インフルエンザ治療薬
 今年は「A香港」のインフルエンザが流行しているという。インフルエンザ治療薬というと、タミフルとリレンザに加え、昨シーズンにラピアクタ、今シーズンにイナビルが承認され、4種類になった。いずれもインフルエンザウイルスの表面にあるタンパク質、ノイラミニダーゼの働きを阻害しウイルスの増殖を抑えるはたらきがある。

 最も使われているタミフルは主にカプセル剤、リレンザとイナビルは吸入剤。ラピアクタは点滴薬で、薬を飲んだり吸ったりするのが困難な場合でも使える。タミフルはリレンザより耐性ウイルスができやすいとの研究結果もある。

 こうした薬品は副作用も心配されている。厚生労働省は、2009~2012年に抗インフルエンザ薬の「リレンザ」を吸入した患者3人が、副作用とみられるアレルギー性ショックを起こし、うち1人が死亡していたと発表した。リレンザは年間推計170万人が使用している。同省は、薬の使用上の注意書きに、重大な副作用として「ショック」を加えるよう指導した。(毎日新聞 2013年02月28日) 

 今回、魚油などに含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)由来の脂質酸代謝物プロテクチンD1(PD1)が、インフルエンザウイルスの増殖を抑制することをマウス実験で解明したことを、秋田大大学と大阪大、東大の研究チームが発表した。重症化したインフルに有効な治療薬の開発につながる可能性がある。

 意外なところにインフルエンザ治療薬の可能性が出てきた。DHA由来ならば、副作用も心配せず、むしろ体にもよさそうである。多数の脂質代謝物の中からインフルウイルスの増殖を抑える物質を特定し、PD1は従来の薬とは異なるメカニズムで増殖を抑えることも確認した


 インフルエンザの抑制物質を発見
 魚の油に含まれる脂肪酸DHAに由来する物質がインフルエンザウイルスの増殖を抑えるとともに、症状が悪化したときの治療にも効果があると秋田大学などの研究グループが発表し、グループでは「重症のインフルエンザの治療薬の開発などが期待できる」としている。

 この研究は、秋田大学大学院医学系研究科の今井由美子教授を中心とする研究グループが行ったもので、アメリカの科学雑誌「セル」の電子版に発表した。

 それによると、インフルエンザが重症化する過程を調べたところ、魚の油に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)が化学変化した「プロテクチンD1(PD1)」という物質が、インフルエンザウイルスの増殖を抑えることが分かったという。

 さらに、重症のインフルエンザのマウスにこの物質と従来の抗ウイルス薬を投与したところ、感染後48時間を過ぎても、PD1を既存薬(ペラミビル)と併用すれば生存率100%になった。ペラミビルだけ投与したマウスの生存率は約25%だった。

 インフルエンザは重症化するとタミフルなどの抗ウイルス薬が効きにくくなり、有効な治療方法の開発が課題になっていた。 今井教授は「課題となっている重症のインフルエンザの治療薬の開発などが期待できる」と話している。(NHKnews 2013年3月8日)


 DHAとは何か?
 ドコサヘキサエン酸(ドコサヘキサエンさん、Docosahexaenoic acid、略称 DHA )は、不飽和脂肪酸のひとつ。6つの二重結合を含む22個の炭素鎖をもつカルボン酸 (22:6) の総称であるが、通常は生体にとって重要な 4, 7, 10, 13, 16, 19 位に全てシス型の二重結合をもつ、ω-3脂肪酸に分類される化合物を指す。

 魚油に多く含まれ、日本人は魚類を食べることによって多く摂取していたが近年は減少している。 ヒトでは、体内で合成できないα-リノレン酸から体内でDHAを合成するため、広義では必須脂肪酸となる。健康増進効果があるとされ、EPAと同様にサプリメントや食品添加物として利用されている。

 DHAの摂取は血中の中性脂肪(トリグリセライド)量を減少させ、心臓病の危険を低減する。また、DHAが不足すると脳内セロトニンの量が減少し、多動性障害を引き起こすという報告がある。アルツハイマー型痴呆、やうつ病などの疾病に対してもDHAの摂取は有効であるといわれている。一方で、DHA投与がアルツハイマー病の症状を改善しなかったとの報告や悪玉コレステロールのLDLを大幅に上昇させることがわかっている。

 うつ病が20世紀になって増加しているがω-6脂肪酸を多く含む植物油の摂取が増加したことと軌を一にする。うつ病患者においてはω-6脂肪酸からアラキドン酸を経て生成される炎症性の生理活性物質であるエイコサノイドのレベルが高いということが示されている。

 シーフードをたくさん摂取するところほど母乳内のDHAは高く、産後うつ病の有病率は低かった。母体から胎児への転送により、妊娠・出産期には母親には無視できないω-3脂肪酸の枯渇の危険性が高まり、その結果として産後のうつ病の危険性に関与する可能性がある。健常者と比較してうつ病患者はω-3脂肪酸の蓄積量が有意に低くω-6とω-3の比率は有意に高かったことが指摘されている。

 DHAの効能・効果としては、血液中の中性脂肪値やコレステロール値を低下させる働きがあることから、血液の流れを良くし血栓の予防や解消に役立つといったことが先ず挙げられる。この血液をサラサラにし血流を良好にするということは、高血圧や動脈硬化などの予防・改善になり、それが心筋梗塞や脳卒中などの危険な生活習慣病の予防に繋がる。

 また、DHAは脳の機能にとっても重要な役割りを果たしており、記憶力の低下や認知症の原因にも関係している。また、眼の機能にも大きく影響を与えている。

 DHA(ドコサヘキサエン酸)は、同じ不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)と共に、マグロ・ブリ・サンマ・イワシなどといった青魚に共通して多く含まれる栄養素で、血液をサラサラにして流れやすくし、血管が詰まりにくくなるといった効能がある。

 DHAの1日の摂取量として、推奨されている量は、「日本DHA食品普及・認定協会」で公表されている数値を参照すると、健康な人の場合、心血管疾患を予防するには、1日1000から1500mgの摂取で効果が期待できる。また、脳神経系や視覚系の機能を維持・向上させる場合は、1日1000から1500mgが必要となっている。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:ドコサヘキサエン酸(DHA)


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