オーストラリア北部で皆既日食、約1300年ぶり
 オーストラリア北部で11月14日午前6時38分(日本時間同5時38分)から約2分間、太陽が月の影に完全にさえぎられて見える皆既日食が観測された。

 地球と太陽の間に入った月は、夜明け直後にダーウィン(Darwin)の東約250キロに位置する北部特別地域(Northern Territory)のガリグ・グナク・バルル国立公園(Garig Gunak Barlu National Park)にその影を落とし始めた。月の影は東に移動してクイーンズランド(Queensland)州北部でも皆既日食が観測された。この地域で皆既日食が観測されたのは約1300年ぶり。

 今回の皆既日食を観測できる数少ない場所の1つとなったクイーンズランド州北部には観光客や科学者が詰め掛けた。雲で観測できない恐れもあったが、太陽が完全に月の影に入ると遮光グラスをかけて空を見上げていた大勢の天文ファンから大きな喚声が上がった。

 皆既日食が始まると辺りは暗くなって気温が下がり、鳥たちも鳴くのをやめて一帯は奇妙な静けさに包まれた。((c)AFP 2012年11月14日 AFP)


 クイーンズランド州のケアンズ周辺では、ビーチなどに数千人の天文ファンらが詰めかけた。上空には雲が広がり雨も降るなど天気には恵まれなかったが、時折雲間から日食の様子を観察することができた。

今回の皆既日食は、同州北部で午前6時39分に始まり、約2分間にわたって続いた。同国では10年ぶりとなる皆既日食だ。部分日食は、ニュージーランドや南米チリでも観測された。オーストラリアで次に皆既日食が観測されるのは16年後の2028年とみられている。(2012年11月14日 ロイター)


 オーストラリア・ケアンズについて
 ケアンズ(英語: Cairns)はオーストラリア大陸北東岸、ヨーク岬半島の付け根付近、珊瑚海に面する港湾都市。背後にグレートディヴァイディング山脈が控えている。ファー・ノース・クイーンズランド地方の中心都市である。人口は約150,000人(2010年)で、都市圏は急速に拡張している。

 グレート・バリア・リーフでのさまざまなマリンスポーツ、クイーンズランドの湿潤熱帯地域と、海山両方の世界遺産があり、ファー・ノース・クイーンズランドの観光拠点となっている。ブリスベンから1707km、シドニーからは2420km。

 英国人が入植する前はアボリジニ(オーストラリア先住民)のWalubarra Yidinji族が居住していた。1770年、ジェームズ・クックが初めてこの地を調査し、現在のケアンズのある湾をトリニティ湾と名付けた。100年後、詳細な調査で港として有効な地形であると分かると、1876年、トリニティ湾の入り江の背後の高原にあるホッジキンソンで発見された金を船積みする必要から、急ごしらえで造られたのが今日のケアンズの町である。

 土地は大部分がマングローブの生茂る沼地や砂丘であったが、宅地に変える作業が続き、サトウキビ、トウモロコシ、コメ、バナナ、パイナップル等の農業用地の開墾も進んだ。金の積み出しルートはポートダグラスに代わられたが、農業の成功により都市として自立が可能となり、1906年には港湾機能も整備された。ケアンズの名前の由来はクイーンズランド州の知事であったウィリアム・ケアンズに因んでいる。

 第二次世界大戦中は、連合国の戦略拠点として空軍基地や飛行艇の基地が設けられ、珊瑚海海戦の出撃拠点の1つとなった。戦後は観光が主要な産業となり、特に1984年にケアンズ国際空港が開港するとオーストラリアのゲートウェイとして発展してきた。

 気候は、熱帯モンスーン気候(Am)に属する。モンスーンの雨季は11月から5月。6月から10月は乾季であるがにわか雨が多い。ケアンズはオーストラリアで最も湿度の高い都市である。雨季にはサイクロンに見舞われることが多い。最寒月でも「海から上がると少し肌寒い程度」でしかもこの時期が弱い乾季にあたり雨が少ないためマリンスポーツに適している。(Wikipedia)


 今後の皆既日食・金環日食・部分日食
 ダイナミックな日食が、オーストラリアと日本で今年は2回も観測できたが、次の日食も来年、オーストラリアで観察できる。次は金環食だ。今後の日食について調べてみた。

 2013年5月10日、金環日食が、オーストラリア北西部で始まり太平洋を赤道付近にかけて通過。ニューギニア島、ソロモン諸島で観測できる。最大食分0.976。ハワイで食分0.472。

 2013年11月3日、金環・皆既日食が、北米大陸東沖からアフリカ大陸中部を通過。中部アフリカ(ガボン、コンゴ共和国など)、東アフリカ(ウガンダ、ケニア、エチオピアなど)で観測できる。

 2014年4月29日、金環日食が、南極大陸で金環食、オーストラリアで部分食が観測できる。最大食分0.991。金環食影の中心線が南極上空を通過する非中心食。

 2014年10月23日、部分日食が、シベリア東部から北米の広い範囲で観測可能できる。最大食分0.816。 2015年3月20日 皆既 グリーンランド、アイスランドの南沖から北極を通過。ユーラシア北西部・北アフリカで部分食を観測できる。

 2015年9月13日、部分日食が、アフリカ大陸南端と南極大陸で見られる。

 2016年3月9日、皆既日食が、インドネシアを通過し北太平洋に至る経路で観測できる。日本では全国で部分食が見られる。

 2016年9月1日、金環日食が、中部大西洋に始まりアフリカ大陸、マダガスカル島を横断、南インド洋に達する。(Wikipedia)


 2013年の主な天文現象
 オーストラリアの皆既日食が終わり、華やかな天文現象の多かった2012年も残すところあとわずかになった。今年最後の、楽しみな天文現象を紹介する。

 11月27日、金星と土星が大接近する。11月28日、21時頃「半影月食」が起きる。

 12月3日、木星が衝となる。12月は観望の好機。12月5日、水星が西方最大離隔になる。明け方観望の好機である。12月11日、金星・土星・水星が集合する姿が観測できる。12月14日、ふたご座流星群極大、月明かりがなく観望が好条件である。

 一方、来年の天文現象は、今年に比べると寂しい感じだが、3月に久しぶりに北半球で観測できる大彗星が登場、肉眼で観測できそうだ。2013年の主な天文現象を紹介する。

 3月11日、パンスターズ彗星(2011 L4)近日点を通過。近日点通過以降には夕方の西の低空に見られる。MPC の予報では 0等台まで明るくなり、10度程の尾を引く可能性がある。近年では最も明るくなる可能性がある。

 8月12/13日 ペルセウス座流星群極大。3大流星群の1つ。明け方に輻射点が高く上るので、宵よりも明け方の方が多くの流星を見られる。2013年の極大は13日3時頃で、ちょうど極大が日本で観測でき、活発な出現が期待できる。14日が上弦なので夜半前に月が沈み、この点でも好条件である。出現数は50~80個/時程度であろう。

 8月12日 スピカ(1.0等)の食、ペルセウス座流星群が極大を迎える日の夕方、スピカが月に隠されるスピカ食が起こる。北海道では残念ながら食にはならないが、東北地方よりも南の地域でスピカ食を観測できる。 条件的には日の入りの時間が早い東の地域ほど良くなる。例えば東京の場合だと、日の入りから30分ほど後、西に位置する福岡あたりだと、日の入り直前の天文現象になる。いずれにしても肉眼での観測は難しく、天体望遠鏡を使ってスピカ食を観測する必要がある。

 日本で見られる条件の良い日食・月食は(2013年1月~2014年3月)には起こらない4月26日 05時頃 極めて軽微な部分月食(食分0.008)が南西諸島で月没帯食として見られる。(せんだい宇宙館)


参考HP Wikipedia:日食 せんだい宇宙館:2013年主な天体現象


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