石垣島でイグアナ大量繁殖
 環境省の要注意外来生物に指定されているグリーンイグアナが沖縄県・石垣島(石垣市)で大量繁殖し、生態系への影響が懸念されている。北部を中心に100匹以上が生息していると推定されており、同省は12月から、一斉捕獲作戦に乗り出す。

 同省石垣自然保護官事務所によると、イグアナの目撃情報は1995年に初めて寄せられた。ここ数年は年間10件前後だが、島全域に拡大。本来、石垣島には生息しないが、1990年代にペットが逃げ出して野生化したとみられる。年平均気温24度を超す温暖な気候から越冬して大量繁殖したらしい。草花や昆虫を捕食するため、国の絶滅危惧1種に指定されているセミ「イシガキニイニイ」や、マングローブ林を形成する石垣在来種のヒルギダマシなどの減少が懸念されている。鋭いツメや長い尻尾で人に危害を加える恐れもある。

 10月には、石垣市真栄里の家畜市場で体長約1.5メートルのイグアナが見つかった。ロープで捕獲した男性(28)は「口を大きく開けて威嚇し、怖かったが、牛が被害に遭う前に捕まえて良かった」と話した。8月には、明石小の廊下や体育館などで4匹が見つかった。校庭の砂場では5月にも卵数個が発見されており、前上里(まえうえざと)徹(てつ)校長は「児童に危害が及ばないうちに、捕獲を急いでほしい」と訴える。(読売新聞 2012年11月28日)

 石垣島など八重山地方の外来種は、最近、インドクジャク、オオヒキガエル、シロアゴガエルの3種が生態系を脅かす、おそれがあるとして問題になった。


 グリーンイグアナ
 グリーンイグアナ(Iguana iguana)は、爬虫綱有鱗目イグアナ科グリーンイグアナ属に分類されるトカゲ。グリーンイグアナ属の模式種。単にイグアナと呼ばれることもある。ガイアナ、コスタリカ、コロンビア、スリナム、トリニダード・トバゴ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ブラジル、フランス領ギアナ、ペルー、ボリビア、メキシコ、西インド諸島に生息。

 形態は、最大全長180センチメートル。耳孔下部に円形の大型鱗がある。体色は灰褐色や赤褐色、黒褐色。幼体の体色は明緑色や青緑色。オスは後頭部から背面にかけて鬣状の鱗(クレスト)が発達する。2亜種に分ける説もあるが、明瞭な差異(吻端の角状の突起の有無)がないことや同所的に分布することから亜種を無効とする説が有力である。

 熱帯雨林に生息し、水辺を好む。水面に張り出した樹上にいることが多い。泳ぎが上手く、危険を感じると水に飛び込んで逃げる。陸上で外敵に襲われた場合は、噛みついたり尾を打ちつけたりして応戦する。食性はほぼ植物食。幼体は昆虫なども食べる。繁殖形態は卵生。1回に24-45個の卵を産む。

 人間との関係では、生息地では食用とされることもある。日本では流通量が多く温暖な地域で遺棄された場合に定着する可能性があり、生態系への影響が懸念されるため要注意外来生物に指定されている。石垣島では既に定着している可能性がある。

 ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。主に幼体が安価で流通する。テラリウムで飼育される。ケージとして観葉植物用の温室や、大型犬用のケージなどのような大型かつ頑丈でさらに高さがあるものを用意する。温室を用いる場合はガラスを尾で叩き割った例もあるため、アクリルなどの割れにくい素材に差し替えることが望ましい。低温に弱いため、複数の暖房器具を用いるかエアコンなどでケージを設置した部屋ごと保温する。乾燥にも弱く幼体や小型個体は大きな水入れを設置し、大型個体に対しては加湿器を設置したりこまめに霧吹きを行い湿度を上げる。

 紫外線要求量は高く、日光浴をさせたり紫外線照射量の高い照明器具を照射する。餌としては野菜や果実などを与える。飼育下では配合飼料にも餌付き、専用の配合飼料も市販されている。大型種の上に成長が早いため、大型の飼育設備が用意できない限り一般家庭での飼育にはむかない。歯や爪によってひどい怪我を負うこともあり、特にオスは繁殖期に性格が狂暴になるため注意が必要。(Wikipedia)


 八重山の生態系を脅かす外来種 環境省、3種の生物に緊急対策
 近年、外来生物の急増が全国的に問題視される中、郡内でも社会的な人口増に伴う外来種の持ち込みや、すでに増加した外来種による八重山特有の生態系への影響が懸念されている。「外来種」となると動植物を含めてその種類や移入時期の定義が異なることもあるが、外来生物法(特定外来生物による生態系などに係る被害防止に関する法律)に基づいて環境省自然環境事務所では特定外来生物対策に向けた取り組みを行っている。外来生物法で規定されている特定外来生物は主に明治以降に国外から県内に持ち込まれたり移入した動植物。そのうち、同事務所では八重山管内にいる「オオヒキガエル」「インドクジャク」「シロアゴガエル」の3種の対策に取り組んでいる。

 外来生物の規定については、原産地の国別や移入時期などさまざまなとらえ方もある。犬猫などのペットについても、本来郡内にいなかった生態系が持ち込まれたという観点から外来生物とする視点もあり、イタチやネズミなど、食用やネズミ駆除のために人為的に持ち込まれた外来種も多い。
 同事務所で外来生物対策を担当する阿部慎太郎課長補佐は「八重山からすると明らかに外来生物だが、法律上の外来生物ではないということがある。なにしろ外来生物がたくさんおり、どこまで対策を講じることが出来るか悩ましいが、出来るところから、緊急性があるところから対応するしかない」と話す。


 インドクジャク
 郡内各地でインドクジャクが確認されており、同省自然環境局ホームページによると小浜島で約400羽、石垣島で約90羽、黒島で約50羽、新城島で約25羽いることが推定されており、西表島にも小浜島から飛来することもあり、高密度で生息している小浜島ではトカゲ類などの小動物が激減しており、クジャクの補食による被害が懸念されている。
 同局では西表国立公園のグリーンワーカー事業を導入し、駆除方法を検討。個体数が少なく、駆除可能と見られる新城島では鉄砲による駆除作業が行われ、これまでに30―40羽が捕獲されているが、いまだ駆除には至っていない。

 同島でのクジャク対策について阿部課長補佐は「できれば、06・07年度で駆除したいと思っているが、出来るかどうかは分からない。新城島でさえ、あと何羽しかいないという状況でも駆除に入るとそれより多くいたりすることもある。あの小さな島で何羽いるということを完全に把握できないので、石垣島の生息数も変動していると思う」と話しており、対策に苦慮しているのが実情だ。


 オオヒキガエル
 石垣島に多数生息する米国原産のオオヒキガエルはハワイ、台湾や南北大東島を経由して持ち込まれた可能性が高いといわれている。石垣島はすでに多くの生息が確認されており、同事務所では石垣島から西表島への流入を食い止めようと、石垣港湾内での流出防止策を検討している。

 西表島への定着が懸念されているため、同事務所では西表島内の住民にオオヒキガエルの目撃情報提供や鳴き声の確認などの協力を依頼。すでに10数匹確認されており、同島での内本格的な流入防止・駆除作業の必要性が高まっている。

 オオヒキガエルには毒を持つ耳腺(じせん)があり、イリオモテヤマネコやカンムリワシがオオヒキカエルを捕食したときに、どのような影響が出るのかが懸念されていることもあり、オオヒキガエルの駆除に向けた生殖場所の特定を急ぐ観点からも地元の協力が不可欠だ。同事務所の阿部課長補佐は「オオヒキガエルが増えることで本来食べられることの無かった動物への影響や在来の両生類層、同じような生活圏を使っている動物たちへの影響もある」と話す。形態は、体長9―15センチ。体重60―400グラム。鼻孔から眼、上まぶたの内縁と後縁に骨質隆起を持り、耳腺はひし形で巨大。原産地は、 アメリカ合衆国テキサス州南部から中米、南米北部。侵入年代は、南大東島には戦前。小笠原父島には1948年、八重山諸島石垣島には1978年ごろ、鳩間島には1984年ごろ。


 シロアゴガエル
 シロアゴガエルは07年7月に石垣島での繁殖が初めて確認された。カエル類としては比較的乾燥に強いことなどから、環境省では建築資材などに混入するなどして石垣島に移入されたとみている。鳴き声による調査を行ったところ、石垣空港周辺に38カ所の繁殖地が点在していることが分かっている。

 シロアゴガエルの対策について同事務所の阿部課長補佐は「沖縄本島から宮古までまん延しており、今年になって八重山に入ってきたことが分かった。今は定着の初期なので出来れば定着させたくない」として、繁殖している水場で塩素をまき、オタマジャクシを駆除する対策を講じている。

 形態は、体長47―73ミリ。体色は褐色で背中に黒すじを数本持つことがある。原産地は、インド北東部からフィリピンに至る東南アジアのほぼ全域。
侵入年代は、1964年に沖縄本島で初めて記録され、宮古島でも1997年に記録された。


 今後の外来生物対策
 今後、郡内に流入する可能性のある外来生物について、阿部課長補佐は「小笠原諸島では貝を食べる陸生のニューギニアヤリガタウズムシが貝類に影響を与えている。沖縄本島にはすでに入ってきており、カタツムリなどに影響を与える外来生物として非常に問題がある。沖縄本島に入っている外来生物は八重山に入ってくる危険性が一番高い」と指摘する。

 八重山に流入する外来種とは別に、八重山から他地域に流出し、多地域にとって外来生物と呼べるものもおり、サキシマハブやミナミイシガメなど、八重山の在来生物が沖縄本島で野生化して増殖し、沖縄本島の在来の生態系に影響を与える可能性がある生き物もいる。

 現在、外来生物が問題視されていることについても阿部課長補佐は「今まで騒いでこなかったため、これだけ大騒ぎしている。石垣、八重山が作り上げてきた生物層をなるべくかく乱しないようにする努力は本当はもっと早くから取り組まなければならないものであり、これからも取り組まなければならない」という。(八重山毎日新聞 2008年1月1日)


参考HP 国立環境研究所: 侵入生物データベース 八重山毎日新聞:八重山の生態系を脅かす外来種3種

石垣島自然誌
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