月の重力場地図、グレイルで作成
 カラフルな飴玉かガラス細工のようだが、これは月の重力場地図だ。赤い領域は重力が大きい場所、青い領域は重力が小さい場所だ。

 NASAの双子の月探査機グレイル(GRAIL:Gravity Recovery and Interior Laboratory)は、2011年から月の軌道を周回し、月面の山や谷の上を飛びながら月の重力変化を記録している。洗濯機サイズの同探査機は、1機が大きな重力場のある領域の上に差し掛かると、わずかにスピードを上げてもう1機との距離を広げる。このわずかな位置変化を利用することで、画像のように詳細な月の重力場地図が作成された。

 米国東部夏時間2011年9月10日9時8分(日本時間22時8分)、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地からNASAの月探査機「グレイル」を搭載したロケット「デルタII」が打ち上げられた。グレイルは約3カ月後に月軌道に到達した。

 グレイルはNASAが開発した双子の探査機で、2機が併走するように軌道を周回しながら、協力して月の重力場を測定し、月の内部構造を特定する。グレイルミッションは、地球も含めこれまでに行われてきたどの惑星の調査よりも正確な重力場の測定を行い、月の地殻とマントルの密度の違いや月の内部構造、その形成の歴史について明らかにすることを目的としている。(National Geographic News December 8, 2012)


GRAIL

 グレイル:GRAILの意味は「Gravity Recovery and Interior Laboratory」つまり、月の重力場と、月の内部構造を調査するという意味だが、もう一つの意味は「最後の晩餐でキリストによって使用された聖杯」を意味する。(研究社 新英和中辞典)

 最後の晩餐は、キリスト教の新約聖書の記述では、イエス・キリストが処刑される前夜、十二使徒と共に摂った夕食、またその夕食の席である。そのときキリストは、パンとワインを弟子に分け与えている。パンはすなわちキリストの肉であり、ワインはキリストの血である。イエスは死の前に弟子達に、自分の遺志を継がせかったのであろう。聖杯はそのとき、ワインを入れたものだ。


 見えてきた月の内部 グレイルによる重力マップが完成
 探査機「グレイル」のデータから、月の重力マップが新たに作成された.月の内部構造の理解だけでなく、岩石惑星の起源についてのヒントも期待されている.

 月の高地の穴ぼこマップ。赤いところは穴が多い。このような地形は数十億年間続いた隕石衝突の痕跡だ。月を周回しているNASAの双子の探査機「グレイル」によって、これまででもっとも詳細な月の重力場のマップが描かれた。

 月の重力場は、月面のクレーターや山などの地形、地下に潜む物質の存在などにより、場所によって微少に異なる。常に同じ距離を保つように飛行する2機だが、重力場によってその距離が微妙に乱れる。この乱れを正確に測定することで、その場所の重力場を把握する。

 新たな重力場マップから、地殻構造や火山地形、盆地、大型の中央丘や窪地などの地形の詳細が今までにない高精度で明らかになった。

 「この重力場マップから、月の重力場はほぼ地表そのままであることがわかりました。重力場の大きな変化と、クレーターや谷、山などの表面地形とがほぼ一致していたのです」(米マサチューセッツ工科大学のMaria Zuber)。

 また、月や地球型惑星の内部に刻まれている後期重爆撃期の痕跡も、月の重力場から調べることができる。さらに、月の高地の地殻が比較的低密度であることも判明した。アポロミッションで採取されたサンプルも低密度だったが、それが局所的なものでなく、月面全体の特徴であることがわかる。

 「今回の測定によれば、月地殻の平均的な厚さは34kmから43kmとなります。これまでの予想より10~12km薄いという結果です。これほど地殻が薄いと、月のおおまかな構造は地球に似ていることになります。つまり今回の観測結果は、かつて地球の一部が天体衝突によってちぎり取られ、その破片が月を形成したという「巨大衝突説」を支持するものです」(パリ地球物理学研究所のMark Wieczorekさん)。

 2011年9月に打ち上げられた2機の「グレイル」は、2012年1月にそれぞれ「エブ」「フロー」という愛称がつけられた。初期ミッションを無事に果たし、8月30日から12月17日まで追加ミッションを行っている。(2012年12月7日 NASA)


 月探査機「GRAIL」とは何か?
 GRAIL(Gravity Recovery and Interior Laboratory)は、2011年に打ち上げられたNASAの月探査機。2機の探査機の軌道から月の重力分布を高精度で測定し、月の内部構造を、さらには月の歴史と進化を解明することを目標としている。ディスカバリー計画のミッションとして選定された探査機である。 2機の衛星の名前は学生からの一般公募で、GRAIL-AがEbb、GRAIL-BはFlowが選ばれた。

 マサチューセッツ工科大学のMaria ZuberがGRAILの主任研究者で、ジェット推進研究所が計画を担当する。重力分布の測定技術はGravity Recovery and Climate Experiment (GRACE)で使用されたものと似ており、探査機の設計はXSS-11を基としている。

 GRAILミッションは月の極軌道を周回する2機の探査機から構成される。各探査機は他方の探査機や地上施設からのテレメトリーを受信し、2機の間にある距離の差を測定することによって月の重力分布と地質構造を得る。

 GRAILはデルタ IIによって2011年9月10日に打ち上げられた。2機の探査機は燃料を節約するため直接月へ向かわず、代わりに地球や月の重力を利用して飛行を続け、グレイルAは2011年12月31日、グレイルBは2012年1月1日に月周回軌道に到達した。1月17日、NASAは2機の探査機の愛称を「エッブ (Ebb)」「フロー (Flow)」とすることを発表した。

 エッブとフローは軌道を修正した後、2012年3月8日から3ヶ月間の科学観測を開始した。5月29日、主要な探査が予定より早く終了し、探査機は搭載機器の電源をオフにした。延長探査は8月30日から12月3日まで行う見込みで、それまで2機の探査機は機器の電源をオフにしたまま飛行を続ける。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia: Yahoo!ニュース:月の誕生、「巨大隕石衝突説」


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