寒波到来、身近にある排熱を利用
 日本の上空には強い寒気が流れ込んでいる。 今朝の札幌上空5000メートル付近の気温は氷点下46度5分。 1957年以降の12月では、1984年12月24日の氷点下47度4分に迫る、28年ぶりの強烈な寒波。きのう25日(2012年12月)の日本列島は、44地点で12月の最低気温の記録を更新したという。

 この寒波は、週末は少し緩むという。しかし、来週の初めには次の寒波が入り、大晦日から元日にかけてはかなり冷え込みそうだ。まだ東日本大震災で避難所暮らしをしている人も多いと聞く。この寒波の中どうやって過ごしているのだろう。

 一方、各地の原子力発電所の地盤の下には活断層が有る、無いの議論が続き、いっこうに再稼働できない状況だ。今あるエネルギーを大切に使っていくしかない。

 そういえば風呂に入った後のお湯だが、毎日最後には落としてしまう。まだ温かいのに、このエネルギー、何かに使えないだろうか?

 ヒートポンプ(heat pump)は、熱媒体や半導体等を用いて低温部分から高温部分へ熱を移動させる技術である。手法はいくつかあるが主流は気体の圧縮・膨張と熱交換を組み合わせたもので、一般家庭でもみられる製品でヒートポンプを使っているものとして冷凍冷蔵庫、エアコン、ヒートポンプ式給湯器などがある。理論は19世紀後半より、熱力学の理論としては確立されていた。

 近年、シャワーや洗濯、食器洗いなどの生活排水が、最新のエネルギー源として注目を集めている。家庭やオフィスの暖かい排水から熱を回収して強力なエネルギー源とする取り組みが、世界各地の都市で進んでいる。


 ある推計によると、アメリカでは下水に流出するエネルギーは年間3500億キロワット時に達し、国内のおよそ3000万世帯分を賄う規模だという。カナダのバンクーバーやノルウェーのオスロ、東京などの先駆的事例に続き、アメリカの各都市でも下水熱利用に熱い視線が集まっている。


 熱いエネルギー源
 技術的には単純な話だ。シャワーや食器洗いなどで利用された温水が混じる生活排水は、地域や季節で多少の変動があるものの、下水管から処理場に至るまでおおむね摂氏15度程度で安定している。

 下水熱をリサイクルするクローズド・システムでは、ヒートポンプで下水熱を回収し、家庭やオフィスが使う上水にその熱を移す。上水は通常よりも温かくなり、シャワーや洗濯、食器洗い、場合によっては建物の暖房設備にまで利用できるという。

> 夏にはヒートポンプを逆向きに稼働させ、摂氏15度という水温で建物の熱を放散、エアコンの使用を抑えることができる。基本的には地熱を利用するシステムと同じだが、地中深く掘り下げたパイプで地熱をくみ上げる大がかりな設備は不要だ。費用も環境への影響も少なく済み、比較的浅い地中にある下水管を利用できる。

 カナダのブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーに設置された「フォールス川エネルギーセンター(False Creek Energy Centre)」は、北アメリカ初の大規模な下水熱回収システムだ。オリンピック村を活用した住宅地に、総需要の70%のエネルギーを供給している。排気筒のデザインには、「手のひら」をモチーフにした公共アートを採用。先端部にLED照明が搭載され、エネルギー使用量が少ないときには青、多いときには赤く点灯するという。

 アメリカのイリノイ州シカゴでは、コスト削減への対応を急ぐ水資源当局が新たな取り組みを始めている。シカゴ大学や民間団体の協力を得て、17万5000ドル(約1500万円)の費用で下水処理施設に下水熱回収システムを設置、今年5月に稼働を開始した。技術部門を率いるキャサリン・オコナー(Catherine O'Connor)氏は、「施設内の冷暖房費が50%削減された」と話す。

 真冬のシカゴの気温は氷点下になるが、処理施設の下水はおよそ摂氏13度を保っている。「費用は3年以内で元が取れるだろう」とオコナー氏は話す。同氏によると、まだ下水熱の2%しか活用しておらず、今後も効率改善を続け、周囲にも熱供給を拡張していくという。


 知識の拡大
 下水熱利用が徐々に結果を出す一方、世界が直面するエネルギー問題で下水が果たす役割に期待が高まっている。

 アメリカ国内でも積極的に取り組む地方自治体が増えており、シアトルのあるワシントン州キング郡では、開発業者向けの説明会は立ち見が出るほどの盛況だいう。同郡の下水処理部門で資源リサイクルを担当するジェシー・イスラエル(Jessie Israel)氏は、「2年前には、下水熱利用なんてだれも知らなかった。ところが今や人々が駆け寄ってきて、“下水熱利用について教えてくれ”と迫ってくる」と話す。

 とはいっても、まだこの技術は“よちよち歩き”で発展している段階だ。建物単位でどれほどの効果があるのか、十分なデータはそろっていない。

「どんな地域・環境でも応用できると、具体的なプロジェクトを通じて示していく必要がある」とイスラエル氏は話す。「下水には驚くべき潜在能力がある。一般の人たちの理解を得るよう、皆で努力していきたい」。(Rachel Kaufman for National Geographic News December 20, 2012)


 排熱利用のしくみ“コジェネレーション”
 コージェネレーション(Co-Generation) とは 発電時に発生した排熱を利用して、冷暖房や給湯などに利用する熱エネルギーを供給する仕組みのこと。火力発電など、従来の発電システムでは発電後の排熱は失われていたが、コージェネレーションでは最大80%近くの高効率利用が可能となる。

 また、利用する施設で発電することができるため送電ロスも少ない。このため省エネルギーやCO2の削減に効果がある発電方式として、地球温暖化対策としても期待されている。ホテル、病院、学校、一般企業などへの導入のほか、限定された地域への集中的な冷暖房などにも用いられている。また、家庭用のコージェネレーションシステムも実用化されつつある。

 コージェネレーションの歴史は古く、初めて登場したのが19世紀後半の1893年のこと。ドイツのボストシュラッセ発電所から市庁舎へ蒸気を供給したのが、世界で最初とされている。その後、欧州、アメリカなどで研究が進み、日本ではとくに1986年頃から、工場、ホテル、病院、オフィスなどに導入されるようになった。毎年コンスタントに400~450MWが導入され、2007年3月末(見込みを含む)現在、7,359件の施設で11,610台が稼動、発電容量は合計8,786MWとなっている。これは日本全国の電力用発電設備の約3%である(日本コージェネレーションセンター「コージェネレーションシステム導入実績」)。

 一方、家庭用のコージェネレーションシステムも実用化され始めている。家庭用としては、燃料電池を使った家庭で利用できる小規模な出力を持った発電システムである「燃料電池コージェネレーション」の開発が進められている。家庭に送られてくる都市ガスを使って発電する仕組みで、2005年2月からガス会社が世界で初めて限定200台を市場投入し、レンタルを開始した。出力は1kwほどであり、排熱を利用して約60℃のお湯を沸かして、台所や風呂などに使う。また、液化石油ガス(LPG)を利用するものもある。家庭用の燃料電池コージェネレーションの普及には、コストダウンや実証試験が必要とされ、本格的な普及は2008年以降とみられている。


 熱エネルギーの回収“ヒートポンプ”
 ヒートポンプ(heat pump)は、熱媒体や半導体等を用いて低温部分から高温部分へ熱を移動させる技術である。手法はいくつかあるが主流は気体の圧縮・膨張と熱交換を組み合わせたもので、一般家庭でもみられる製品でヒートポンプを使っているものとして冷凍冷蔵庫、エアコン、ヒートポンプ式給湯器などがある。理論上は逆カルノーサイクルが最高効率である。19世紀後半より、熱力学の理論としては確立されていた。

 冷却にも加熱にも同じ原理が使える。熱の移送の方向を逆にして同じ装置を加熱にも冷却にも使ったり(エアコンなど)、冷温熱同時取り出し(給湯製氷機など)も可能である。

 ヒートポンプは当初は熱移動による冷却技術として利用が始まり、その後1970年代後半には熱回収によって加熱を行う省エネルギー技術としても利用されるようになった。

 冷却(冷房・冷蔵・冷凍・製氷)には実用的な代替手段が乏しいため、ほぼ全ての分野でヒートポンプが使われている。

 加熱(暖房・給湯)の場合、発熱現象そのもの(燃焼など)を利用する従来の方法に徐々に取って代わりつつある。大気・地中熱・水(地下水・河川・下水道)・排熱等から、投入エネルギー(電気が多いがその他の動力・熱のものもある)よりも多い熱エネルギーを回収して利用する。適切な条件下で利用すれば省エネルギーや温暖化ガスの排出量削減が可能であり、地球温暖化への対策技術の一つにも挙げられている。


参考HP National Geographic news:注目の新エネルギー源、下水の水 環境goo:コジェネレーション


天然ガスコージェネレーション排熱利用設計マニュアル
クリエーター情報なし
日本工業出版株式会社
トコトンやさしいヒートポンプの本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)
クリエーター情報なし
日本工業新聞社

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ ←One Click please