵士、フェリックス・バウムガルトナーさん(43)が10月14日、地上約3万8000メートルからのスカイダイビングに成功した。関係者は、史上最高高度から、史上初の超音速でダイビングするなど、3つの世界記録を更新したとしている。

バウムガルトナーさんは、米ニューメキシコ州の上空に高さ3.3メートル、幅2.4メートルのカプセルに乗って大型の気球で上昇。気温が約マイナス68度にもなる成層圏上部から飛び降り、約10分後にパラシュートで地上に到着した後、ガッツポーズで喜びを表した。

同プロジェクトのウェブサイトによると、バウムガルトナーさんの最高落下速度は時速約1342キロに達し、音速を超えた初めてのスカイダイバーとなったほか、史上最も高い高度の有人気球飛行とスカイダイビングという記録を打ち立てたという。

これまでの高度記録は、52年前に元米空軍のジョー・キッティンジャー氏が樹立した約3万1300メートル。バウムガルトナーさんは7月、約2万9500メートルからのダイビングに成功していた。(2012年 10月 15日 ロイター)


 超音速(1342km/h)ダイブ成功、世界記録を更新
 「今から帰るよ」。10月14日、気球を使って高度3万9000メートルまで上昇させたカプセルから地上へ飛び降りる直前に無線でこう言い、フェリックス・バウムガートナー(Felix Baumgartner)氏は歴史への一歩を踏み出した。

 それはあっという間の帰還だった。与圧服に身を包んだ同氏がスカイダイビングの最高高度記録を更新したこのフリーフォールは、落下速度でも史上最高の時速1342キロをマークした。

 オーストリア出身のバウムガートナー氏は挑戦成功後の記者会見で元気そうな様子を見せていたが、関係者の発表によると、フリーフォールの速度はマッハ1.24と音速を超えていたという。超音速の感想を訊かれたバウムガートナー氏は「体感してないので説明するのは難しい。あの与圧服を着ていると、何も感じないんだ」と答えている。

 この「レッドブル・ストラトス」プロジェクトは、数度の延期を経て現地時間10月14日に実施された。米国東部標準時間午後2時を少し回ったころ、アメリカ、ニューメキシコ州ロズウェル上空でバウムガートナー氏はカプセルを開けた。

 「ドアを出るときは頭をうんと低くするように」。プロジェクト関係者で唯一バウムガートナー氏と無線で直接つながっていたジョゼフ・キッティンジャー(Joseph Kittinger)氏が注意を促した。同氏は退役した米空軍の元パイロットで、1960年に高度3万1300メートルからダイビングし、それまでのフリーフォール記録を保持していた人物だ。

 その直後、バウムガートナー氏はダイビングを決行し、高さが55階建てのビル、横幅がフットボール場ほどもある史上最大のヘリウム気球の下から飛び降りた。


 フリーフォール最長記録はならず(4分19秒)
 フリーフォールの継続時間は4分19秒に及んだ。これはバウムガートナー氏が目指した史上最長記録とはならなかった(記録的な落下速度も影響した可能性がある)。高度約1524メートルでバウムガートナー氏はパラシュートを開いた。

 「私ならこんなに上手くやれなかっただろう」とキッティンジャー氏は無線越しに言った。その言葉は、インターネットのライブ中継でバウムガートナー氏のスカイダイビングを見ていた何百万という人々の耳にも届いた。

 バウムガートナー氏は、およそ10分の滞空時間を経て、米国東部標準時間午後2時17分に無事、地上に降り立った。絵に描いたように完璧な着地を見せた後、歓喜した様子で膝をついた同氏は、すぐさま救援のヘリコプターで砂漠から運び去られた。

 さまざまな危険が予想された今回の挑戦を前に、バウムガートナー氏は楽観的な様子を保っていた。レッドブルとのインタビューで、同氏は次のように述べている。「最高のチームが私を支えてくれている。私自身もベースジャンプを始めて以来ずっと準備を進めてきた。キッティンジャー氏のような人たちに憧れ始めた幼いころから、この目標に向かって努力してきた。キッティンジャー氏をチームに迎えることもでき、私はこの分野で最高の人材に囲まれている」。

 奇しくも、バウムガートナー氏がダイビングに成功した10月14日は、65年前にチャック・イェーガー(Chuck Yeager)氏が人類初の超音速飛行を実現した日に当たる。バウムガートナー氏もその意味を理解していた。「あれから65年が経過しても、いまだ達成するべき挑戦は残されている。それらを達成する目標をけっして見失ってはならない。私もそうした冒険者の仲間入りができたら嬉しい」とバウムガートナー氏は述べている。(Nicholas Mott for National Geographic News October 15, 2012)


 成層圏とは何か?
 今回の舞台となった成層圏とは何だろうか?成層圏(stratosphere)は、地球の大気の上空、約11km~50kmの大気の層のこと。対流圏と中間圏の間に位置する。対流圏と成層圏との境目は対流圏界面(高度は極地で約8km、緯度が低くなるに従って高くなり赤道付近で約17km)、成層圏と中間圏との境目は成層圏界面(高度約50km)と呼ばれる。
 成層圏の特徴は温度分布であろう。対流圏や中間圏では高度とともに温度が低くなるのに対して、成層圏では逆に、高度とともに温度が上昇する。成層圏下部、対流圏界面付近では気温が約-70℃前後であるのに対して、中間圏との境の成層圏界面付近では-15℃から0℃になることがある。ただし、上空へ行くほど高温といっても成層圏の温度上昇率は一定ではない。まず、対流圏界面の高さを10kmとすると、ここから上に20kmくらいまでの温度は対流圏界面とほぼ等温状態が保たれる。そこから約15kmくらいまでは温度がわずかに上昇する層があり、さらにそこから成層圏界面までは温度が急激に上昇する。

 成層圏で高度とともに温度が上昇するのは、成層圏の中に存在するオゾン層が太陽からの紫外線を吸収するからである。しかしオゾン濃度が一番高いのは高度約20~25km付近だが、実際に成層圏内で温度が一番高いのは高度約50km付近である。この理由は、オゾン濃度がどうであれ上部のオゾン層ほど濃度の高い紫外線を吸収することもでき、また、上層ほど空気密度が低いことから温度の上昇率も大きいためである。この理由から成層圏では実際のオゾン濃度が一番高い付近よりも上に温度が最大の場所がある。

 成層圏という名称からは、この層は対流圏のような擾乱のある層ではなく安定した成層であるかのような印象を受ける。たしかに対流圏ほど気象は活発ではないが、完全な成層でもない。


 成層圏は成層ではなかった?
 成層圏の発見はおよそ100年以上前にもさかのぼる。1902年にフランスの気象学者ティスラン・ド・ボール(1855年~1913年)が気球観測によって対流圏とは構造がやや異なった層があることを発見し、翌年に発表した。その発表内容は、成層圏は対流圏とは異なり成層圏下部は温度が低く、上部は温度が高いというものであった。

 したがって、下部に重い気体が、上部に軽い気体があるため、上下の混合は起こらないと推定したことから、当時はこの層は成層であると考えられてきた。これが現在のstratosphere 成層圏という名前の由来である。語源となったラテン語の stratusは、英語で 'a spreading out'(広がり)の意である。

 その後、高層気象観測の技術も発達し成層圏の本格的な研究により、実際は成層圏でも上下の混合が起こっており、成層圏内でも風が吹いていることが分かった。

 成層圏内での風の分布には興味深い特徴があり、まず成層圏下部では対流圏上部の偏西風の影響を受け、おおむね西風が吹いている。成層圏上中部では次のような現象が見られる。極付近は夏に白夜という現象が起きる。したがって、季節が夏の半球では太陽があたる時間が低中緯度よりも高緯度の方が長くなる。

 そのため極付近ではオゾン層によって大気がどんどん暖められ、結果として高圧状態になる。逆に低緯度では相対的に低圧である。このため、高緯度側の高圧部から低緯度側の低圧部に向けて気圧傾度力が生じる。気圧傾度力は低緯度から高緯度に向かうコリオリの力と釣りあい、これを満たすように夏半球が東風になる。したがって、成層圏上中部では特別な場合を除いて、夏季は常に東風、すなわち偏東風が吹いている。これを成層圏偏東風と呼ぶ。

 また冬には逆の現象が起き、極付近では夏とは逆に一日中太陽があたらない状態なので低緯度付近と比べて低温、すなわち低圧となる。よって、低緯度から高緯度に向けて気流が生じ、コリオリの力を受けて偏西風となる。これを成層圏偏西風という。この現象は季節によって変化する風、すなわち季節風と捉えることができる。この現象はいわば「成層圏のモンスーン」である。この循環に加えて、夏の極上空では熱圏へ向かう上昇気流、冬の極上空では熱圏からの下降気流が起こっており、これらをまとめてブリューワー・ドブソン循環と呼んでいる。成層圏偏西風、成層圏偏東風どちらも最大風速は約50m/sである。

 このように成層圏は名前のように成層ではなく大気擾乱がある。ただし、上で述べたことは通常の季節変化を示したものであり、冬季に成層圏突然昇温という現象が起こった際には、成層圏偏西風が東風になることがある。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:音速 成層圏 National Geographic news:超音速ダイブ成功、世界記録を更新


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