「惑星」とは何か?
 惑星というと、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つが思い浮かぶ。惑星という言葉に明確な定義を与えようと、2006年の国際天文学連合の国際会議で、冥王星が惑星からはずされた。会議では「惑星は太陽の周囲を公転し、その重力によって球形が維持できるほど大きく、その軌道から他の天体を一掃していること」…とされた。

 しかし、これは太陽系の場合に限られる定義だ。すべての恒星系にあてはまるものではない。問題の1つに「褐色矮星」と呼ばれる天体の存在がある。「褐色矮星」とは何だろうか? 

 褐色矮星とは、軽水素 (1H) の核融合を起こすには質量が小さすぎるために主系列星になることができない天体のことだ。褐色矮星は天体の分類上は、恒星にも惑星にも入らない天体だ。太陽系では木星と土星にその可能性がある。

 たしかに「木星がもう少し大きかったら太陽のように核融合反応が起きて、光と熱を発生する恒星のなかまになっていた」というのは聞いたことがある。では、どのくらい大きければ輝き出すのだろう?


Brown dwarf

 正解は、およそ木星質量の13~75倍程度の星が褐色矮星となると考えられている。原始星において軽水素の核融合が始まるためには中心核の温度が300万~400万Kを超えることが必要である。そのためには最低でも太陽の8%以上の質量が必要でだ。それ以下の質量しか持たない星では軽水素による核融合反応は起こらないが、重水素 (2H) は軽水素よりも低温で核融合を起こすことができるため、重水素の核融合は起こる。

 これに必要な質量はだいたい太陽の1%程度、木星の13倍程度と考えられている。しかし重水素の存在比率は低いため核融合反応は短期間で停止し、そのまま冷却していくことになる。

 木星が恒星として輝くには水素を中心として75~80倍程度の質量が無ければならないが、半径で示せば30%程度大きければ「赤色矮星」にはなり得たという。 ただ、木星が現在の軌道のまま「赤色矮星」になっていたとしても、表面温度が概ね4000k以下で暗く、地球にほとんど影響はないと考えられている。


 1000年以上、曖昧な「惑星」の定義
 このように「惑星」とは、古代世界において「惑う星」と記述されたが、そのとき以来ずっと曖昧さをはらんでいる。その長い歴史の中で、この用語は多くの異なる概念を、しばしば同時に意味してきた。1000年以上に渡り、この言葉の使用は厳密ではなく、太陽や月から小惑星や衛星までを含んだり含まなかったりと、変遷してきた。宇宙に対する知識が深まってくるにつれ、「惑星」という単語の意味も昔の概念を捨てて今の概念を受け入れて成長し、変わっていったが、1つの定まった定義には現在でも至っていない。

 19世紀末までに、「惑星」という単語は、未定義のまま一応落ち着いた。この言葉は太陽系の天体だけに適用された。しかし1992年以降、天文学者は他の恒星の周囲を公転している惑星の他、海王星の軌道の外側に多くの天体を発見し始めた。これらの発見は、潜在的な惑星の数を大きく増やしただけではなく、その種類や特性も拡大した。恒星に近いほど大きいものもあり、月より小さいものもあった。これらの発見は、惑星は何であるべきかという長年理解されてきた概念に変更を迫った。

 惑星という言葉に明確な定義を与えようという問題は、2005年に当時最も小さい惑星だった冥王星よりも大きな太陽系外縁天体であるエリスが発見された頃から始まった。2006年の返答で、国際天文学連合はこの問題についての決議を公表した。太陽系だけに適用されるこの定義では、惑星は太陽の周囲を公転し、その重力によって球形が維持できるほど大きく、その軌道から他の天体を一掃していること、とされている。

 この新しい定義の下では、冥王星は他の太陽系外縁天体とともに惑星の基準を満たさない。国際天文学連合の決定は全ての論争を解決する訳ではなかったが、科学者の多くはその定義を受け入れた。しかし、いくつかの天文学者のコミュニティはそれを完全に拒絶した。(Wikipedia)


 惑星と褐色矮星の違い
 褐色矮星の理論的上限質量は木星質量の80倍程度である。このため、恒星の周りの惑星を観測的に検出しようとする場合には、褐色矮星の上限質量以下に見出される天体のうち、褐色矮星候補と惑星候補とを見分ける必要が生じる。

 そこで、両者を区別するために、進化の途上で重水素熱核融合を起こす可能性のある質量に達していない天体、すなわち「褐色矮星の理論的下限質量にその質量が達していない天体」を惑星と定義してはどうかという提案が2001年に国際天文学連合 (IAU) のワーキンググループから出された。この提案は恒星進化論に基づいた立場からのものといえ、現在に至るまで、暫定定義として便宜的に用いられる場合がしばしばある。

 観測的には、300個を超える太陽系外惑星が発見されている。恒星を観測してみるまでは褐色矮星と惑星のいずれが存在するのか、あるいは存在しないのかは不明であるから、惑星が存在する恒星を選択的に観測することはできない。したがって、特に観測が偏ることなく、惑星とされる天体の他に、褐色矮星と推定される天体も発見されている。

 しかし、質量ごとの天体数を統計的に見ると、木星質量の20倍をやや超える程度から数十倍までの質量範囲にはごく少数の天体があるだけで、数の分布が2つのグループに分けられることが見出されている。これを惑星形成論の立場から見ると、褐色矮星が分子雲から直接形成されるのに対して、惑星が原始惑星系円盤で固体成分を核として形成されることを反映したものであるとする見方になる。このような惑星形成論的な立場からは、重水素熱核融合の可能性の有無ではなく、観測的な上限質量値(木星質量の20倍をやや超える程度)を惑星質量の上限とする見解が出ている。

 21世紀初頭では褐色矮星の形成過程が理論的に見直されつつあり、質量あるいは質量分布のみから褐色矮星と惑星を定義するのではなく、他の要素をも考慮しようとする研究傾向が見られる。一例としては、サイズと組成も加味して区分すべきであるという見通しを示す研究グループがある。また、褐色矮星の理論的下限質量を超える質量の天体が恒星の周りを回っている場合でも、その恒星を巡る天体がさらに存在する場合には、連星系とするか惑星系とするかの定義がなく、褐色矮星と惑星の区分境界がぼやけてくる。

 以上のように、低質量の褐色矮星と大質量の惑星との区分を意図した定義は、複数混在している状況にあり、今後新たな定義が合意される可能性もある。本項では、多少の曖昧さを残して「木星質量の十数倍程度よりも低質量」という定義を示したが、本項を含め、各種文献や議論に接する際には、どのような定義を前提としているかに注意する必要がある。(Wikipedia)


 木星や土星は恒星のなかまか?
 1992年までに、恒星の周囲を公転する惑星質量天体が400個以上発見されてきた。これらの惑星の多くは小さな恒星程度の質量を持つが、一方で惑星程度の小さな質量の褐色矮星も沢山発見されるようになった。

 従来、核内で水素を燃焼させる能力を持つ天体を恒星としてきたが、褐色矮星は安定的に水素を燃焼させることができず、一生のうちごく短い時期に重水素を燃焼させるのみで、ほとんどの時期は自らエネルギーを生産していない。褐色矮星は通常、恒星と連星を形成しているのが一般的で、多くの褐色矮星は恒星の周囲を公転している。

 実際に、アリゾナ大学の天文学者アダム・ブロウズは、「形成の過程は違っても、理論的な観点から言えば、太陽系外の木星型惑星と褐色矮星は本質的には同じものである」と述べ、またシリウスBのような白色矮星も恒星ではなく惑星として扱うべきだと主張している。しかし現在の天文学会では、生涯のうちに核融合を起こすだけの質量を持つ天体は恒星として扱うのが支配的である。

 しかし褐色矮星に関わる混乱は、これでは終わらなかった。Maria Rosa Zapatario-Osorioらは、若い星団の中で、木星質量以下という、生涯のうちにどのような種類も起こさないような多くの天体を発見している。これらは、現在の太陽系形成の理論では、惑星の軌道が不安定な時、惑星が恒星系から弾き出される可能性を予測していることから、「自由浮遊惑星」と呼ばれている。

 しかし、これらの「自由浮遊惑星」は恒星と同じ過程で形成された可能性もある。低質量の恒星と大きな木星型惑星の組成に大きな違いはなく、大きさと温度以外では木星型惑星を恒星と区別する差はほとんどない。どちらの大気も大部分の水素とヘリウムに痕跡量の重元素で構成されている。

 一般に、恒星と惑星の最大の違いは形成過程だと言われている。恒星は、星雲のガスが重力により崩壊する「トップダウン」の過程で形成され、ほとんどが水素とヘリウムから構成されるのに対し、惑星は、若い恒星の周囲の周囲のガスや塵を降着させる「ボトムアップ」の過程で形成され、ケイ素または氷でできた核を持つとされる。

 現時点では、木星型惑星がこのような核を持つのか否かは不明である。もし木星型惑星が恒星と同じ過程で形成されることが実際に可能であるとすると、身近な木星や土星でさえ、惑星ではなく低質量の恒星と呼ぶべきではないかという疑問が起こってくる。

 2003年、国際天文学連合は太陽系外惑星と恒星を定義付ける公式な声明を発表した。今日でも、これはこの問題に関する国際天文学連合の唯一の公式な声明である。2006年の委員会でも、この定義を変更したり、新しい定義に取り入れたりすることはしなかった。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:惑星 惑星の定義 褐色矮星 


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