海は最後のフロンティア
 最近は民間でも宇宙船をつくったり、宇宙旅行を計画する会社があり、少し値段は高くなるが人々に夢や希望、可能性を与えている。地球の環境とまったく違う環境に出かけていくのは、楽しい。常識の通用しない謎だらけの世界だからだ。そこでどうするか知恵を働かせるのが面白いと思う。

 宇宙とは違うが、もう一つのフロンティア海はどうだろう?先日、深海で生きたダイオウイカに世界で初めて遭遇した、国立科学博物館の窪寺恒己博士の番組を見たが、あの時の潜水艇はかっこよかった。通常の潜水艇は数十センチの小さな窓から、漆黒の深海を観察するのだが、この潜水艇の窓は視界300度。材料は10cmの厚さのアクリル樹脂でできている。これなら深海を思う存分観察できる。

 海は地球に残された最後のフロンティアともいう。最新鋭の潜水艇で広大な海洋を探検する…考えただけでもワクワクする。宇宙旅行ならぬ深海旅行も魅力的なものになるだろう。ジュール・ヴェルヌが1870年に発表した古典的なSF冒険小説「海底二万マイル」は、少年時代の私の愛読書であった。

 今回、世界最大の「世界最大の水中ホテル」の建設がドバイで発表された。水深10mの海中部分には21の客室のほか、ダイヴィング用設備やバーも作られる予定だという。


Water Discus

 名前は「ウォーター・ディスカス(Water Discus:水の円盤)は世界最大の水中ホテルとなる。ポーランドのデザイン会社、Deep Ocean Technology社が設計したもので、ふたつの部分から成り立っている-ひとつは常に地上にあり、もうひとつは約10mの深さまで水中に潜っているという。

 海底には、メタンハイドレート、シェールオイルなどのエネルギー資源や、金や銀、レアメタルなどの鉱物資源も眠っている。こうした資源を将来取り出すには、深海でも快適に過ごす技術が必要となる。「海底ホテル」あまり聞いたこともなかったが、これも人々に夢や希望、可能性を与える技術だ。一度は泊まってみたいものだ。


 世界最大の“水中ホテル” ドバイで壮大な建築へ
 ドバイの魅力のひとつである壮大な建築が、今度は海中で実現することになった。建設が発表された「ウォーター・ディスカス(Water Discus:水の円盤)は世界最大の水中ホテルとなる。

 『スタートレック』の「U.S.S. エンタープライズ」号から取り外されたような円盤と、コーヒーや紅茶を淹れるフレンチプレスの軸を逆さまにしたものにも見える構造を持つこの芸術的な形のホテルは、ポーランドのデザイン会社、Deep Ocean Technology社が設計したもので、ふたつの部分から成り立っている--ひとつは常に地上にあり、もうひとつは約10mの深さまで水中に潜っている。

 ホテルの海中部分には21の客室のほか、ダイヴィング用設備やバーも作られる予定だ。

 「客室のまわりの海を特殊な照明システムで照らし、内部から操作されるミニチュアの水中自動車を使うことで、最も小さい水中生物さえマクロ撮影を利用して見ることができます」

 もちろん、部屋のプライヴァシーは確保できる。「部屋はすべて防音で、カーテンはさまざまな透過性を備えています」

 このプロジェクトでDeep Ocean Technology社と提携しているスイスの企業、BIG InvestConsult社のボグダン・ガトコヴスキー(Bogdan Gutkowski)社長は、建築関連ニュースサイト「World Architecture News」に対して、ウォーター・ディスカスは観光の中心地としてだけでなく、環境を意識した研究センターとしても機能すると話している。(Wired 2013.1.30)

 海底で快適に過ごすホテル、世界にはどのくらいあるのだろうか?調べてみると、驚いたことに海中ホテルは、世界にいくつか存在する。


 Jules Undersea Lodge(ジュールズ・アンダーシー・ロッジ)
 ジュールズ・アンダーシー・ロッジは、世界初の海中ホテルです。映画にもなった有名な小説「海底二万哩」の作者、ジュール・ヴェルヌにちなんで命名されたこのホテルは、もともとは1970年代に画期的な水中研究所としてプエルトリコ沖に建てられたもの。その後、フロリダのキーラーゴに移転し、1986年に一般向けにホテルとしてオープンした。

 ユニークなコンセプトのJules’ Undersea Lodgeは、エコツーリズム・ブームが始まった最近まで、世界で唯一の海中ホテルでした。エアロスミスのスティーブ・タイラー、アメリカのバンドPhish(フィッシュ)のメンバーだったジョン・フィッシュマン、カナダのピエール・トルドー元首相など、著名人も多く宿泊している。

 ホテルの入り口は、水深21フィート(およそ6.4メートル)のところにあるため、ジュールズ・アンダーシー・ロッジに泊まるには、どうしても海中に潜る必要がある。ダイビングのライセンスがない宿泊希望者は、最初に3時間ほどの基本ダイビングコースが義務付けられている。ダイビング愛好家にとっては、アンダーシー・パークは、まさにパラダイス。ジュールズ・アンダーシー・ロッジでは、基本ダイビングコースのほか、ライセンスが取得できるコースや、ダイビングツアーなども用意されている。

 海に潜り、ホテル入り口までたどり着いたら、ウェットルームと呼ばれる部屋で、ウェットスーツやダイビング機材から解放される。そこから先はあらゆる設備がそろった快適なホテルライフがお待ちかね。42インチの円形窓から海中の景色を堪能でき、色とりどりの魚にきっと目が釘付けになる。エアコン、熱いお湯の出るシャワー、ステレオ、DVDプレイヤーなど、滞在に必要と思われるものは完備されている。

 もちろん、十分な酸素もあるので、ご心配なく。ロマンチックな二人だけの世界に浸りたいという方、人とは違った特別な体験をしてみたいという方には、強くおすすめできるホテル。一度この海中ホテルにチェックインしたら、食事などのためにホテルから外出、つまり海中へ出て行く必要はありません。ディナーおよび朝食は、世界で唯一の海中ホテル専任シェフにより調理され、ディナーは午後6時、朝食は午前8時にホテルまでルームサービスされる。好奇心と冒険心をくすぐるこのホテル、一度泊まってみる価値はありそう。またユニークな結婚式やハネムーンを検討中のカップルのために、ウェディングパッケージもあり!


 Hydropolis(ハイドロポリス)
 現在建設中のホテルの筆頭に挙げられるのが、クレッセント・ハイドロポリス・ドバイ。最近のドバイといえば、斬新な建物が次々に建てられていることで知られている。建築家が抱く夢の集大成のようなこのホテル、そのスケールは全てにおいて壮大だ。総工費5億5千ドルをかけて建設中のこの贅を尽くしたホテルが建つ場所は、水深66フィート(約20メートル)のペルシャ湾海底。

 完成のあかつきには、ロンドンのハイドパークに匹敵する総面積27エーカーの水の中の巨大都市国家=ハイドロポリスが出現する。ホテルのフロントとなる海上に浮かぶランド・ステーションとクラゲをイメージしてデザインされた海底ホテルは、何と1,700フィート(約520メートル)の透明な海中トンネルで結ばれ、音がほとんどしない特別仕様の電車で移動するというのだ!全220室の客室は全てスイートで、海の泡がコンセプトのデザイン。海中生活の気分が十分盛り上がるように、ベッドルームとバスタブの壁は、透明なガラス張りになっている。

 水中には映画館やショッピングモールなど娯楽施設もあるようだ。ホテルの格付けは10スターになるとも言われるハイドロポリス。完成が待ち遠しい。それまで待てないという方、ドバイには他にもたくさんのゴージャスでユニークなホテルがある。まずはそちらを試してみてはいかが?


 Poseidon Undersea Resort(ポセイドン・アンダーシー・リゾート)
 2009年開業されたホテルが、フィジーのポセイドン・アンダー・シーリゾート。水深40フィート(約12メートル)のところに5スター・リゾート、ポセイドンはアメリカ人の潜水艦技師、ブルース・ジョーンズ氏の発案。ジョーンズ氏は、「海底二万哩」で知られるジュール・ヴェルヌの小説や、半漁人をテーマにしたロシア映画「両棲人間(The Amphibia Man)」の世界に憧れ、強い影響を受けたと述べている。

 ゲストは、トリトンと呼ばれる小型潜水艦で、ラグーンを探検することができる。もう少し深い海の世界を見てみたいという方には、16人乗りの豪華潜水艦のツアーがおすすめ。このリゾートのためだけに造られた人工のポセイドン・ミステリー・アイランドでは、様々なアクティビティも楽しめる。この豪華リゾート、既に550平方フィート(約51平方メートル)のスタンダード・スイートで、一泊約1,500ドルという料金の目安が出ている。宝くじに当たった運のいい方や、セレブのあなたなら、300万ドルで、ポセイドン・ミステリー・アイランドを丸ごと貸し切るという手も!?

 透明なアクリルで囲まれたカプセルのような客室の眼前には、青い幻想的な世界が広がる。魚の餌付けができる装置もあるそうだ。プライバシーの心配もご無用。特殊フィルムを使っているので、外から内部は見えない。ゆったりと寛げる。セイフティードームの設置、ダイバーによる救助など、いざという時の安全対策も整っている。万が一の場合には、特定の客室を切り離して、海面に浮かせることができる設計になっている。

 アクリルの厚みは10センチ、割れる心配はないだろう。内部の気圧は1気圧に保たれており、安全面の配慮は万全だ。客室のほか、レストラン、バー、図書館、会議室、結婚式場、浴場などの施設も備わっている。宿泊料は、1週間の滞在で1人あたり1万5000ドル(約120万円)から。


参考HP ロケットニュース24:こんなところに泊まりたい!世界のおもしろホテル10 WIRED:世界最大の水中ホテル、ドバイで最大の建設へ ホテルクラブ 旅行ブログ:水中にあるトップホテル トップ5

海底二万里(上) (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社
Marine Photo (マリンフォト) 2009年 06月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
水中造形センター

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