2分で満タン、圧縮空気で走るバイク 最高時速は140km
 圧縮空気で走るバイクが制作された。フルタンクでの走行距離が100km、最高時速が140km。廃棄するバッテリーもないため環境にも優しい。圧縮空気というと、爆発はしないのかと思うが、スキューバダイビングのタンクをそのまま使う。このタンクが爆発したという話はあまり聞いたことがない。なかなかのアイデアだ。

 オーストラリアで工学を学ぶ大学院生ディーン・ベンステッドのプロジェクトである「O2 Pursuit」は、車載タンクに蓄えられている圧縮空気で走るバイクだ。このプロジェクトは、まず圧縮空気ロータリー・エンジンから始まり、それを中心にモトクロス用のダート・バイクを組み立てたものだ。フレームには「Yamaha WR250R」を使用し、後輪には動力を供給するスキューバダイビングのタンクと25ポンドのエンジンが追加されている。

 スロットル・レバーを握ると空気が放出されてバイクが加速する。その性能は素晴らしい。O2 Pursuitはタンク満タンでの走行距離がおよそ100kmで、最高時速は約140kmに達するという。

 充電なら数時間かかるところが、空気のタンクは2分で満タンになる。バッテリーの場合、最終的にセルが動かなくなったときに廃棄しなければならなくなるが、そういう問題もない。また、水素などとは違い、永久に安定した状態で保管できる。この数十年耳にしてきた「空気で動く四輪自動車」はいまのところ現実化していないが、軽量のバイクはこの利用法に最適だ。(WIRED 2012.11.8)


Air_Motorcycle

 空気自動車・バイクは、究極のエコカー?
 圧縮空気で、バイクが動かせるなら、自動車はどうなのか?やはり、バイクと違い車体が重いので難しいのだろうか?調べてみると軽自動車ならば、すでに実用段階にある。

 圧縮空気車 (compressed air car) は、圧縮空気を内燃機関の動力とする自動車のことである。単に空気自動車 (air car) とも。走行中に空気以外の排気ガスを出さない。タタ・モーターズ(インド)、MDI(フランス)を含む複数の企業で、実用化される。ガソリンやディーゼルなどの動力は、燃料と混合して燃焼しにより膨張したガスでピストンを駆動させることにより発生する。対して空気自動車の動力は、タンクに貯蔵した圧縮空気をそのまま膨張させることにより、ピストン、あるいはタービンを駆動させることにより発生する。

 圧縮空気を貯蔵するタンクに関しては、すでにISO規格が存在する(ISO 11439)。それによると、軽量化のため炭素繊維が用いられ、30MPaの圧縮空気を貯蔵することが求められる。

 ガソリンやディーゼル燃料と同規模の単位体積あたりのエネルギーを貯蔵する場合、供給圧力が最初と最後で大きく変動するので、電気自動車と同じようにレギュレータを必要とする。


 空気自動車の長所と短所
 長所としては、車体を軽くできる(少ないエネルギーで車体を動かせる)。 高価な素材をほとんど使わない。電気自動車のように電池やモーターに使うレアメタルが不要。走行時のCO2、NOx排出量がゼロ。製造コストが安い。

 また、既存技術の組み合わせだけで実現できる。 高圧空気タンク、エンジン、コンプレッサーなど必要な部品はすでに市販品で長い実績のあるものが存在しているため新しく技術開発する必要がなく、開発製造が容易である…などである。

 短所としては、現状の電気式エアコンプレッサーを使って圧縮空気を作る場合はエネルギー効率がガソリン車より少し良い程度でCO2排出量の削減に大きく貢献するとは言い難い。(効率のよい圧縮空気製造方法を生み出す必要がある)エネルギーコストとして見た場合、日本では電気でコンプレッサーを動かして圧縮空気を作る場合、ガソリン税などの税金まで含めたコストとして見れば同じエネルギーを得るのに必要なコストはガソリンより安くなる。

 FRP製樹脂のボディの場合、安全性に問題。現状のタンクでは航続距離が200km程度であり、航続距離伸ばすためには圧縮空気スタンドの普及、圧縮空気タンクの拡大・複数化や小型エンジンとのハイブリッドにする必要がある。

 日本の場合1MPa以上の圧縮空気は高圧ガス保安法により高圧ガスとして扱われ、空気を充填する作業が高圧ガス製造とみなされる。圧縮空気スタンドは高圧ガス保安法による法規制を受けるため設置場所が限られ、高圧ガス製造保安責任者が必須となる。

 圧縮空気タンクの定期点検が必要となる。高圧ガス装置となるためメンテナンスには普通の自動車整備士とは別の資格が必要になり、整備技術者の確保が問題になる。

 交通事故などで車が爆発して搭乗者や周囲の人間を死傷させる危険性がある。30MPaの圧縮空気が充填された高圧ボンベが破裂した場合は爆弾のように爆発する危険があり、高圧空気タンクの爆発による死傷事故は実際に起きている。

 気温による影響が大きい、高気温では空気ボンベの内圧が高くなり危険なため安全装置が必要になるが、これは高温地域では燃料が勝手に漏れて行くことになる。逆に氷点下の地域では空気が十分に膨張せず出力や走行距離が低下する。

 車内の冷暖房装備などに回すエネルギーの余裕が小さく、エンジンの熱源が無いため暖房装置を使うには別途燃料が必要になるか、空気で発電機を回す必要がある…などである。(Wikipedia)


 もう一つの究極のエコカー、燃料電池車
 圧縮空気がOKならば、この技術、燃料電池自動車でも活かせそうだ。燃料電池車では圧縮水素をタンクに充填する。そして、もう一方の燃料は空気中の酸素だ。

 燃料電池車(Fuel Cell Vehicle)は、燃料電池を搭載した自動車で、水素と酸素の化学反応で得られる電気エネルギーを利用し、モーターを駆動させる。ガソリン駆動車に比べてエネルギー効率が高いのが特徴。排出されるのは水だけで、CO2やNOx、SOxなどの温室効果ガス・大気汚染物質が排出されないため、「究極のエコカー」とも言われている。

 メリットとしては、・エネルギー効率が高い。 (燃料の原料採取~走行までの効率が、ガソリン車で15%程度、燃料電池車で30%程度とされている。) ・CO2などの温室効果ガス、NOx、SOxなどの大気汚染物質が排出されない。 ・1回の水素充填で、ガソリン車と同等の距離を走行することができる。 (例えば、トヨタの「FCHV-adv」で830km(10・15モード走行時)。)

 デメリットとしては、水素製造技術が確立されていない。水素の供給インフラが整っていない。燃料電池の触媒に白金を使っていることなどから、製造コストが高い…などがある。

 現在、トヨタやホンダが燃料電池車のリース販売を行っている。トヨタは、2008年9月に「FCHV-adv」を環境省に、ホンダは同11月より、「FCXクラリティ」を官公庁や一部の民間企業に対して販売。また、トヨタは日野自動車と共同で燃料電池バスを開発。中部国際空港のシャトルバスやランプバスとして貸し出された他、東京マラソンなどのイベントにも利用されている。 他にも、日産が2008年11月に「X-TRAIL FCV」を日光市に納入、スズキもGMと共同で燃料電池車を開発するなど、市場投入に向け、開発が進められている。

 最近では、トヨタが2015年に燃料電池車を商用生産すると発表し、徐々に市場投入に向けた動きが加速している。また、白金代替触媒の実用化に向けた研究も進んでおり、今後は製造コストがどれだけ下がるかも注目だ。

 また、インフラ整備の面では、経産省主導のJHFCプロジェクトが、燃料電池車の普及や水素ステーションのインフラ整備に向けた研究・活動を実施中。現在、関東地方を中心として合計11カ所の水素ステーションを設置している。一方、民間でも、新日本石油や東京ガスなど13社が、2009年7月に「水素供給・利用技術研究組合」を設立。2015年をめどに水素供給ビジネスを事業化させるとしている。

 海外では、2009年12月11日、ダイムラーが同社初の量産型燃料電池車「BクラスF-CELL」を発表。まず200台を量産し、2010年春から米国と欧州でリース販売を開始する予定だ。最高速度は170km/h、航続距離は400km程度。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:圧縮空気車 MDI:AirPod WIRED:圧縮空気で走るバイク


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