“孤児惑星”、130光年先で発見
 褐色矮星と呼ばれる恒星になりきれない天体を探す調査で、さらに珍しい天体が見つかった。“孤児”とみられる惑星だ。この流浪の惑星の質量は木星の4~7倍と推定され、主星となる恒星を持たないと、この調査結果を発表したフランスとカナダの天文学者からなる研究チームは述べている。

 このような天体は孤児惑星のほかにホームレス惑星、自由浮遊惑星、放浪惑星などと呼ばれるが、科学者によれば、こうした惑星が生まれるまでには2つの過程が考えられるという。恒星系からはじきだされるパターンと、全く独自に形成されるパターンだ。

 オリオン星雲内に十数個の主星を持たない天体が発見されたのは、10年以上前のことだ。それ以来、数十個の孤児惑星候補とみられる天体が見つかっている。

 今回の発見は、星の形成過程にある領域以外でこのような惑星が見つかった初のケースだと、モントリオール大学の天文学者で今回の研究の共著者であるエティエンヌ・アルティゴー(Etienne Artigau)氏は述べている。

 他のホームレス惑星候補と比較して、新たに見つかった天体は古い年代のもので、温度が低いことも特徴だ。また、地球にもずっと近く、アルティゴー氏によれば約130光年の距離にあるという。


CFBDSIR2149

 この孤児惑星とみられる天体は「CFBDSIR2149」と呼ばれ、若い恒星からなる星団の中にあるが、いずれの恒星とも重力的な結びつきはない。このかじき座AB運動星団と呼ばれるグループに属していることから、この惑星は誕生から5000万ないし1億2000万年経っていると推定される。


 褐色矮星の調査の過程で見つかった孤児惑星
 この天体が赤外線を発している痕跡が検知されたのは、フランスのグルノーブル惑星天体物理学研究所に所属するフィリップ・ドロルム(Philippe Delorme)氏が率いる研究チームが、数年前に褐色矮星を探していたときのことだった。惑星と考えるには質量が大きすぎる褐色矮星は、中心部で核融合反応を行うには質量が不足しているため、「恒星になれない星」とも呼ばれる。

 予想外の赤外線が検知されたことで、発生源の天体は低質量で、褐色矮星というよりはガス惑星に近いものである可能性が出てきた。研究チームはさらに、この天体が他の天体と重力で結びついているかを調査したと、アルティゴー氏は述べている。

「主星が存在する可能性があるのは、狭い範囲に限られる」と、さらにアルティゴー氏は説明を続けたが、この「狭い」というのはあくまで天文学的な意味であり、実際には太陽と冥王星の間の距離の100倍以上になることもあると付け加えた。「近くに恒星があるとしたら非常に明るいはずで、我々はそうした星がないかと探したが、何も見つからなかった」。

 近隣の恒星からの光がないということは、周りの光に埋もれることもないので、新たに見つかった天体をより詳しく調べるには好条件と言える。この天体が孤児惑星であることを裏付けるためには、まさに今後のさらなる調査が必要とされている。

 今回の発見に関する論文は「Astronomy & Astrophysics」誌オンライン版に11月14日付で掲載された。(Luna Shyr for National Geographic News November 16, 2012)


 浮遊惑星の数、何と恒星の10万倍?
 生まれ故郷の恒星系からはじき出され、銀河を漂う“浮遊惑星”は、別の恒星やブラックホールの軌道に捕捉されている可能性の高いことが、最新シミュレーションによって明らかになった。また別の研究によると、浮遊惑星の数は従来の予想をはるかに上回る可能性があるという。

 かつて天文学者たちは、浮遊惑星が存在する可能性など一笑に付していた。ところがここ数年、間接的な観測とスーパーコンピューターによる詳細なシミュレーションによって、銀河の放浪者は実在する可能性が示唆されている。

 例えば、2月23日に発表された研究によると、浮遊惑星は天の川銀河に2000~4000億個存在するとされる恒星の数を大きく上回り、なんとその10万倍も存在する可能性があるという。これまで予想されていた浮遊惑星の数は、恒星1個に対してわずか2個ほどだった。

 しかし依然としてよくわからないのは、このような浮遊惑星が恒星やブラックホール、さらには他の惑星によって、どのように捕捉されるのかということだ。この謎を解明するために、2人の天体物理学者がさまざまな大きさと密度の星団の進化をシミュレーションした。星団は銀河の重力に引かれ、最後は散り散りになる。

 シミュレーションの結果、浮遊惑星を自らの重力に捕捉している恒星は全体の3~6%にのぼる可能性が示唆された。従来の予想よりはるかに多い数だ。浮遊惑星が元いた恒星系をはじき出されるのには、さまざまな理由がある。例えば、他の惑星との相互作用の結果であったり、恒星がごく近くを通過したり、質量の大きな恒星が超新星爆発を起こし、崩壊してブラックホールになったりといったことだ。

 今のところ、惑星が現在属する恒星系の外から来たものかどうかを確かめる手立てはない。しかし、天体物理学者であるハーバード大学のハガイ・ペレッツ(Hagai Perets)氏と、中国、北京大学のM・B・N・カウエンホーフェン(M.B.N. Kouwenhoven)氏は、浮遊しているところを他の天体の重力に捕捉された惑星はすべて、非常に大きく遠い、楕円形の軌道を回っているとみている。


 浮遊惑星が太陽系にも存在する可能性
 これらの浮遊惑星は、地球と太陽の1万倍ほどの距離にある天体の軌道にそっと入り込んでいる可能性が考えられるという。「浮遊惑星のデータは、これらがいかなる恒星の近くにも存在しないことを示している」とペレッツ氏は述べている。

 シミュレーションでは、質量が大きく密度の高い恒星または元恒星ほど、浮遊惑星を自らの重力に捕捉しやすく、ブラックホールは他の天体に比べて、惑星を捕捉する確率が2倍近く高いという結果が出た。密度の高い恒星やブラックホールはそれだけ重力井戸が深くなるため、浮遊惑星が捕捉を逃れることが困難になる。

 シミュレーションの結果、太陽の5~15倍の質量を持つブラックホールの約半数は捕捉した恒星を有しており、また、ブラックホールの5~10%は浮遊惑星を捕捉している可能性が示された。

 フロリダ大学の天体物理学者で、今回の研究には参加していないエリック・フォード(Eric Ford)氏は、この研究成果を高く評価する一方で、惑星、恒星、星団の進化における微妙なタイミングの要素を考慮に入れたシミュレーションが見てみたいと述べている。

 惑星は恒星のライフサイクルの決まった期間に形成され、さらに恒星のライフサイクルには星団のライフサイクルが関わってくるとフォード氏は指摘する。星団があまりに速く拡散してしまうと、恒星どうしの距離が開くため、浮遊惑星が捕捉される確率は格段に下がる。

 惑星は形成されるのに数千万~数億年かかるため、惑星が形成され、はじき出される前にその星団の恒星が拡散してしまうと、惑星は他の恒星系に到達できるだけの十分なスピードを得られないとフォード氏は指摘する。

 浮遊惑星の捕捉に関するペレッツ氏とコウウェンホーベン氏の研究論文は「Astrophysical Journal」誌に提出されており、また、プレプリント版がWebサイト「arXiv.org」で公開されている。浮遊惑星の数が予想より多いとする研究論文は「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」誌に提出された。(Dave Mosher for National Geographic News February 27, 2012)


 自由浮遊惑星は本当に「惑星」か?
 自由浮遊惑星あるいは浮遊惑星(Rogue planet)とは、惑星程度の質量であるが、恒星や褐色矮星、その他の天体に重力的に束縛されておらず、銀河を直接公転している天体のことである。

 かつて天文学者たちは、浮遊惑星が存在する可能性など一笑に付していた。ところがここ数年、間接的な観測とスーパーコンピューターによる詳細なシミュレーションによって、銀河の放浪者は実在する可能性が示唆されている。

 2004年にはS Ori 70やCha 110913-773444など、そのような天体の候補がいくつか発見された。2011年までに、名古屋大学、大阪大学などの研究チームがマイクロレンズ法を用いて行った観測によると、銀河系全体の恒星の数の2倍は存在するとみられ、数千億個になると予想されていた。

 さらに、2012年2月23日に発表された研究によると、浮遊惑星は天の川銀河に2000~4000億個存在するとされる恒星の数を大きく上回り、なんとその10万倍も存在する可能性があるという。これまで予想されていた浮遊惑星の数は、恒星1個に対してわずか2個ほどだった。

 このような天体はかつて恒星を公転していたものが弾き出されたと信じられ、「惑星」という名前で呼ばれることが多い。しかし、「惑星の定義」は現在の状況に依存するべきで、その起源を基にするべきではないと主張する天文学者もいる。さらに、いくつかの天体は恒星のように自身のガス雲の崩壊によって形成されたと考えられ、このような場合には惑星には当てはまらない。

 自由浮遊惑星に「惑星」という表現はあてはまらないかもしれない。国際天文学連合は、ガス雲の崩壊により形成された天体は、準褐色矮星と呼ぶことを提案している。この種の惑星質量天体を以前から「プラネター」と呼んでいた天文学者もいる。


 自由浮遊惑星は十分に暖かい可能性も
 1998年、デビッド・スティーヴンソンは、冷たい恒星間空間を漂う惑星質量天体は、放射熱によって薄い大気を凍らせずに持ちうるということを理論化した。彼は、圧力に誘発された遠赤外線放射が水素を含む大気によって透過できず、大気が保存されていると提案した。

 惑星系の形成過程において、いくつかの小さな原始惑星が系から弾き出されることはあると考えられている。親星から離れるにつれて紫外線は弱まり、惑星の大気中の大部分を占める水素やヘリウムは、地球程度の大きさの天体の重力によっても容易に閉じ込められる。 1,000バールの気圧の水素大気を持つ地球質量程度の天体では、断熱過程の気体の対流が発生し、核に残る放射性同位体の崩壊による地熱が地表を水の融点以上に温めることが計算で示された。

 このようなことから、恒星間の惑星で液体の水の海を持ったものが存在することが示唆されている。さらにこれらの惑星は長い間活発な地質活動を持ち、生命の誕生に必要な磁気圏や海底火山を持つものも存在すると考えられている。しかし、そのような天体の熱放射は極めて弱く、発見は難しいとされる。

 惑星が恒星から弾き出されるシミュレーションの研究により、月質量程度の衛星を持った地球質量程度の惑星の約5%は、恒星から離れた後も衛星を持ち続けることが示唆された。大きな衛星は大きな潮汐加熱の源となり得る。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:惑星 惑星の定義 褐色矮星 National Geographic news:“孤児惑星”、130光年先で発見


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宇宙の極限―ブラックホール・白色矮星・超巨星
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