ニュージーランド、トンガリロ山が噴火
 日本では、2011.3.11、東日本大震災の影響で、富士山に噴火の可能性があると話題になっている。世界ではどうなっているのだろうか?

 2011年11月21日、ニュージーランド北島のトンガリロ国立公園で、標高1978メートルのトンガリロ山が大噴火した。今年8月にも1897年以来の大規模噴火を起こしたばかり。今回は5分間続き、噴煙は上空4キロに達した。激しい火山活動はひとまず終息したと見られているが、同規模の噴火が数週間以内に発生する可能性も指摘されている。

 ニュージーランドの空の便は、北島上空を飛ぶ国内線の一部が運休となった。2010年にアイスランドで発生したエイヤフィヤットラヨークトル火山の噴火など、非常に大規模なケースでは、地球規模で航空便が麻痺する危険性もある。

 アメリカにあるコロラド州立大学大気科学共同研究所(CSU/CIRA)のスティーブン・ミラー氏は8月、次のように解説している。「多くの火山灰にはガラスの微粒子が含まれている。一方、飛行中のジェットエンジンは、ガラスを溶かすほどの高温で稼働している」。

 「浮遊している火山灰がエンジン内部のタービンブレードなどの表面に溶けて付着すると、ダメージを受けて最悪の場合停止してしまう。また、操縦室前方の風防の表面が削られて曇り、パイロットの視界を遮ることになる。砂嵐で自動車のフロントガラスがすりガラス状になるのと同じ現象だ」。(Christine Dell'Amore for National Geographic News November 22, 2012)


WorldVolcano

 世界の火山、最近の噴火
 プレートテクトニクスによれば、火山のできる場所は、地殻が新たに生成される場所、発散型境界(リフトバレー・海嶺)や、プレートどうしがぶつかる場所、収束境界(海溝)である。これ以外には特定箇所に、継続的に大量のマグマが供給される場所があり、これをホットスポットという。ホットスポットの位置は、プレートの動きとは無関係に一定しており、プレートよりも下のマントルに発生源があると考えられている。ハワイ火山列島がこのタイプである。

 最近、世界ではどこでどんな火山が噴火しているだろう? 調べてみると、2010年8月30日、インドネシア・スマトラ島のシナブン山。2010年10月26日、インドネシア・ジャワ島のムラピ山。2010年10月28日、ロシア・カムチャッカ半島のクリュチェフスカヤ山とシベルチ山が同時噴火している。他には次のような火山がある。


 アイスランド:エイヤフィヤットラヨークトル
 この火山は、現地時間2010年3月20日に190年間の沈黙を破ってうなりを上げ、灰や火山ガスの噴煙と共に、ビル30階分の高さまで溶岩の火柱を噴き上げた。溶岩が雪に触れた場所でも水蒸気が立ち上り、火山から噴き上がる白く波打つ雲が量を増している。

 コンゴ民主共和国:ニアムラギラ山
 ニアムラギラ山は、コンゴ民主共和国東部の都市ゴマから約40キロ北、アフリカ最古のヴィルンガ国立公園内にあり、2年周期で噴火を繰り返してきた。今回は2011年11月6日午後8時6分(現地時間)頃から轟音を響かせ、ヴィルンガの至る所に溶岩、煙、灰をまき散らしている。

 第一報を受けたのは同公園の広報担当ルアンヌ・キャド(LuAnne Cadd)氏。電話で報告したレンジャーは、銃声のような音が鳴り響いたと話したという。キャド氏はすぐにカメラを持って外へ出た。公園本部が置かれたルマンバゴ(Rumanbago)は、噴火の現場から東へ約10~20キロ先になる。

 「赤々と輝く空や轟音には本当に驚いた。テントで夜を過ごすと、低いうなり声のような音が特によく聞こえる」とキャド氏はコメントしている。「溶岩が噴水のように噴き上がり、この瞬間も流れ出ている。圧倒的な光景で思わず釘付けになってしまう」。(National Geographic News November 8, 2011)

 エクアドル:トゥングラウア火山
 AP通信によると、エクアドルのトゥングラウア火山の噴火によって、4月29日には1.6キロ近く離れた地点でもトラックほどの大きさの噴出岩が多数確認されたという。写真は近隣の町コタロ(Cotalo)から撮影。今月20日から活動が活発化していたが26日に規模の大きな噴火が始まり、既に少なくとも300人の周辺住民が避難している。

 トゥングラウア(Tungurahua)は現地ケチュア語で「火の喉」を意味する。標高5023メートルと、アンデス山脈でも高い山の1つで、人口密集地帯であるエクアドルの首都キトからは130キロほど南に位置する。1999年以降、何度も噴火を繰り返しているが、それ以前には80年近く休眠状態にあった。(National Geographic News May 6, 2011)

 ハワイ:キラウエア火山
 キラウエア火山のプウ・オオ火口が噴火、溶岩が噴出している。「噴火は当分止みそうにない」とアメリカ地質調査所(USGS)の火山災害計画(Volcano Hazards Program)担当者ジョン・アイケルバーガー氏は語る。

 また、火山東側面の「リフト・ゾーン」では溶岩を噴き上げる新たな亀裂が生じている。リフト・ゾーンは細長い割れ目地形で、山の中央にあるマグマ溜まりから地下を通ってマグマが流れ込む。

 「3月5日に起きたプウ・オオ火口原の崩落や亀裂は驚くべきことではない。キラウエアを観測していた科学者は発生の数時間前に、地震データの変化から崩落を予知していた」とアイケルバーガー氏は説明している。(National Geographic News March 8, 2011)


 世界の代表的な火山
 世界には約1500の活火山があるといわれており、そのほとんどが環太平洋地帯に分布している。日本には世界の活火山の約1割があり、世界有数の火山国といえる。

 火山の大噴火が地球に短期的な寒冷化をもたらし、世界が混乱に陥いることがあるという。1600年、ペルー南部のワイナプチナ山で、起きた噴火の規模は南アメリカで最大と考えられている。この噴火によって大気圏の上層部に放出された硫黄が太陽光をさえぎって日照量が減少したため、地球の寒冷化が1年にわたって続いた。

 その結果、ヨーロッパとアジアは厳しい寒さに見舞われたのだという。 研究論文の著者の1人であるカルフォルニア大学のジェーク・リップマン氏は、1601年当時の記録を洗い直した結果、関連性があると思われる一連の出来事を発見した。

 ロシアでは厳冬によって凶作と社会不安によって帝位の交代が起こっていた。また、スウェーデンは冬の記録的な降雪により、春になって洪水と不作が発生し、飢餓と病気に苦しんだ。さらに、1601年にはワイン生産が世界的に壊滅状態に陥っていた。 世界で、過去に大噴火を起こした火山はどこにあるのだろう? 


 米国:イエローストーン国立公園 最後の爆発:64万年前
 米国イエローストーン国立公園は世界最大級の火山地帯で、同公園のカルデラは長経70キロ、短径45キロ。その地下には直径約70キロ、厚さ約10キロのマグマだまりが存在する。この巨大なマグマだまりは、地表に最も近い部分は地下わずか8キロで、今も膨張し続けており、1923年から現在までで、同公園の一部地区では地面が70センチも上昇している。

 地質学者によると、イエローストーン火山はこれまで100回以上噴火しており、最初の噴火は1千650万年前、最後の噴火は64万年前と推測されている。噴火周期はおよそ60万年。ここ数年は太陽の活動が活発化していることもあり、そろそろ噴火するのではないかと見られている。

 イエローストーン火山は噴火後、公園内の1万平方キロメートル以内が火砕流により被害を受け、数十万人が死亡もしくは重傷となる可能性があると米英科学者は予測している。この世界最大級の火山はすでにレッドシグナル状態にあり、外力(太陽の活動や人による掘削)を受けなくても噴火する危険性があるという。

 インドネシア:メラピ火山 最後の爆発:06年5月
 インドネシア、ジャワ島中部に位置するメラピ火山の最近の噴火は06年5月。地震により5千人が死亡している。07年、噴出した火山灰は高度4千メートルにまで達した。非常に活発な火山であるにも拘らず、その周囲には約20万人が生活している。

 地理学者によると、40万年前にすでに小規模な火山活動が始まり、1万年前に災害を引き起こすようになり、最近の500年間で大規模な災害が発生するようになっている。1006年、噴出した火山灰がジャワの全域を覆った。7世紀から8世紀に栄えたマタラム王国も、火山灰による被害を受けたと考えられている。

 現在メラピ火山は10年から15年に一度の周期で噴火しており、1548年からすでに68回の噴火が発生している。この噴火回数は国際火山学協会および地球内部化学協会の専門家が常時観測対象とするのに十分な回数である。
06年6月15日。灼熱の噴煙を上げるメラピ火山では、救助活動が難航した(SONY SAIFUDDIN/AFP/Getty Images)

 コンゴ:ニーラゴンゴ火山 最後の爆発:2002年
 ニーラゴンゴ火山は傾斜の強い層状火山で、標高3千470メートル。火口の最大直径は2キロ、深さは約250メートル。中には溶岩湖も存在する。ここ150年の間に50回以上も噴火している。かなりの危険が潜在するが、周囲の土壌が肥沃なことや、湖が近いことなどから人々が集まってくる。

 1977年の爆発時、溶岩湖から溶岩が流れ出し、1時間ほどで周囲20平方キロメートルを埋め尽くしておよそ70人が犠牲となった。94年にも同様の災害が発生している。

 2002年1月17日の噴火では、南側山腹の割れ目から低粘性の溶岩がゴマ市中心部に流れ込み、40%の建物を破壊。数十人が死亡し、50万人が家屋を失った。噴火による溶岩流は今なお流れている。ニーラゴンゴ火山は、アフリカで最も活発な火山に数えられ、ニアムギラ火山と共にアフリカの火山活動の5分の2を占めている。

 グアテマラ:サンタ・マリア火山 最後の噴火:1902年
 中央アメリカ、グアテマラ南西部にある安山岩の成層火山。1902年の火山活動は有史以来初で、火山噴火の詳細な過程が記録された。前回の爆発からおよそ5千年ぶりと見られており、火山爆発指数(VEI)は6。直径約700メートルから1千メートルの火口を残した。付近のケツァールテナンゴでは約5千人が死亡。災害後、多くの人がマラリアに感染した。

 20年後の1922年に小規模な噴火が再び起こり、寄生火山(山腹からの噴火によってこぶのように生じた火山)サンチャギトが誕生している。グアテマラ火山の噴火では大量の火山灰が発生し、その灰は数千キロ離れた米サンフランシスコまで届いている。

 フィリピン:タール火山 最後の噴火:1977年10月3日
 フィリピンのタール火山は直径10キロ以上のタール湖の中に散在する多くの小島の一つであり、最も活発な火山の一つとして有名。

 1572年からタール火山では33回以上の噴火を記録している。当時火山から噴出した火砕流は付近の村を破壊し、村民100人以上が死亡。タール火山の活発な活動は付近住民の生命を脅かしており、フィリピン地震局は付近に観測点を設置、タール火山の厳しい監視を続けている。2009年6月13日から7月19日の間、地理学者により9回にわたる火山地震探測が行われた。

 タール火山は標高311メートル。その火口には火山湖がある。火山活動はかなり頻繁で湖口は絶えず泡立ち、湖畔にも薄煙が細長く立ち昇っている。湖水は豊富なミネラルと希硫酸を含む。世界で最も小規模で最も活発な火山のひとつである。 (大紀元 2010/06/07)


参考HP Wikipedia:火山 National Geographic news:ニュージーランド、トンガリロ火山が噴火 


火山はすごい―日本列島の自然学 (PHP新書)
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PHP研究所
歴史を変えた火山噴火―自然災害の環境史 (世界史の鏡 環境)
クリエーター情報なし
刀水書房

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