やる気を引き出すためには、報酬の量が多い方が良い!?
 生理学研究所(生理研)は、予測される報酬の量が大きければ大きいほど脳の神経細胞の活動が大きくなることを確認し、大脳基底核の一部である腹側淡蒼球と呼ばれる部位が、この過程に強く関わっていることを明らかにしたと発表した。

 同成果は同研究所 生体システム研究部門の橘吉寿 助教、米国国立衛生研究所(NIH)の彦坂興秀 博士らによるもので、詳細は米国神経科学誌「Neuron」に掲載された。 ヒトの行動や運動における"やる気"は、予測されうる報酬の量により、強く影響を受ける。しかし、これまでの研究では、脳のどの部位が報酬の量を予測して、行動・運動に結びつけているのかについては、よく分かっていなかった。

 今回研究グループは、情動と運動を結びつける神経回路を持つとされる脳の大脳基底核の一部である「腹側淡蒼球」に注目し、サルに、特定の合図のあと、モニター画面上である方向に目を動かすように覚えさせ、うまくできたらジュースをもらえるようにトレーニングを施し、そのときの腹側淡蒼球の神経活動を記録した。

 この結果、腹側淡蒼球における神経細胞の多くが、合図をうけてからジュースをもらえるまで、持続的に活動し続けることを発見。また、予測される報酬(ジュースの量)が大きければ大きいほど、目を動かすスピード(運動)は速く、腹側淡蒼球の神経活動も大きくなることも確認しており、この神経細胞が、得られる報酬を予測して、やる気をコントロールする脳の仕組みの一部であることが考えられるという結論を得たという。


Reward&Praise

 また、腹側淡蒼球を薬物で一時的に働かなくすると、行動の機敏さは(やる気の差を生み出す)報酬量の違いによって影響を受けなくなることも確認したという。

 なお、研究グループでは今回の成果により、教育やリハビリテーションの場における、やる気が学習意欲やその習熟度を高めるといわれている現象に対する脳内神経基盤の理解などが進むことが期待されると説明している。(マイナビニュース 11月22日)


 生理研など、人は褒められると"上手"になることを科学的に証明
 生理学研究所(生理研)は11月8日、運動トレーニングを行った際に他人から褒められると、"上手"に運動技能を取得できることを科学的に証明したと発表した。

 同成果は同研究所の定藤規弘 教授、菅原翔 大学院生(総合研究大学院大学)、名古屋工業大学の田中悟志氏 テニュア・トラック 准教授ならびに、東京大学先端科学技術研究センターの渡邊克巳准教授らによるもので、詳細は米国科学誌「PLoS ONE」に掲載された。

 これまで研究グループは、他人に褒められると金銭報酬を得たときと同じように脳の線条体が活発に働くことを解明していたが、今回は、48人の成人にトレーニングを行い、ある連続的な指の動かし方(30秒間のうちにキーボードのキーをある順番に出来るだけ早く叩く)を覚えてもらい、この指運動トレーニングをしてもらった直後に、被験者を3つのグループにわけ、「褒められ」実験を実施した。

 この3つのグループは、「自分が評価者から褒められる」グループ、「他人が評価者から褒められるのを見る」グループ、「自分の成績だけをグラフで見る」グループで、自分が評価者から褒められたグループは、次の日に覚えたことを思いだして再度指を動かしてもらうときに、他のグループに比べて、より上手に指運動が出来ることが確認され、これにより運動トレーニングの直後に褒められることが、その後の運動技能の習得を促したことが示されたこととなった。

 今回の研究では、キーボードをある順番で連続的に叩く指運動トレーニングを行い、その後、被験者を3つのグループにわけて"褒められ"実験を行った。そして、翌日に、覚えたことを披露してもらうテスト(キーボードをある順番に30秒間に何回叩けるか)を行って、その習熟度を比較した

 なお定藤教授は「"褒められる"ということは、脳にとっては金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬であると言える。運動トレーニングをした後、この社会的報酬を得ることによって、運動技能の取得をより"上手"に促すことを科学的に証明できた今回の成果は"褒めて伸ばす"という標語に科学的妥当性を提示するもので、教育やリハビリテーションにおいて、より簡便で効果的な"褒め"の方略につながる可能性がある」とコメントしている。

 指運動トレーニングで覚えたことを翌日のテストで披露してもらうとき(キーボードをある順番に30秒間に何回叩けるか)、運動トレーニング直後に"自分が褒められた"グループでは、他のグループに比べて、より"上手"に運動技能が取得・記憶出来ていることが確認された。(マイナビニュース 2012/11/08)


参考HP 生理学研究所:褒められると上手になることを科学的に証明  報酬量を予測しやる気につなげるしくみ発見


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