3月13日発生「煙霧」とは何か?
 急に暖かくなった。冬が突然終わったような印象だ。ストーブには灯油がまだ大量に残っている。

 3月13日、関東地方は朝から風が強まり、地表にある砂やちりが巻き上げられる「風じん」と呼ばれる現象が観測され、見通しの悪い状態が続いた。

 気象台によると成田空港では、朝から南西の強い風が吹き、午前8時すぎから、風じんが観測された。昼すぎにかけて風じんの高さは、100メートル以上になり、視界が2km前後と見通しの悪い状態「煙霧」が続いた。

 「煙霧」は、今月10日に東京の都心などでも観測され、空が暗くなった。風じんと煙霧の違いは何だろう?

 気象庁天気相談所によると、風じんは、地表のちりや砂が巻き上げられている場所で視界が悪くなる現象で、煙霧は巻き上げられたちりや砂が空気中にただよって視界が悪くなる現象だという。この視界が1km未満だと煙霧、1km以下になったものは砂塵あらしと呼ぶ。

 最近では、中国からの微小粒子状物質「PM2.5」や「黄砂」の飛来も観測され、空気の悪い状態が社会問題となっているが、この日の関東は、南西の風だったのでPM2.5や黄砂の影響は少なかったようだ。

 今年はさらに花粉も多いというから、もう何が飛んでいるのか分からず。調子が悪いとすぐマスクをするようにしている。今日は風じん、煙霧などについて調べてみた。


 東京都心もう「夏日」、午後に「煙霧」記録
 3月10日、東京都内は強風 強風により見通しが悪くなった。

 南から暖かい空気が流れ込んだ影響で関東地方などでは、朝から各地で気温が上昇。東京都心で最高気温が25.3度となり、1876年の観測開始以来最も早い夏日となった。午後には一転、強い北風が吹き、空気中のほこりで視界が10キロ未満となる「煙霧」が発生した。

 気象庁によると、都心の気温は6月上旬並みとなった。3月に夏日となったのは1941年、1997年に続き3度目。東京都心などで発生した煙霧は、寒冷前線が南下した影響で北風が地表のほこりを巻き上げたのが原因とみられる。(産経news 2013.3.10)


 西日本や北陸、東海などでは「黄砂」「PM2.5」観測
 3月9日大阪府では、微小粒子状物質「PM2.5」の1時間、1立方メートル当たりの濃度の最高値が、府内の観測地点41カ所すべてで一時的に環境省が定めた環境基準(1日平均1立方メートル当たり35マイクログラム)を超えたことを明らかにした。

 同府柏原市の府立修徳学院では、午前11時の1時間当たりの濃度が132マイクログラムを記録した。

 一方、気象庁は同日、九州から近畿、北陸、東海などの各地で黄砂を観測したと発表。関東甲信までの広い範囲で飛散が予想されるとして注意を呼び掛けた。

 気象庁によると、長崎市では3月9日午前3時現在、視程(見通しがきく距離)が6キロまで低下。福岡市や大阪市、京都市、名古屋市などでも一時、視程が8キロになった。

 黄砂の粒径は約3~5マイクロメートルで、2.5マイクロメートル以下のPM2.5よりやや大きいが、PM2.5が黄砂に付着して飛来するとの見方もある。(産経news 2013.3.9)


 成田空港で「風じん」・水戸で「煙霧」観測
 成田航空地方気象台によると3月13日は朝から風が強まり、地表にある砂やちりが巻き上げられる「風じん」と呼ばれる現象が観測され、見通しの悪い状態が続いた。この影響で、空港では午後8時現在で54便が行き先を羽田空港など、ほかの空港に変更し、機材繰りの影響などで国内線と国際線合わせて38便が欠航。

 各地で風が強まるなか、茨城県水戸市では、午前10時半ごろから、強風で巻き上げられたちりや砂が、空気中に漂って視界が悪くなる「煙霧」が観測された。水戸市の市街地は、黄色い霧のようなものに包まれ、午後3時には、視界が5キロまで悪化した。

 また茨城県つくば市では、午後3時20分に、27.7メートルの最大瞬間風速が観測された。舞い上がる土ぼこりで、辺りがかすみ、歩く人たちは、ほこりが目に入らないよう手で顔を隠し、自転車に乗った人は、強風でペダルをなかなかこげない様子でした。この強風でけがをした人もいた。(NHKnews 3月13日)


 関東で大騒ぎ「視界不良」の原因は?
 煙霧と黄砂の違いは何だろう?3月10日の日本経済新聞の記事で、気象予報士の伊藤みゆきさんがわかりやすく解説している。以下はその引用である。

 3月10日午後2時前、都心はそれまでの青空が一転、急に見通しが悪くなりました。陽射しが遮られ、それまでも多く飛んでいた花粉以上に目や鼻やのどに違和感を感じた人も多かったようです。その時間帯、twitterやFacebookのタイムラインは「黄砂?空が黄色い!!」「空が濁ってきて、目が痛い」など、盛んにその情景を写した写真とともに埋め尽くされました。

 気象庁の観測では午後1時半から午後3時10分にかけて「煙霧(えんむ)」を観測。肉眼で水平方向に目標物が見える最大距離である視程は、一時2キロメートルまで落ちました。視程は、大気の混濁の度合いを表す尺度の一つですが、例えば、冬の快晴時で東京から富士山が見えるようなときの視程は約100キロメートルほどです。

 この「煙霧」。昨日から今日にかけて、その意味や黄砂との違いについて、気象庁の天気相談所にも問い合わせが相次ぎ、職員の皆さんは休む間もなく対応に当たったそうです。


 「煙霧」は天気の一種
 「煙霧」は天気の一種です。日本の天気は国内用に15種類に分けられていますが、「煙霧」は「晴れ」や「雪」と同様天気を表す言葉なのです。15種類の中には、皆さんがよく聞く「快晴」「晴れ」「霧」といった言葉や、「砂じん嵐」などあまり耳にしない言葉もあります。「煙霧」はその一つで、「晴れ」や「雪」と同様「天気」なんですね。

 煙霧の定義は「肉眼では見えないごく小さい乾いた粒子が大気中に浮遊して視程が10キロ未満の状態」とされています。「ごく小さい乾いた粒子」には、海塩粒子なども含まれるため、強風の海辺で、上空は青空なのに水平方向は白っぽく霞んでいるときも「煙霧」となります。波しぶきが蒸発して塩分が空気中に漂って視界を悪くしているのです。

 煙霧を通すと太陽光は黄色みを帯びたり赤っぽい色に見えたりするため、「黄砂では?」と思われますが、黄砂と煙霧は別のものとして扱われます。明らかに「大陸の黄土地帯などが発生源」と断定されるものが「黄砂」ですが、発生源や浮遊しているものが特定できない場合は「煙霧」になります。「黄砂」は先ほど紹介した15種類の「天気」ではありません。「煙霧」と呼ぶ現象の一部が、その発生源によっては、「黄砂」と呼ばれ、区別されるのです。

 多くの方が知っている黄砂現象は、東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯から、強風により大気中に舞い上がった黄砂粒子が浮遊しつつ降下する現象。今回は、この黄砂予報と同時期に発生した煙霧だったことから多くの方がそれを黄砂だと考えたのだと思いますが、9日から10日にかけて北陸や甲府までで観測された黄砂は、関東までは飛来しませんでした。今回、東京の空を霞めたのは北関東が発生源の土ぼこりとみられています。


 「煙霧」と「黄砂」は別現象
 煙霧は特に珍しい現象ではありません。東京では今年に入って3度目の観測でした。1度目が2月7日の午後1時半から午後4時。午後3時時の視程は8キロでした。次が3月8日の朝5時40分から6時50分。快晴でしたが視程が7キロで空は霞んで見えました。今回は都心の視程も2キロまで落ちるなど大規模だったので大きな話題になりました。東京だけでなく、横浜も1.5キロ、熊谷も3キロまで視程が悪くなりました。

 こうした現象と似たものは、実は、多くの方が体験しているかと思います。それは、学校のグランドなどで起きる「砂塵」。風の強い日の体育や部活動中に、遠くから自分の方へ砂嵐が進んできて、あっという間に肌や目が痛くなったことがあるでしょう。大きな砂などはすぐに落下しますが、小さな粒子がいつまでも空に漂って空が霞む状態が「煙霧」になります。

 春は全国的に空気が乾いて気温も上がってきます。さらに、低気圧が周期的にやってくるため、たびたび強風に見舞われます。このため春は「煙霧」が起こりやすい季節といえます。

 今回大規模になったのは、風が強かったから。関東では3月としては記録的な高温で、東京でも史上最速で夏日になりました。一転、翌朝には2~3度まで気温が下がるなど、大きな空気の入れ替わりがありました。その時にほとんど雨もなく空気が乾いていたため、強風によって広範囲に細かいチリや砂などが舞い上がったのです。

 今回は数時間程度で収まりましたが、煙霧が長期間続くと、日照時間が減少したり、地球の熱を留めてしまう温室効果につながったり、雲の発生にも影響を及ぼすと懸念されています。また黄砂は飛来する間に様々な物質を吸着するとも考えられています。いずれも、日本だけの問題ではないため、国際的に黄砂観測や予測業務の強化や研究開発の連携を図っていくことが議論されています。(日本経済新聞 関東で大騒ぎ「視界不良」


 煙霧(えんむ)とは何か?
 気象現象としての「煙霧」は、以下の現象を包含する総称である。

 風によってちりや砂ぼこりが地面から巻き上げられる現象(風じん) 特に激しいものを砂じんあらし(日本では視程1km以下の場合と定義されている)と呼び、気象観測では風じんと区別する。

 風で巻き上げられたちりや砂ぼこりが、風が止んでからも浮遊する現象(ちり煙霧) 特に日本では、中国・モンゴル等の乾燥地帯由来のちりや砂ぼこりが飛来するものを黄砂と呼び、気象観測でもちり煙霧と区別することがある。

 ちりや砂以外でも原因となる物質がある。山火事、火災、工場排気、自動車排気などから出た燃焼物由来の微粒子が浮遊する現象(煙、ばい煙)、物の破砕や産業活動等によって主に人工的に生じる微粒子(粉じん、粉粒体)が浮遊している状態、工場排気、自動車排気等に含まれる気体成分が大気中で変質した固体の微粒子が浮遊している状態、火山から噴出した火山灰が降下する現象(降灰)、海塩粒子等の自然由来の微粒子が浮遊している状態・・・などである。

 観測者の周りの大気が上記のような状態であるときの天気を煙霧という。なお、浮遊している微粒子が主に固体である場合に限られ、主に液体である場合はもやや霧として区別する。

 気象観測や天気予報においては、以下の定義がある。なお、煙霧単独の場合であり、霧、雨、雪、雷などがある場合にはそちらが優先されて煙霧としては記録されない。(Wikipedia)


 風塵(ふうじん)とは何か?
 風塵(ふうじん)とは、強い風によって地表面にあるちり・ほこりや砂などが空気中に舞い上がり、視程(見通し)が一時的に遮られる現象である。風塵の中でも、砂の割合が高いと思われる場合には砂塵(さじん)と呼ぶ。

 風が吹いたり、舗装されていない道路を自動車や人が走ったりすることによって、ほこりや砂が舞い上がることは、日常でも良く見られる。このようなことが1か所で起こった場合は、拡散や沈降(落下)によってすぐにほこりや砂が薄まり、視程が低下するほどにはならない。しかし、多数の場所で次々とほこりや砂が舞い上がり続けると、拡散や沈降の効果が小さくなり、空気中にほこりや砂が滞留し始める。すると視程が悪くなってくる。

 一年中乾燥した地域、乾季の地域、少雨の地域など、雨が少なく、かつ地中の水分も少ないと、風塵が発生しやすくなり、規模も大きくなる。砂漠や乾燥地域では、強い風が吹くと大量の砂が舞い上がり、濃度の高い風塵が発生する。特に風が強いときには砂嵐となり、砂自体が人や動物、建物や作物などに被害を与えることがある。

 小規模な風塵であっても、体質などによっては健康に支障をきたすことがある。風塵の濃度が急激に増えた場合も同様である。風が吹いたり、雨が降ったりすると、風塵は収まる。しかし、花粉と同じように、地面の雨が乾き始めると、雨によって地表に積もったほこりや砂が自動車などによって再び舞い上がり始め、急に風塵の濃度が上がる。

 風塵が空中に長く滞留すると、大気中の汚染物質を吸着することがある。風塵が工業地域などを通ると多くの汚染物質を吸着する。


 砂塵(さじん)とは何か?
 砂嵐(sandstorm)または砂塵嵐(さじんあらし、duststorm)とは、塵や砂が強風により激しく吹き上げられ、上空高くに舞い上がる気象現象。空中の砂塵により、見通し(視程)が著しく低下する。砂漠などの乾燥地域において発生する。

 日本では、「塵または砂」が強風により空中高く舞い上がっていて、視程1キロメートル(km)未満のときに天気を「砂じんあらし」とする。

 北アメリカのグレートプレーンズ、アラビア半島、ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、サハラ砂漠などにおけるものが有名である。地表の乾燥した地域では珍しい現象ではなく、砂嵐の多い地域では、1日に数回も発生したり、1回の砂嵐が数日間続くといった例もある。一般的に砂漠と呼ばれる地域ではほぼ例外なく砂嵐が発生しうるが、地表面の状態によっては発生しにくい砂漠もある。

 例えば、地表のほとんどが岩石で覆われていて砂塵の少ない岩石砂漠地帯では、強風が吹いても砂嵐は発生しにくい。また同様に、土砂漠やサバンナなどで、雨期に入って湿ったり、植生に覆われたりして、土壌が固定されると砂嵐は発生しにくくなる。このような性質から、多くの地域では砂嵐に季節性があり、乾期の特に風の強い時期に、砂嵐が最も多く、激しくなる。

 砂嵐の原因には大きく2つある。1つは既に述べた地表面の状態であり、乾燥しているほど、土壌粒子が細かいほど、土壌が柔らかく移動性の砂塵層が厚いほど、砂嵐は発生しやすい。もう1つは天候の状態である。ある程度の広範囲で一定以上の風速を持つ強風が吹くと、砂嵐が発生する。地形の影響で差があるが、多くの乾燥地域では、風速約10m/s以上の風が吹き続ける天候下では砂嵐が発生しやすいとされている。一般的に、低気圧の接近や寒冷前線の通過による強風が、砂嵐を発生させることが多い。また、大気が不安定な状況下で局地的に突風が吹いて、砂嵐を発生させることもある。

 発生点から砂嵐の発生を見た場合、地表付近からにわかに砂が舞い上がり始めて濃度が増していく様子が観察される。一方、少し離れた地点からやってくる砂嵐を見た場合、砂嵐の塊、いわゆる「砂の壁」が迫ってくる様子が観察される。弱い砂嵐は地表から上空数十m程度までしか砂塵が舞い上がらないが、強い砂嵐の場合は上空2,000~5,000m程度まで達する。ただし、粒子が大きいものは高く上がらないので、濃い砂嵐は大体高さ数百m程度になるのが普通である。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:煙霧 砂塵あらし 日本経済新聞:関東で大騒ぎ「視界不良」


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