ロンサム・ジョージ、仲間が生存か
 2012年、6月24日、ガラパゴス諸島ピンタ島の最後の生き残りといわれていたガラパゴスゾウガメ、通称「ロンサム・ジョージ(孤独なジョージ)」が死んだ。これにより、ガラパゴスゾウガメの亜種「ピンタゾウガメ」は絶滅した…と報道された。

 ガラパゴスゾウガメは世界自然遺産に登録された同諸島固有の世界最大級のリクガメ。19~20世紀、船乗りの食料として乱獲され、15の固有亜種中4亜種が絶滅した。

 「ジョージ」は1971年、同諸島北部ピンタ島で見つかったオスで、絶滅したと考えられていた固有亜種「ピンタゾウガメ」の最後の生き残りとされ、野生生物の保護運動の象徴になった。ジョージ発見後の調査でも他のピンタゾウガメは見つからず、ジョージの死でこの亜種が絶滅した可能性が非常に高い…とされた。(毎日新聞 2012年6月25日)

 だが最新の研究で、仲間がまだ生き残っている可能性がある…と報告があった。これは、アメリカにあるイェール大学の研究チームによるもので、ガラパゴス諸島の各地でゾウガメの調査を実施、ピンタゾウガメのDNAを受け継いでいる個体を見つけたという。人里離れた奥地でひっそり暮らしている可能性が出てきた。


Geochelone nigra

 ピンタゾウガメ(学名:Chelonoidis nigra abingdoni)は、絶滅から“復活”した前例がある。1906年以降、存在が確認されず、すべて滅んだと考えられていた。しかし1972年、当時およそ60歳だったロンサム・ジョージが、ガラパゴス諸島のピンタ島で見つかったのだ。そもそも個体数が減った原因は、島に侵入した人間が食用として乱獲し、ヤギやブタを持ち込んで生息環境や島の植生パターンを破壊してしまったからだ。

 研究チームは、イサベラ島の人里離れた最北端、ウォルフ火山付近に生息する1667頭のゾウガメを調査。17頭の遺伝子にピンタゾウガメのDNA断片が混入している事実を突き止めた。

 オス3頭、メス9頭、子ども(20歳未満)5頭が、ピンタゾウガメのDNAを持つ混血種と確認され、特に子どもの存在は純血種が生存している可能性を示すという。

 研究チームのリーダーでイェール大学の進化生物学者ダニエル・エドワーズ(Danielle Edwards)氏は、「ゾウガメの寿命は長く、混血種の中には血筋がかなり濃い個体もいた。大人たちの親世代もまだ生きているかもしれない」と話す。


 海を渡ったガラパゴスゾウガメ
 ピンタ島とイサベラ島は約50キロ離れている。ピンタゾウガメは、どのように到達したのだろうか。「ほかの海域では海流に乗ってカメが移動するケースもあるが、ここでは違うと思う。おそらく人間が関わっている」とエドワーズ氏は述べる。

 19世紀、捕鯨船や海軍の軍艦などが、油や肉を求めて上陸しやすいピンタ島などに立ち寄り、生きたゾウガメを船に持ち帰った。

 ゾウガメは新陳代謝が遅く、エサや水がなくても最長で12カ月生き延びることができる。長い航海で壊血病を防ぐための食料源として、ゾウガメは非常に便利だった。しかしいざ海戦となると、船の重量を軽くするため、1頭90~270キロあるゾウガメは海に投げ捨てられたのである。

 ウォルフ火山では、フロレアーナ島の固有種で既に絶滅したフロレアーナゾウガメ(学名:Chelonoidis elephantopus)のDNAを受け継いでいる個体も1頭発見されており、やはり人為的な影響があったと考えられる。

 エドワーズ氏は、「ゾウガメは、ガラパゴス諸島の生態系にとって極めて重要だ」と指摘する。ゾウガメによって土壌や植物の種子が拡散し、エサにしている樹木やサボテンの数がバランスを維持している。ピンタゾウガメやフロレアーナゾウガメが復活すれば、非常に大きな意味を持つ。

 研究チームでは、混血種の収集や、純血種の発見を目指し、ウォルフ火山周辺の険しい地域を再調査する。できれば人工繁殖も試みる予定だという。この取り組みが成功すれば、2種類のゾウガメが本来の住処に戻る日が来るかもしれない。

 「“絶滅”と言えば、本来取り返しがつかない状況を意味する。しかしテクノロジーが発達すれば、不幸な結果を覆すことができるかもしれない」と研究チームの一員でイェール大学上席研究員のアダルジサ・カコーネ(Adalgisa Caccone)氏は述べている。

 今回の研究成果は、「Biological Conservation」誌に掲載された。(Sasha Ingber for National Geographic News November 19, 2012)


 ガラパゴスゾウガメとは何か?
 ガラパゴスゾウガメ(Geochelone nigra)は、リクガメ科リクガメ属(Chelonoides属に分類する説もあり)に分類されるカメ。もしくは複数種の総称。 ガラパゴス諸島ではゾウガメの亜種が島ごとに進化した。エクアドル(ガラパゴス諸島)固有種である。

 ガラパゴス諸島の由来は、ゾウガメの甲羅が馬の鞍に似ていることからスペイン語で馬の鞍を意味する「galapago」からきている。島ごとにそれぞれ亜種が存在し、背甲にドーム型、鞍型、中間型の形状の違いが見られることが、チャールズ・ダーウィンが「進化論」の着想を得るきっかけのひとつとなった。

 最大甲長130cmとリクガメ科最大種。体重300kg。背甲に筋状の盛り上がり(キール)は見られない。 鼻孔は円形で、アルダブラゾウガメと区別できる。一般的に餌となる植物の多い場所にはドーム型が、少ないところには低木やサボテン等を食べるため背甲が反り返った鞍型が生息するとされる。しかし背甲の形態と生息環境の因果関係は未だ証明されていない(食用とされた経緯から人為分布による、亜種間雑種が含まれるとされる)。

 草原、森林、岩場等の様々な環境に生息する。(生息する島の環境にもよると思われる。)成体に自然界で天敵はいないと思われるが、卵や幼体の天敵としてはガラパゴスノスリや人為的に持ちこまれたイヌやネコ、ブタ、ネズミ等が挙げられる。以前は食用として乱獲されていたため、人間も天敵の1つだったといえる。

 食性は植物食で、樹木やウチワサボテン等の葉、花、果実等を食べる。新陳代謝が低く、また体内に水分を大量に蓄えることができるため、飲まず食わずでも最長1年程度生きることもある。 繁殖形態は卵生で1回に3-30個前後の卵を数回に分けて産む。カメは声帯がなく、一般的に声を出さないが、本種のオスは交尾の際に呼吸する際の空気の摩擦で、うなり声のような声を発することが知られている。 小鳥フィンチと共生しており、フィンチが古い皮膚を食べることで皮膚にまとわりつく寄生虫の掃除をしている。(Wikipedia)


 ロンサム・ジョージ死す
 ロンサム・ジョージ(Lonesome George、1910年頃? - 2012年6月24日)は、ガラパゴス諸島、ピンタ島(英語版)に生息していたガラパゴスゾウガメの亜種(独立種とする説もあり)ピンタゾウガメ(Geochelone nigra abingdoni)の最後の生き残りだった1頭の愛称。
1頭もガラパゴスゾウガメがいなくなってしまったとされていたピンタ島で1971年に60年ぶりに発見された雄のゾウガメ(発見時は2頭であったが、1頭は発見後まもなく死んでしまった)であったが、2012年6月24日に飼育先で死亡しているのが見つかった。DNA鑑定によれば確かにピンタ島固有の亜種であり、他のどのゾウガメとも違う遺伝子である。体重88kg、体長102cm。

 サンタクルス島のチャールズ・ダーウィン研究所で保護飼育され、1993年から近い亜種の2頭の雌とのペアリングが試みられたが、老齢のためか(とはいえゾウガメは長命であるため人間で言えばまだ中年程の年齢だともされる)あまり興味を示さず、繁殖には成功しなかった。

 2007年4月には、ピンタ島から近いイサベラ島にてロンサム・ジョージと同じピンタゾウガメの半分の遺伝子(雄親がピンタゾウガメだったと推定できる)を持つ雄のガラパゴスゾウガメをエール大学を中心とする研究チームが見つけた。これは亜種間雑種個体と思われ、少なくとも過去のイサベラ島においてはロンサム・ジョージ以外のピンタゾウガメが生きていたことを示している。しかし純粋なピンタゾウガメの生きている個体については、ロンサム・ジョージを除いて依然確認できていない。

 2008年7月から9月にかけてロンサム・ジョージのつがいの雌のゾウガメが計16個を産卵したが、そのうち13個は無精卵であり、残る3個は人工孵化が試みられたが、結局は孵化することなく腐敗していたことが2009年1月23日に公表された。

 2012年6月24日、ロンサム・ジョージが死亡したことが発表された。推定年齢は100歳以上だったと見られる。これにより、ピンタゾウガメは完全に絶滅した可能性が高いと見られている。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:ガラパゴスゾウガメ ゾウガメ ロンサム・ジョージ National Geographic news:ロンサム・ジョージ仲間が生存か


ひとりぼっちのジョージ―最後のガラパゴスゾウガメからの伝言
クリエーター情報なし
早川書房
ガラパゴス大百科―大洋に浮かぶ進化の小宇宙
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阪急コミュニケーションズ

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