1月の星空と木星
 気象庁は1日、冬型の気圧配置が強まる影響で、北陸と北日本(北海道、東北)で2日から3日にかけ、大雪や暴風に見舞われる恐れがあるとして警戒を呼び掛けた。日本海側は大雪である。

 一方、ここ湘南は晴れて穏やかな正月を迎えた、夜になってもきれいに冬の星座が見える。真上に一際明るく輝くのは木星だ。2012年、金環日食や金星の日面通過など賑やかだった天文現象、今年、2013年はどうなるのだろうか? 

 2013年は彗星の一年。3月にはパンスターズ彗星(C/2011 L4)が、12月ごろにはアイソン彗星(C/2012 S1)が、どちらもマイナス等級まで明るくなると予想されている。金環日食や金星の日面通過と違い、彗星を観察できる期間は長い。期待を裏切らない大彗星になることを願いたい。

 現在、北半球は真冬だが、1月2日(水)地球が近日点を通過する。つまり、太陽に一番近づく日だ。3日(木)、午後10時しぶんぎ座流星群が極大だが、午後10時30分頃から月が出現するため条件は悪い。

 木星は観望の好機を迎えている。おうし座の1等星アルデバランの近くに見えていて、明るさはマイナス2.7等からマイナス2.5等。現在、夜空で一番明るい天体だ。


Comet_McNaught_at_Paranal

 1月6日から10日にかけて、惑星の近くを月が通り過ぎていくようすを観察することができる。6日にはスピカの近く、7日には土星の近く、そして、10日にはかなり細くなった姿で金星の近くに輝く。金星の高度は低いので、南東の空が開けた場所で観察しよう。

 おうし座の1等星アルデバランの近くに輝く木星が観察の好機を迎えており、日の入り時には南東、20時頃にはほぼ真南の空高く昇っている。 22日には、月がアルデバランと木星に近付き、三角形を作っているように見える。マイナス2.6等の明るさの木星は、月齢10の月明かりにも負けず明るく輝いている。(国立天文台)


 2013年の天文現象
 1年を通じてどのような天文現象が見られるのだろうか?

 2013年に注目したい天文現象として、2つの彗星の接近が挙げられる。3月から4月に見られるパンスターズ彗星と、11月から12月にかけて見られるアイソン彗星である。特に、アイソン彗星は肉眼でも見られるほど明るい大彗星になると期待されている。彗星の明るさを正確に予想することは難しく、実際にどの程度明るくなるかは彗星が接近するまで分からないが、期待が持てることには間違いない。

 三大流星群については、ペルセウス座流星群は月齢の条件が良く多くの流星の出現が期待できる。一方で、しぶんぎ座流星群、ふたご座流星群は、月明かりの影響が大きく条件は良くない。

 その他注目したい天文現象として、次のものが挙げられる。 4月26日 関東以西で部分月食、5月下旬 日の入り後の西の空で水星、金星、木星が集合、8月12日 おとめ座の1等星スピカが月に隠されるスピカ食、12月2日 水星が月に隠される水星食などがある。


 2013年、主な節気 (2013年1月~2014年3月): 2013年2月 4日 立春、3月20日 春分、5月 5日 立夏、6月21日 夏至、8月 7日 立秋、9月23日 秋分、11月 7日 立冬、12月22日 冬至、2014年2月 4日 立春、3月21日 春分

 惑星の暦 (2013年1月~2014年3月): 2013年2月17日 水星 東方最大離角、4月1日 水星 西方最大離角、4月29日 土星 衝、6月13日 水星 東方最大離角、7月30日 水星 西方最大離角、8月27日 海王星 衝、10月 4日 天王星 衝、10月9日 水星 東方最大離角、11月1日 金星 東方最大離角、11月18日 水星 西方最大離角、2014年1月6日 木星 衝、1月31日 水星 東方最大離角、3月14日 水星 西方最大離角、3月23日 金星 西方最大離角 であり、それぞれ観望の好機になる。

 月の暦 (2013年1月~2014年3月): 満月になる日は、2013年1月27日、2月26日、3月27日、4月26日、5月25日、6月23日、7月23日、8月21日、9月19日(9月19日 中秋の名月)、10月19日、11月18日、12月17日、2014年1月16日、2月15日、3月17日である。

 なお、日本で見られる条件の良い日月食は(2013年1月~2014年3月)には起こらない。4月26日 05時頃 極めて軽微な部分月食(食分0.008)が南西諸島で月没帯食として見られる。


 主な流星群 (2013年1月~12月)
 1月 4日未明 しぶんぎ座流星群極大。3大流星群の一つで、明け方に輻射点が高くなるので、明け方に多くの流星が見られる。2013年は極大が日本時刻22時頃で、4日明け方はまだ活発な出現が見られる頃である。ただ下弦直前の月明かりがあるので、30個/時程度か?なお、この日から1日ずれると2~3個/時程度まで減ってしまう。

 8月12/13日 ペルセウス座流星群極大。3大流星群の1つ。明け方に輻射点が高く上るので、宵よりも明け方の方が多くの流星を見られる。また、20時頃では、出現数は少なめだが、長経路の印象的な流星が見られる。2013年の極大は13日3時頃で、ちょうど極大が日本で観測でき、活発な出現が期待できる。14日が上弦なので夜半前に月が沈み、この点でも好条件である。出現数は50~80個/時程度であろう。11/12日や13/14日だと半分程度に減る。

 12月14日 ふたご座流星群極大。年間最大の出現を見せる流星群。2013年のピークは日本の昼間にあたっている。ほぼ24時間活発な出現が続く流星群であるので、13/14日、14/15日両日とも十分活発な出現が見られる。また、ふたご座流星群の明るい流星のピークは全体のピークから半日近く遅れるので、14/15日は明るい流星のピークとなる。ただし、2013年は満月前の明るい月がある。13/14日は、明け方の月没後に2時間弱の暗夜があるが、翌14/15日になると月没から薄明開始まで1時間もなくなってしまう。出現数は、月没後で50~80個/時程度。12/13日であればこの半分程度の出現だが、15/16日だと5個/時程度まで減少する。


 主な彗星(2013年1月~2013年12月)
 2011 L4(PanSTARRS) この数年で最も明るくなる可能性の高い長周期彗星。3月の近日点通過以後は北半球の夕空で急速に光度を増す。ピークの等級の予測は難しいが、MPC では 2013年3月10日頃 0.5等を予測している。肉眼彗星として 10度 程度の尾を引く可能性がある。4月には、双眼鏡級の等級を維持し一晩中観察できるようになる。

 C/2012 S1(ISON) 2012年9月に発見された新彗星。2013年11月29日に近日点を通過し、大彗星となる可能性が高い。近日点距離は0.0125AU(=1870,000km)。これは、太陽直径のわずか 1.3倍であり、太陽の表面をかすめるように通過する。MPC では近日点通過時の等級を-9等と予報し、11月中旬から12月中旬は 2等台以上としている。ただし、太陽にきわめて接近するため消滅する可能性もある。近日点通過前後とも、北半球における明け方で観察条件が良い。

 2013年は2つの彗星を中心に、楽しみな天文現象が多い年になりそうだ。


参考HP 国立天文台:2013年展望 1月の星空 仙台宇宙館:2013年天文現象


天文年鑑2013年版
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誠文堂新光社
ASTROGUIDE 星空年鑑2013 (アスキームック)
クリエーター情報なし
アスキー・メディアワークス

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