今年の漢字は「金」

 2012年の世相を表す「今年の漢字」に「金」が選ばれた。ロンドン五輪での日本選手団の活躍や、山中伸弥・京都大教授のノーベル生理学・医学賞受賞などの「金字塔」が打ち立てられたことや、消費増税や生活保護費の増大など金を巡る問題を理由に挙げた人も多かった。

 しかし、混沌こんとんとした暗い世相に一筋の光明を見つけ、頑張ろうとする日本人の気概を感じる。今年の漢字で「金」は2000年にも、シドニー五輪や金融機関の破綻・再編などを受けて選ばれている。(2012年12月12日 読売新聞)

 今日は今年、ブログ「アイラブサイエンス」で発表した、科学記事の中から、2012年の科学10大ニュースを選んでみた。


2012_ScienceNews

 第10位 すでに「第6の戦争」が始まっている!日本人よ正しい思想で、祖国繁栄のため戦おう! 12/16

 最近、サイバーテロという言葉が話題になったが、これは、ネットワークを対象に行われるテロリズムである。サイバー攻撃と呼ばれる場合もある。サイバー空間における国家間の攻撃を「第5の戦場」と呼ぶ場合がある。これは、陸・海・空・宇宙に次ぐ5番目の戦場という意味である。

 今回、これに次ぐ6番目の戦場として、人の「脳」が指摘されている。それによると、他人に脳を乗っ取られ遠隔操作されることも可能になるという。

 これを聞いてまず、思い出したのは、日本人の脳だ。まさに戦後、徹底的に洗脳され続けた。よくもこれだけ自虐史観を信じ込まされ、自分の国は自分で守るというあたり前のことを放棄させたものである。“思考”というのも科学的に分析したほうがよいと思う。自分の国への愛国心を持たず、発展・繁栄を忘れた国は滅びる。

 中国による尖閣諸島への領海侵犯問題、排日運動、北朝鮮による人質拉致、ミサイル問題。今年ほど、危機感を感じたことはなかった。今からでも遅くはない、日本人よ一致団結、協力して、自分の国は自分たちの手で守ろう!発展させよう!


 第9位 東日本大震災からの復興 森が海を育てる心に木を植えるフォレストヒーローに畠山重篤さん 2/12

 東日本大震災からの復興はまだまだすすんでいないと地元の人たちはいう。私たちもわすれてはいけないと思う。だが、その中で力強い一歩を踏み出したのが、牡蠣養殖業者の畠山さんだ。

 大震災の翌年には、牡蠣の養殖を再開した。いつも豊かな森が海産物を育てるといっては、植林を同時に行い牡蠣養殖を成功させた。それまでの経験から、大地震の後は海底の養分が海面に湧き上がってきて、よい牡蠣ができることを知っていた。フォレストヒーローとして、世界的にも評価された。

 福島第一原発が事故で停止した後、新エネルギーへの研究も進んでいる。その中にはこれから楽しみな、新エネルギーがいくつも出てきた。例えば、ジェット気流で風力発電 2/24 では、いつも日本の上空に、偏西風という強い風が吹いている。これを利用しようという試みだ。

 津波では大きな被害を出した東日本大震災。海の持つエネルギーの大きさに驚かされた。このエネルギーを利用とする研究も進んでいる。海洋波力発電 5/11 はまさに、波の力で発電するしくみだ。この他には海上の風を利用した風レンズ風車 5/5 や、海洋の温度差を利用した、海洋温度差発電 7/17 など日本に向いている、新エネルギーの研究が確かにすすんでいる。


 第8位 異常気象は続く…ハリケーン「サンデイ」ニューヨーク直撃! 11/3

 米国では夏には、干ばつ、秋にはハリケーン「サンディ」の襲撃を受けた。なかでも「サンディ」による経済的損失は500億ドル(約4兆円)に上った。(2012.11.3 AFP)ニューヨークは一時大停電になり、大都市の予想外のもろさを知った。北極海の氷も減少を続けている。

 日本では台風4号、九州北部の集中豪雨で多大な被害を出した。また、夏の電力不足の時には、被災地を中心にエアコンを使えなかったのが影響したのか、猛暑日が続く中、熱中症が過去最多を記録、中国・北朝鮮は豪雨・洪水に襲われた

 COP18では相変わらず、CO2大国の米国、中国のCO2削減目標に不参加、非協力的な状況が続いている。地球環境よりも、大国のエゴがまかり通る世界情勢に危機感を感じざるを得ない。


 第7位 海洋資源の発見 国内初!メタンハイドレートの採掘開始! 2/17 

 日本の近海では尖閣諸島をめぐる、中国の動きが心配だ。あの国は、尖閣諸島周辺の地下に、石油や天然ガスが豊富に埋蔵されていることが、明らかになると同時に利権を主張しだした。これからは国を守ると同時に、海底資源を取り出す技術開発が大切になる。

 また、南鳥島海底にレアアース 6/28 も発見された。 シェールオイル 11/6 も国内で初めて掘削に成功した。明るい話題である。あとは国防を強化し、資源を守り、資源を取り出すロボットなどの科学技術の確立、新産業の創出と繋げていきたいものである。


 第6位 キュリオシティ恐怖の7分乗り越え火星に到着 8/7

 火星に探査機「キュリオシティ」が到達した。今回は、生命存在の可能性を探る。恐怖の7分というのは、着陸時の困難さを表し打ている。キュリオシティをクレーンでつり下げ、ロケットの逆噴射で下ろすという、初めての方法だったからだ。しかもその間の通信は途絶えたままだった。

 キュリオシティはその後、火星に水の流れた跡を発見した 9/28。また、火成岩や謎の光る物質を発見 10/24 したり、着実に成果を上げている。その後有機物も発見したようだが、まだ生命の証拠は確認できていない。


 第5位 星出さん「宇宙をもっと身近な場所に」ISS長期滞在 7/18

 およそ4か月にわたり、国際宇宙ステーションに滞在していた日本人宇宙飛行士の星出彰彦さんが、宇宙から帰還した 11/26 本時間の11月19日午前11時前、ロシアの宇宙船「ソユーズ」で地球に帰還し、元気な姿を見せた。

 その後、医師の検査などを受けるため、着陸現場近くに設けられた仮設のテントへと運ばれた。星出さんは、およそ4か月の宇宙ステーション滞在中、日本の宇宙輸送船、「こうのとり3号機」のドッキング作業や、日本の大学や企業などが開発した超小型衛星の放出などに携わった。

 また、宇宙ステーションから外に出て作業を行う船外活動も3回担当し、合わせて21時間23分の活動時間は野口聡一さんが持っていた日本人としての最長記録を塗り替えた。


 第4位 巨大望遠鏡による宇宙観測技術の成果

 宇宙観測技術がすごい!アルマ望遠鏡は、南米のチリ共和国北部にある、アタカマ砂漠の標高約5000メートルの高原に建設された電波望遠鏡である。パラボラアンテナ66台を組み合わせる干渉計方式の巨大電波望遠鏡で、直径12メートルのアンテナを50台組み合わせるアンテナ群と、直径12メートルのアンテナ4台と直径7メートルアンテナ12台からなる「アタカマコンパクトアレイ (ACA)」で構成されている。

 2011年9月からは、初期科学観測が開始されており、全世界から公募された観測研究のなかで、みなみのうお座の一等星「フォーマルハウトの輪をとらえる! 4/19」という観測や、宇宙空間で糖類ができたことを世界で初めて発見 9/1するなど成果をあげている。アルマ望遠鏡の本格運用はこれからで、楽しみである。

 他にも電波望遠鏡で、見えないブラックホールの場所をとらえる 10/6 という試みが成果をあげている。また、太陽系に最も近い場所に、ハビタブルゾーンにある第2の地球発見! 12/20、また、巨大太陽フレアの発生を予測する技術 11/12 や、宇宙が誕生して間もない頃の初期銀河を発見 12/17 するなど、素晴らしい成果があがっている。


 第3位 2012年ノーベル医学・生理学賞山中伸弥教授受賞! 10/8

 2012年ノーベル医学・生理学賞の受賞者が決まった。スウェーデンのカロリンスカ研究所は9月8日、日本時間18:30頃、京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授(50)と、英ケンブリッジ大のジョン・ガードン博士に授与すると発表した。受賞理由は「成熟した細胞を、多能性を持つ状態に初期化できることの発見」である。

 山中教授は、皮膚細胞に4種類の遺伝子を入れることで、あらゆる組織や臓器に分化する能力と高い増殖能力を持つ「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を作り出した。拒絶反応のない再生医療や難病の仕組み解明、新薬の開発など、医療全般での応用が期待される。最初の成果が米科学誌に掲載されてから6年あまりという異例のスピード受賞だ。

 日本人の受賞は2010年の鈴木章・北海道大名誉教授と根岸英一・米パデュー大特別教授の化学賞に続く快挙で、医学生理学賞の受賞は1987年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授以来2人目。今回の受賞で日本人の受賞者は、米国籍の南部陽一郎氏=2008年物理学賞=を含め19人(医学生理学賞2、物理学賞7、化学賞7、文学賞2、平和賞1)となる。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれた。


 第2位 ヒッグス粒子、ついに発見!存在確率99.9999%以上 7/6

 欧州合同原子核研究機構(CERN)は7月4日、物質に質量を与えたとされる仮説上の素粒子「ヒッグス粒子」とみられる新しい素粒子を発見したと、発表した。2つの国際チームによる探索実験の結果、質量125-126GeV(ギガ電子ボルト)付近に、新素粒子が99.9999%以上の確率で存在することが分かった。年内にさらに実験を繰り返し、発見を確定させるという。

 宇宙が誕生した137億年前の大爆発(ビッグバン)によってヒッグス粒子を含むあらゆる素粒子が光速で飛び回った。その約100億分の1秒後に、宇宙空間の状態が変わり、他の粒子の周りにヒッグス粒子がまとわりついて、動きにくくした(質量を与えた)と考えられる。この仮説は英国の物理学者ピーター・ヒッグス博士が、南部陽一郎・米シカゴ大学名誉教授(2008年ノーベル物理学賞受賞)の理論「自発的対象性の破れ」を土台に、1964年に提唱していた。

 今回、東京大学や高エネルギー加速器研究機構など日本の16機関が参加する「ATLAS」と、欧米を中心とした「CMS」の2つの研究チームが、2008年に本格稼動したスイス・ジュネーブ近郊にあるCERNの「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」を使って、ともに陽子同士の衝突実験を繰り返した。


 第1位 金環日食一生に一度あるかないかの神秘体験! 4/8 列島感動!雲間に天空のリングを見た! 5/21

 日本国内では25年ぶり、本州では129年ぶりの観測となった“金環食”。その前日、5月20日(日)、DREAMS COME TRUEがスペシャル・イベントを、幕張メッセ・国際展示場9-11ホールにて開催した。1990年にリリースされたアルバムの収録曲、「時間旅行」で吉田美和が歌った“指輪をくれる? ひとつだけ 2012年の 金環食まで待ってるから”…という歌詩から実現したライヴだ。

 ステージの上で吉田美和が「金環日食は、何よりも老若男女問わず、みんなが1つの空を見上げていることが一番素敵だと思う」といった。その言葉通り、翌日は全国8300万人が空を見上げで、金のリングを観測した。

 ここ湘南地方は朝から雨…。「残念、今日は無理か」と思った。だが、少しずつ晴れて雲間から、金のリングが透けて見えた。今年は、天文現象の3金メダル、金環食、金星の日面通過 6/7、金星食の珍しい3現象が起きた。多くの人に感動を与えた天文現象が今年の第1位である。


 みんなが自分の金メダルをめざそう!

 ロンドンオリンピックでは、アスリート達は国と、自分の名誉をかけ頑張った。だから感動するのだろう。日本人は日本人だから日本を応援する。その心は日本人なら誰でも持っている心だろう。その気持ちは尊いものだ。

 みんながそれぞれ、金メダルをめざし、たとえ取れなくても良いものを作っていこうとすれば、国は繁栄発展するはずだ。パラリンピックでも、ハンデがあっても諦めずに良い記録を残そうとするアスリート達の姿を見た。誰でも、それぞれの金メダルを目指せると思う。1人1人がまず良いものをつくる。そうやってみんなが、良いものをつくり合わせていけば、世界はどんどん良くなるはずだ。

 その他にも、医学・医療の分野で日本は、がんワクチンの開発 11/23、X線自由電子レーザー 12/19 など、素晴らしい成果をあげている。将来は、水素をエネルギー源とした循環社会 9/23を目指していくようだ。 燃料電池車 9/24 も2015年には市販される。

 人類は古代から、新しい技術をどんどん取り入れ、時代を変えていった。これからも、新しい科学技術を取り入れ、挑戦し、すばらしい未来社会を造っていきたいものだ。


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