NZで死んだクジラ、確認過去3回の珍種だった
 クジラのなかまにはどんなものがあるだろう? 現生のクジラ類は2つの大きなグループに分けられる。すなわち、ハクジラ類、ヒゲクジラ類である。イルカもハクジラ類に分類される。イルカは分類学的にはクジラと相違はなく、ハクジラ亜目の小型種の慣習的な呼び名である。

 現生のクジラ類は、ハクジラ亜目とヒゲクジラ亜目に大きく分けられる。現生のハクジラ類はその名の通り、顎に歯を持つクジラである。しかし、最初期のヒゲクジラは歯を持っており、歯の存在によってこの分類群が定義されている訳ではない。

 アカボウクジラ科の一部の様に雄のみ下顎に一対の歯を持つものや、角の様に伸びた歯を持つイッカクなど特異な形態を示すものも少なくない。トラバースオウギハクジラ(バハモンドオウギハクジラ)の歯も変わっている。トランプのスペードのような形状の歯を持つ。このクジラ、過去140年に3回しか確認されていない珍種で、しかも死骸の一部しか確認されておらず、生態は謎のままである。

 2010年12月にニュージーランド北部の海岸に打ち上げられて死んだ2頭のクジラが、このトラバースオウギハクジラ(バハモンドオウギハクジラ)であることが分かった。同国の研究チームが科学誌カレント・バイオロジーに発表した。


Beaked_Whale

 2頭は、メス(体長5.3メートル)とオス(3.5メートル)で、親子とみられる。当初は別の種類とみられていたが、同国周辺に生息する13種類のクジラの遺伝子と比べた結果、トラバースオウギハクジラ(別名バハモンドオウギハクジラ)と判明した。歯がトランプのスペードの形に似ている。

 トラバースオウギハクジラの全身が確認されたのは初めて。これまでは、1872年に歯の付いた下あごの骨と、1950年以降に頭蓋骨2個が見つかっただけだった。確認例が少ないのは、ふだんは深海にいて海面に現れることが少ないためとみられている。(2012年11月10日 読売新聞)


 スペード型の歯を持つクジラ「バハモンドオウギハクジラ」とは?
 バハモンドオウギハクジラ(バハモンド扇歯鯨、Mesoplodon traversii)は、ハクジラ亜目アカボウクジラ科オウギハクジラ属に属する小型のクジラである。トラバースオウギハクジラともいう。

 英名のSpade Toothed Whale(トランプのスペードのような形状の歯を持つクジラの意)は、1872年にニュージーランドのピット島 (Pitt Island) で見つかった下顎に由来する。この個体は当時はヒモハクジラとして分類された。1950年にはニュージーランドのホワイト島 (Whakaari/White Island) で別の個体が発見され、当時はイチョウハクジラとして分類された。さらに1986年にはチリのロビンソン・クルーソー島で破損した頭蓋冠(Calvaria。頭蓋骨の一部)が見つかり、この時には新種のバハモンドオウギハクジラ Mesoplodon bahamondi (Bahamonde's Beaked Whale) として分類された。しかし、最近の遺伝子解析により、これらは全て同一の種であって Mesoplodon traversii として分類すべきであることがわかっている。すなわち Mesoplodon bahamondi は Mesoplodon traversii のシノニムである。

 2010年12月にニュージーランド・プレンティ湾のオパペ・ビーチ(Opape Beach)で、体長5.3mのメスと、体長3.5mの子どものオスの2体のクジラが座礁しているのが発見され、その後まもなく死亡した。このクジラは当初ミナミオウギハクジラだと考えられたが、遺伝子解析の結果、2012年11月にバハモンドオウギハクジラであることが判明した。これはこの種の最初の完全な標本である。

 バハモンドオウギハクジラは、これまで2体の標本しかなく、不明な点が非常に多い。大型哺乳類としては最も不明な点が多い種の一つであろう。

 バハモンドオウギハクジラは、頭蓋骨および歯の解剖学的な知見以外は全く不明である。他のオウギハクジラ属と比較すると、口吻の幅が比較的広いなどといった特徴がある。最も際立った特徴は23センチメートルほどもある大きな歯であり、大きさとしてはヒモハクジラの歯に近い。ヒモハクジラの歯と比べると幅が広く、共に歯の先端に小歯状突起があるが、バハモンドオウギハクジラの方が目立っている、といった違いがある。

 頭蓋骨の大きさから体長は5メートルから5.5メートル程度であろうという推測もある。生息域は、バハモンドオウギハクジラの発見された地点および東太平洋および西太平洋において発見されているが、中間部では発見されていない。生息数は不明であるが、おそらく多数ではないだろう。

 生態は、生きている状態のバハモンドオウギハクジラは見つかったことがないため、全く不明である。2012年までその骨の一部しか見つかっていなかった。(Wikipedia)

 おそらく、マッコウクジラのように、深海のイカなどを餌にするなかまだと予想される。近縁種のアカボウクジラが、非常に優れた潜水能力を有し、20分から30分程度の潜水を行うことが多く。80分もの長い潜水の記録もあり、潜る深さもほぼ間違いなく1,000mを超えていると考えられている。


 近縁種・アカボウクジラとは?
 アカボウクジラ科(赤坊鯨科、Ziphiidae)は、クジラ目ハクジラ亜目に属する科の一つ。アカボウクジラ科に属するのは比較的小型のクジラが多く、現生群は約20の種から成る。

大型哺乳類としては最も不明な点が多い種類の一つである。一部の種はここ20年ほどの間に発見されたばかりであり、まだ発見されていない種も存在しているだろうと考えられている。

 食餌は負圧を利用した吸引方式 (suction feeding mechanism) で行う。これは歯で獲物を捕まえるのではなく、口腔内に海水ごと獲物を吸い込む採食方法である。ハクジラ類は気道と食道が完全に分離しているため肺を利用した吸引は不可能であるが、そのかわり舌及び舌骨が発達しており、これを利用するとされる。口を開けると同時に大きな舌を急速に引っ込めることで口腔内の圧力を低下させ、海水と一緒に餌となる獲物を吸い込む方法である。比較的吻が長いためマッコウクジラなどよりは吸引力は劣るが、マイルカ科などよりは強力であるという。アカボウクジラ科の喉には顕著なハの字型の溝があるが、これは吸引の際に喉を膨らませ、口腔内の容積拡大に貢献するとされる。

 アカボウクジラ科のクジラは体長3.6m - 約13mであり、体重は1t - 15tである。識別は体長、体色、頭部の形状、口吻の長さなどの微妙な違いを用いて行い、野生下での種の同定はかなり困難である。また、オウギハクジラ属などでは雄のみ下顎に一対の歯を持つものもおり、種を特定する際の手がかりになる。

 世界中のほとんどの海域に棲息しているが、浅瀬はあまり好まず、大陸棚よりも深い海域を好む。海底の山脈、渓谷、斜面、あるいはアゾレス諸島、カナリア諸島などの大洋上の島々の近くなどを特に好む。判っている限りにおいては、海底あるいは海底近くで餌を捕獲する。主にイカ、魚類、甲殻類などを食べる。

 非常に優れた潜水能力を有し、20分から30分程度の潜水を行うことが多い。80分もの長い潜水の記録もあり、潜る深さもほぼ間違いなく1,000mを超えているものと考えられている。家族による小規模の群を成して行動することが多い。

 アカボウクジラ科は海洋性であることと、長時間の潜水を行うことから、観察することが困難であり、多くの種について不明な点が多い。一部には、正式な記録も名前もまだなかったり、死骸は確認されているものの、生体の観察例はない、といった種もある。約20種のうち、3種ないし4種は、かつては捕鯨の対象であったため、比較的良く知られている。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:アカボウクジラ科 ハバモンドオウギハクジラ


クジラとイルカの図鑑―完璧版 (地球自然ハンドブック)
クリエーター情報なし
日本ヴォーグ社
小笠原諸島
クリエーター情報なし
デラ

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ ←One Click please