すべての生物は痛みを感じる?
 甲殻類(Crustacea)は、節足動物のなかま。エビ、カニ、オキアミ、フジツボ、ミジンコなどを含むグループである。深海から海岸、河川、湿地まで、あらゆる水環境に分布するが、主に海で多様化している。陸上の生活に適応しているのはワラジムシ類など僅かである。

 エビやカニなどの甲殻類は痛みを感じることができる可能性が高いとする研究結果が1月17日、イギリスで発表された。研究を行った研究者は、熱湯に放り込まれたロブスターは、実は長い間にわたって苦しみ続けているのかもしれないと話している。

 研究者らが行った一連の実験で、特定の場所で繰り返し電気ショックを与えられたカニは、たとえそこが隠れ場所に絶好な暗がりだとしても、その場所を避けるようになることが分かった。これはカニが痛みを感じていることを示唆するものだとされた。

 研究を率いたクイーンズ大学のボブ・エルウッド(Bob Elwood)氏は、カニが痛みを感じることを完全に証明することは不可能だとしつつも、実験結果はカニが痛みを感じるとする説と「つじつまが合う」ものだと語った。


Crustacea

 痛みといえば、ここしばらく歯が痛くて、物を噛むことができないでいる。食事では痛くない方の歯を使って何とか食べているが、それでも反対側に響く有様だ。物を食べるという単純な行為がありがたいということに気づいた。

 テレビではアルジェリアのイスラム過激派による、日本人殺害のニュース。命を奪われた方々の痛みを思うと、その痛みは歯痛どころではなかったろう。銃弾で殺害されたとき、激痛が体を貫いたことは予想できる。日本の発展のために活躍された10人の方々のご冥福をお祈りする。


 英研究者「シーフード優しく扱って」、甲殻類も痛み感じる可能性
 エビやカニなどの甲殻類は痛みを感じることができる可能性が高いとする研究結果が1月17日、発表された。

 北アイルランド・ベルファスト(Belfast)のクイーンズ大学(Queen's University)の研究者らが行った一連の実験で、特定の場所で繰り返し電気ショックを与えられたカニは、たとえそこが隠れ場所に絶好な暗がりだとしても、その場所を避けるようになることが分かった。これはカニが痛みを感じていることを示唆するものだとされている。

 クイーンズ大学(Queen's University)のクイーンズ大学のボブ・エルウッド(Bob Elwood)氏は、カニが痛みを感じることを完全に証明することは不可能だとしつつも、実験結果はカニが痛みを感じるとする説と「つじつまが合う」ものだと語った。

 エルウッド氏は、人間の食料として捕獲または養殖される年間数十億匹のエビやカニは「非常に極端な」扱いを受けていると話す。

 「カニははさみをもぎ取られ、生きたまま海へ戻される。ロブスターやエビは、肉となる腹部を残して体の前半分をもぎ取られる。脳や胸部の神経系統は、1時間後でもまだ機能しているのに」

 同氏によると、甲殻類の脳は脊椎動物の脳と異なるため、痛みを感じないと推測する人々は多い。同氏は「こうした動物の扱い方について、さらに良く考えていく必要がある。非常に大きな問題が見過ごされている可能性がある」と話している。論文は英科学誌「Journal of Experimental Biology(実験生物学ジャーナル)」に掲載された。(AFPBB News 2013年1月17日)

 エビやカニというと、おいしい食べ物というイメージしかなかったが、人と同じく、痛みをもつ生物であることを知った。感謝して食べることも必要なのかもしれない。

 さて、そんな甲殻類にも変わったなかまがいる。今日は海の掃除屋「ダイオウグゾクムシ」と寄生虫「チョウ」を紹介する。


 深海生物:「ダイオウグソクムシ」4年間絶食!
 三重県鳥羽市の鳥羽水族館で飼育している深海生物「ダイオウグソクムシ」が、餌を食べないまま5年目に突入した。1月4日も月に1度の餌を与えられたが見向きもせず、飼育員を困らせている。

 同館は2匹を飼育展示しており、絶食しているのは2007年9月に入館した「No.1」(体長29センチ)。2009年1月にアジ1匹(約50グラム)を食べて以来、何も口にしていない。

 入館時の体重は1040グラムで、昨年11月の測定では12グラムしか減っていなかった。ダイオウグソクムシは、メキシコ湾やカリブ海などの深海に生息する海生甲殻類で、等脚類中の最大種。魚などの死骸を食べるため「海の掃除屋」とも呼ばれる。

 この日、与えたのはアジ、シシャモ、イカの足。飼育員の森滝丈也さん(43)が水槽のふたを開け、No.1のそばに置いたが、脚を動かしてはじき飛ばし、十数分後には体を丸めてうずくまってしまった。(毎日新聞 2013年01月05日)

 ダイオウゾクムシは、甲殻類としては世界最大級であり、体長は20-40cmで、最大50cm近く、体重は1kgを上回る。 頭部の黒い複眼は約3500個の個眼から形成されており、節足動物の複眼としては最大級であるために近くで見ると威圧感がある。

 「海の掃除屋」と呼ばれる本種は、深海底で餌となる動物の死骸が落ちてくるのを待っており、餌を見つけるとそこで食事にかかる。非常に貪欲で、餌は大型魚類やクジラなどの各種動物の死骸や弱った動物にヒトデなども食し、他の等脚類のように弱った仲間や死体を食べる共食いも行われている可能性もある。他の深海生物と共に餌を食い尽くし、深海の海底を砂泥地にしてしまう。そうすることで、深海底の安定を保っている。

 餌の少ない深海の過酷な環境の中でこのような巨体になることは、ダイオウイカと並んで深海生物の巨大症(deep-sea gigantism)の例としてよく引用されるが、その巨大化のメカニズムについては未だに多くの部分が解明されておらず、謎に包まれている。(Wikipedia)


 チョウはチョウでも、甲殻類のチョウは?
 チョウ(金魚蝨、学名:Argulus japonicus)は、甲殻亜門顎脚綱鰓尾目(チョウ目)チョウ科に含まれる小動物である。主として魚類の外部寄生虫である。別名ウオジラミ。日本で発見、記載されたものが先取権を持ったために japonicus (日本の)の名を持つが、現在はユーラシア、アメリカなど、世界各地に広く分布することがわかっている。おそらく魚類の人為的な移動、移植によって移動したためと考えられる。

 チョウは薄い円盤状の体の甲殻類で、淡水の魚類の外部寄生虫である。鰓尾綱では最もよく知られたものである。吸盤や鈎など、魚にしがみつく構造を持つと同時に、游泳の能力も持ち、よく泳ぐことができる。

 養魚場など、魚を多数飼育している場所では重篤な被害を出すことがある。別名を「ウオジラミ」と言う。この名はカイアシ類の寄生虫などにも用いられるので、注意を要する。チョウの名の由来についてはよくわからない。

 小型の動物で、大抵、3 - 6mm前後。ほぼ透明で、黒い色素が点在する。全体に円盤形をしている。これは、頭胸部が左右に広がり、さらに腹部の両側にも広がって全体の形を作っているためである。そのため、全身で吸盤になるような構造をしている。

 頭部の先端付近の腹面には、触角に由来する2対の小さな鈎がある。その後方、腹側に1対の大きな吸盤を持つ。その吸盤は第1小顎の変形したものである。腹部は頭胸部に埋もれたようになっているが、はっきりした体節があって5節あり、最初の節には顎脚が、残りの四節には遊泳用に適応した附属肢がある。尾部は頭胸部の形作る円盤から突き出しており、扁平で後端が二つに割れる。

 キンギョ、コイ、フナなどの淡水魚類の皮膚に寄生して鋭い口器で、その血液を吸う外部寄生虫である。全身のどこにでもとりつき、体表に付着した姿は鱗の一枚のように見える。 自由に游泳することができるため、時折り宿主を離れて泳ぐ。3-5日間は宿主を離れても死ぬことはない。ただし、魚を離れて泳ぎだしたものが魚に食われる例も多いようである。

 産卵時には宿主を離れ、水底の石の表面などに卵を産み付ける。産卵は夜間に行われ、1頭の雌が4日おきに時には10回も産卵する。1回の産卵数は数十から数百で、総計2000を生んだ例もあるという。卵は2-4週で孵化、七齢の幼生期がある。幼生は外見的には成体に似ているが、当初は腹部の附属肢がなく、触角は游泳に適する形をしているので、ノープリウスに近い体制と言える。

 養魚家の最も嫌うものの1つ。チョウの駆除にはディプテレックスが有効。少数の場合には目につきにくいので、いつの間にか大繁殖している場合がある。体液を吸われて魚が衰弱するだけでなく、体表に傷を付けられることからミズカビ類の侵入を引き起こしやすいと言われる。


参考HP Wikipedia:ダイオウゾクムシ チョウ(甲殻類)


甲殻類学―エビ・カニとその仲間の世界
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