奇跡!深海の超巨大イカに遭遇!
 「ダイオウイカの撮影を開始した…」船上の誰もが耳を疑った。「今、ダイオウイカが撮れたと聞こえましたが…?」とおそるおそるスタッフが無線で聞いてみる。「ダイオウイカに遭遇し、撮影しました…」落ち着いた様子で窪寺さんは答えた。専門家が言うのだから間違いはない。

 2012年7月10日、小笠原・父島の東15キロの沖合、630mの所で、人類が世界で初めてダイオウイカの生態を撮影した瞬間だった。小笠原諸島の海域で10年にわたって、仲間達が挑戦し続けた結果、奇跡が起きた。いや、奇跡を起こしたのだ。

 NHKは10年にわたる調査の最終段階として、国立科学博物館などと共に有人潜水艇「トライトン」を用いた調査・撮影の準備を進め、昨年夏に小笠原諸島の海域で潜水回数100回、潜水時間400時間以上におよぶ潜航を行い、ついに父島東沖の深海でダイオウイカに遭遇、世界初の撮影に成功したのだ。

 「トライトン」が浮上してきた。水中無線の会話を聞きつけ、甲板には仲間が集まってきた。潜水艇が海中から船上に引き上げられる。ハッチが開かれる。そこかしこから拍手が起こった…。潜水艇から顔を出した窪寺さんは、ガッツポーズで応えた。


Giant Squid

 2012年1月12日NHK放送の、「NHKスペシャル:世界初撮影!深海の超巨大イカ」では、この時の感動を臨場感たっぷりに伝えてくれた。これまで見てきたダイオウイカは、どれも死んでいたり、体の一部分であったり、海上で見たものばかりだった。深海630mで出会ったダイオウイカは、まさに生きていた、体は黄金色に輝き、漏斗から力強く水を吐き、潜水艇を餌とともに深海へ引きずり込もうとしていた。

 映像は23分程。「何だこれは?こんな大きな、金色に輝く生物が、過酷な深海に生息しているのか…!」という不思議な世界を肌で感じた感動の瞬間だった。この瞬間のために生涯をかけた国立博物館の窪寺恒己博士、10年も追い続けたNHKスタッフに敬意を表したい。


 深海で泳ぐ巨大イカの動画撮影に成功!
 深海に生息し、成長すると全長18メートルにもなる謎多き巨大生物「ダイオウイカ」の生きたままの姿がこのほど、NHKなどにより世界で初めて動画撮影され、13日の「NHKスペシャル」で全世界に先駆けて放送されることが分かった。NHKは10年にわたる調査の最終段階として、国立科学博物館などと共に有人潜水艇を用いた調査・撮影の準備を進め、昨年夏に小笠原諸島の海域で400時間以上におよぶ潜航を行い、父島東沖の深海でダイオウイカに遭遇し、世界初の撮影に成功した。

 ダイオウイカは、触腕(2本の長い腕)まで入れると、大きなものでは全長18メートルにもなるという地球上最大の無脊椎動物。欧米では“船を襲う海の怪物”クラーケンのモデルとして知られるなど、古代から世界各地でさまざまな伝説として語られ、人々の夢や臆測をかきたててきた。これまで世界中のメディアや研究者が深海で泳ぐ“生きた姿”の動画撮影に挑戦しようとしてきたが、すべて失敗。「深海最大の謎」とされてきた。

 NHKは、感度の高い目を持つダイオウイカ撮影のために、特殊な深海撮影用超高感度ハイビジョンカメラを開発し、最新鋭の透明ドーム型潜水艇に搭載。世界的に知られるダイオウイカ研究の第一人者である国立科学博物館の窪寺恒己博士、NHKカメラマン、操縦士が搭乗して撮影に挑んだ。

 今回撮影に成功したダイオウイカは、特徴である2本の長い触腕は切れて短くなっていたものの、大きさは約3メートル。完全な状態であれば、全長7~8メートルと推測される巨大イカだった。窪寺博士は「初めて潜水艇に乗ってダイオウイカを目の当たりにした。今まで調べたダイオウイカ、海岸に打ち上がったダイオウイカと違って、輝くような美しさを持っていた。これは本当に価値ある映像で、今まで“謎”とされてきたさまざまな生態を導き出してくれるでしょう」とコメントしている。

 NHKスペシャル「世界初撮影!深海の超巨大イカ」はNHK、NHKエンタープライズ、米ディスカバリー・チャンネルの国際共同制作で13日午後9時~同9時58分にNHK総合で放送予定。(毎日新聞デジタル 2013/01/07)


 瀕死のダイオウイカ、フロリダ沖で発見
 一方、こちらは大西洋のフロリダ沖、2012年6月26日現地時間午前11時ごろ、フロリダ州ポートサレルノの19キロ沖を漂っているところを釣り人にダイオウイカが発見された。

 大きな損傷はなく、発見時はまだ動いている状態で、発見者を驚かせた。ダイオウイカはこれまで生きた状態で研究されたことがなく、この標本によって謎のイカの新たな一面が明らかになるのではと期待さている。

 「見つけたときは3人とも、何だこれは!と叫んだよ」と、趣味の釣りに出かけていてこのイカを発見した1人、ロビー・ベンツさんはフロリダ州南部の放送局WPTVに語った。「死んでからまだそれほど時間が経っていないようで、触手はまだ動いていたし、(釣り船に)引き上げたときには絡みついてきたね」。

 岸に戻ると野生動物保護機関に連絡を入れ、こうしてダイオウイカの標本はゲインズビルにあるフロリダ自然史博物館に保管されることになった。

 地球上の無脊椎動物で最大の大きさを誇るダイオウイカは、大きなものでは体長18メートル、体重1トン近くに達するものもあると考えられている。ただし今回の標本は、体長約8メートル、体重は約90キロだった。

 他のダイオウイカ同様、今回捕獲された標本は全体的に白く、表皮のところどころに赤い部分があった。この部分には色素胞と呼ばれる色素細胞が含まれており、色を素早く変える機能を持つ。これは情報伝達や擬態に使われているものと考えられている。

 ダイオウイカは世界中の海で発見されているが、フロリダ沖の大西洋での目撃情報はこれまで少なかったと、無脊椎動物を専門とするフロリダ自然史博物館の古生物学者で、今回の標本の保存にも協力したロジャー・ポーテル(Roger Portell)氏は説明する。

 「ダイオウイカが目撃されることは非常にまれだ。深海で生活しているので、通常の状態でわれわれが目にすることはない」と、ポーテル氏はナショナルジオグラフィック ニュースに語った。

 それだけに、今回見つかった標本は「例外的なものだ」という。ポーテル氏は「外傷が非常に少なかった」点にも注目している。触手が1本失われていたものの、攻撃を受けたようには見えないと同氏は付け加えた。

 今回見つかった標本は、発見時にほぼ無傷だったが、瀕死だったとみられることから、ポーテル氏はこの個体が、性別はいまだ不明ながら、生殖行動の直後だったのではないかと推測している。イカ、タコ、コウイカなどの)頭足類では一般的に、オスメスを問わず、生殖行動の直後に死んでしまうものが多い。この個体もそうしたケースではないかと考えられる。

 また、この標本がまれなほど良い状態で保存されたのには、発見者の釣り人たちの貢献も大きいとポーテル氏は評価する。「標本を直ちに引き上げ、すぐに陸上に運び、保護当局に連絡した。当局の担当者も、すぐに氷を入れて保存してくれた。見事な対応だった」。(Ker Than for National Geographic News July 1, 2011)


 ダイオウイカとは何か?
 ダイオウイカ(学名:Architeuthis、英語名:Giant Squid)は、ツツイカ目 (en)-ヤリイカ亜目 (en)- ダイオウイカ科に分類される、巨大なイカの一種(1属)。本属の下位分類には複数種があると考えられている。世界各地に存在する巨大な頭足類の伝説(クラーケン)はダイオウイカをモデルにしている、と考える人もいる。

 非常に大きなイカで、日本での発見例は外套長1.8m、触腕を含めると6.5mにもなるという。ヨーロッパで発見されたタイセイヨウダイオウイカ(テイオウイカとも云う)で、特に大きなものは体長20mを超えたとも言われる。ダイオウホウズキイカとともに、世界最大級の無脊椎動物(同時に、頭足類)として知られている。

 直径30センチメートルにもなる巨大な目を持ち、ダイオウホウズキイカとともに、生物界で最大とされている。これによりごく僅かの光をも捉え、深海の暗闇においても視力を発揮できる。触手の長さと胴体の大きさに比べて、胴体先端の遊泳鰭が小さく、筋肉中にアンモニウムを大量に含んでいることから遊泳能力はあまり無いとされてきたが、後述する生きた姿の撮影によって、そうではないとされるようになった。

 北アメリカやヨーロッパ付近の大西洋、ハワイ島付近、日本では小笠原諸島などの広い範囲で発見例があるものの、深海に棲息するため、全体としては発見された数が少なく、しかも、台風によって浜辺に打ち上げられたり、死骸が漂着するなどの発見例がほとんどである。

 2006年(平成18年)12月、世界で初めて日本の研究家がダイオウイカの映像を撮影することに成功したぐらいで、生きている個体を見られることはほとんど例がない。そのため、生態については、とても強い力を持ち、深海で活発に動き回っているという程度しか判明していない。生きた個体の体色は赤褐色であることが確認されているが、標本や死んで打ち上げられた個体は、表皮が剥がれ落ち、白く変色する。

 天敵はマッコウクジラであると言われる。マッコウクジラの胃の内容物から本種が発見されることも多く、皮膚に吸盤の痕跡が残っていたりもする。ダイオウイカの吸盤には鋸状の硬い歯が円形をなして備えられており、獲物を捕獲する際にはこれを相手の体に食い込ませることで強く絡みつくと考えられている。しかし、マッコウクジラはこの吸盤でしがみつかれて体表を傷つけられても、構わずに丸呑みにしてしまう。弱った個体がサメなどの他の肉食動物の餌にされたり、幼体時の浮遊期にも、稚イカが多くの生物の餌になっていると思われる。

 一方、ダイオウイカが捕食する獲物は、オレンジフィッシャーやホキといった魚や、アカイカ、深海棲のイカなどであることが、胃の内容物などから明らかにされている。ダイオウイカの卵はクリーム色もしくは白色をしており、およそ1mm程度である。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:ダイオウイカ NHK:幻の深海巨大生物 世界初撮影!深海の超巨大イカ!


絶滅したふしぎな巨大生物
クリエーター情報なし
PHP研究所
オールカラー ミョーな深海生物大百科―生物界の常識を変えた謎の新種から、巨大なモンスター、生きた化石まで (廣済堂ペーパーバックス)
クリエーター情報なし
廣済堂出版

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ ←One Click please