カナダの巨大隕石衝突、日本で証拠発見
 岐阜県内の地層から、巨大な隕石(いんせき)が地球に衝突したときに散らばったとみられる物質が発見された。発見したのは、鹿児島大学などの研究グループ。

 岐阜県坂祝町の木曽川の河川敷には、およそ2億1,500万年前に出来た海底の地層が露出した場所がある。同時期にカナダ東部で起きた巨大隕石衝突の証拠が、この地層の岩石から見つかった。

 鹿児島大学大学院理工学研究科の尾上哲治助教を中心とする東北大学、茨城大学、首都大学東京、日本原子力研究開発機構の研究チームが発表した。この隕石衝突が、北米の動植物の絶滅の原因となった可能性が高いという。論文は5日、米国科学アカデミー紀要(PNAS)のオンライン版に掲載された。

 研究チームは、太古の海底地層が露出した木曽川右岸河床の三畳紀後期(約2億1500万年前)の地層を調査した。その結果、放散虫などの二酸化ケイ素の骨格をもつ海洋プランクトンの死骸が固まってできた珪質堆積岩(チャート)層の間に挟まれた粘土層から、直径が1ミリメートル以下の「スフェルール」と呼ばれる球状粒子を複数発見した。


Manicouagan crater

 このスフェルールの結晶構造を放射光X線回折によって分析し、構成元素の種類や含有量を電子線マイクロアナライザなどで調べたところ、地球表層にはごく微量しか存在しないイリジウムやルテニウム、白金などの6種類の白金族元素が、通常よりも最大で1000倍も多く含まれていた。これらは巨大隕石の衝突によってもたらされたものと考えられ、他の研究で隕石衝突が起源とされる「ニッケルに富むマグネタイト」という鉱物も、スフェルールに含まれていることが分かった。

 同時期に形成された隕石衝突跡としてはカナダ・ケベック州の「マニクアガン・クレーター」(直径約100キロメートル)が知られており、研究チームは発見した地層の白金族元素や鉱物は同クレーター由来の堆積物であるとみている。また同時期の北米の地層からはアンモナイトや陸上の動植物の絶滅が認められることから、この巨大隕石の衝突が絶滅の原因となったが、海洋プランクトンはその影響を受けず、多くの種が生き延びたようだという。(サイエンスポータル 2012年11月6日)


 チャートから白金族元素が高濃度検出
 三畳紀後期(三畳紀は前・中・後期と細分され、後期は今から2億~2億3700万年前の期間)には、幾度かの生物絶滅イベントが知られている。従来の研究では、恐竜の絶滅で有名な6500万年前の白亜紀/古第三紀境界の隕石衝突イベントのように、三畳紀後期の絶滅イベントもまた隕石衝突に関連性があるのではないかと考えられてきた。

 しかし、これまで隕石衝突により形成された地層である「イジェクタ層」(隕石衝突によりクレーター内部から放出された物質が堆積した地層)は、海底で堆積した化石を含む地層からは見つかっておらず、そのため隕石衝突と絶滅の関連性について議論することができなかった。

 研究グループは、三畳紀後期の隕石衝突の証拠を探す目的で2009年4月から研究を開始。研究対象は、岐阜県坂祝町の木曽川河床に見られる岩石の1種「チャート」だ。

 チャートは、二酸化ケイ素を主成分とする硬く緻密なケイ質堆積岩の総称で、木曽川河床に見られるチャートは、主に放散虫と呼ばれる二酸化ケイ素の骨格を持つ海生浮遊性プランクトンの死骸が深海に降り積もってできたものである。

 チャートは陸域から遠く離れた深海で堆積した地層であり、陸上物質の混入(例えば火山灰や風成塵など)が少なく、隕石衝突などによる地球外物質の混入をみつけやすいという特徴がある。

 2010年には、チャートの間に挟まれた粘土層から、隕石衝突により形成されたと考えられる直径1mm以下の「スフェルール」と呼ばれる球状粒子が発見された。

 この粒子については、隕石衝突に由来する物質であるかどうかを確かめるために、「放射光X線回折分析」や、「電子線マイクロアナライザ」などの機器分析が行われた。さらに粘土層については、地球外物質の混入を調べる目的で、ICP質量分析装置や多重ガンマ線分析装置を用いて元素を詳細に分析したのである。

 元素分析の結果から、地球表層には一般に極めて微量にしか存在しない白金族元素が、岐阜県坂祝町の粘土層中に異常に高い濃度で含まれることが明らかになった。

 これは、地球上の火山活動などのプロセスでは説明できないほど過剰なものだった。そして、隕石との元素濃度の比較から、粘土層に含まれる白金族元素は巨大な隕石の衝突によりもたらされたものと結論づけられたというわけだ。


 三畳紀後期の地層からイジェクタ層(隕石衝突の痕跡)を探る 
 また粘土岩に含まれるスフェルールには、白亜紀/古第三紀境界からも見つかっている「ニッケルに富むマグネタイト」と呼ばれる鉱物が含まれていた。これも隕石衝突に起源を持つ粒子であると考えられるという。

 チャートには、大きさ1mm以下の微小な化石(放散虫とコノドント)が含まれている。これらの微化石が示す年代から、この隕石衝突が今から約2億1500万年前の三畳紀後期に起こったことが明らかになった。

 この時期に形成された巨大なクレーターとしてカナダケベック州のマニクアガンクレーターが知られている。見つかったイジェクタ層はこのクレーター由来の堆積物と考えられるとした。

 また微化石の検討から、海洋プランクトンの多くの種がこの隕石衝突イベントを生き延びたことが明らかになったが、同時期の北米の地層からはアンモナイトや陸上の動植物の絶滅が認められている。これらは白亜紀/古第三紀境界とは質的に異なる絶滅パターンと考えられ、地球史における隕石衝突と生物の絶滅の多様性を示唆するものだという。

 今回の研究では、三畳紀後期に起こった隕石衝突が北米の動植物の絶滅の原因となった可能性を示唆しているが、海洋プランクトンはその影響を受けず多くの種が生き延びたことを明らかにした。

 それを受けて研究グループは今後、この隕石衝突によりどのような生物が絶滅の影響を受けたのか(絶滅の選択性)について研究を行う予定としている。そのため、世界各地の三畳紀後期の地層から同様のイジェクタ層を探索する予定だ。さらに、隕石衝突が地球環境に与えた影響(例えば寒冷化や酸性雨など)についても、地球化学的な視点から研究を発展させていくとしている。(鹿児島大プレスリリース)


 マニクアガン・クレーターとは?
 マニクアガン・クレーター(Manicouagan crater)はカナダ・ケベック州コート・ノール地域にある直径約100kmのクレーター。座標: 北緯51度23分 西経68度42分。

 セイント・マーティン・クレーター、ロシュショール・クレーター、オボロン・クレーター、レッド・ウイング・クレーターと合わせて、2億1400万年前(三畳紀後期)に破砕した天体の衝突によって生じた連鎖クレーターであると推定されている。

 1970年にクレーター付近を流れるマニクアガン川をせき止めるダニエル=ジョンソンダムが完成したのに伴い、現在はマニクアガン湖というダム湖になっており、中央部はダム落成の前日に35歳で他界したダムの建設設計者の名をとりルネ=ルヴァシュール島(René-Levasseur)と名付けられている。

 ルネ=ルヴァシュール島の大きさは2,020Km2に達し、淡水湖の中の島としては世界で二番目に大きい島である(世界一はヒューロン湖内のマニトゥーリン島)。

 このクレーターのある、ケベック州は、カナダ東部の州の1つである。カナダ国内では唯一、フランス語のみを公用語に定めている。 総面積1,542,056平方キロ、人口約778万人(2009年現在)。カナダの州・準州の中で、面積はヌナブト準州に次いで第2位。人口はオンタリオ州に次いで第2位。州都はケベック・シティーだが、州最大の都市はモントリオール。モントリオールはフランス語圏の都市としてはパリに次ぐ規模である。ケベック州の人口の約半分がモントリオール大都市圏に集中している。 (Wikipedia)


参考HP サイエンスポータル:カナダの巨大隕石衝突の証拠日本で発見 Wikipedia:マニクアガン・クレーター


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