黄金の国ジパングの理由
 イタリアのマルコ・ポーロが「東方見聞録」の中で「ジパングは、中国の東の海上に浮かぶ独立した島国である。莫大な金を産出し、宮殿や民家は黄金でできているなど、財宝に溢れている。」と記された日本。

 かつての日本では、比較的多く金が産出した。しかし、江戸時代前期、すなわち寛永年間以降は国産の金山は徐々に衰え始めた。現在では、辛うじて1985年(昭和60年)から菱刈鉱山が採掘される程度である。一方、現在海底の熱水鉱床には大量の金鉱床が確認されており、将来的に期待されている。このような金鉱床はどのようにできるのであろうか?

 金は鉱物の一つであり、火成岩中にも極微量に含まれる。金は地球全体の地殻内に広く分布して存在しており、存在比は0.003 g/1000 kg程度 (0.003 ppm) である。このような微量な金が集まり、金鉱床に成長するためには外部からの強い力が必要である。

 熱水鉱床は変成岩と火成岩のなかに生成する。常温では金は水に溶けないのだが、地下のマグマの熱と強い圧力のもと、300℃以上に熱せられた地中深くの熱水により、鉱物から溶かし出される。熱水は地表に向けて上昇しながら、圧力や温度の低下により沸騰し、また、化学反応を起こし、200~250℃で金や銀を石英と共に吐き出す。

 これが地層の割れ目にたまったり、鉱物にしみ込んだりして、海底に噴き出してくる。このようにしてできた岩石の金の含有量は普通の岩石の数千倍以上になっている。こうしてできた金鉱石が浸食されて砂金になったり、堆積した地層も見られることがある。

 今回、こうした金鉱床ができるのに、地震がもたらす急激な圧力変化によって、金鉱脈が地下で瞬間的に形成されている可能性があるという研究が『Nature Geoscience』で発表された。


 地震国「日本」がかつて黄金の国と呼ばれたのは、こうした地震などの地殻変動による圧力変化で造られた「金鉱床」によるものなのかもしれない。


 地震で「一瞬のうちに」金鉱床が形成か
 地震がもたらす急激な圧力変化によって、金鉱脈が地下で瞬間的に形成されている可能性があるという研究が『Nature Geoscience』で発表された。

 地震がもたらす圧力変化によって、金鉱床がほぼ瞬時に形成されている可能性のあることが研究によって明らかになった。

 『Nature Geoscience』に掲載された論文によると、この現象は断層ジョグという場所で生じる。断層ジョグとは、地震の主断層線をつなぐ裂け目(岩石にできた洞穴)のことだ。この洞穴は液体で満たされており、圧力は約290メガパスカルにもなる(比較すると、海面気圧は0.1メガパスカルだ)。

 地震が起きると、ジョグの洞穴が広がり、急速かつ大幅な圧力の低下が生じる。すると洞穴内にある液体が、ほぼ瞬時に気化する。その結果、過飽和溶液中に残されたシリカおよび金などの微量元素が結晶化して、小さな金鉱脈を形成するという。

 「ひとつの断層系につき、年間に数千~数十万回の小さな地震が発生する(可能性がある)」と、オーストラリア、クイーンズランド大学の地震学者であるディオン・ウェザリーは『Nature』の記事で述べている。「数十万年の間には、非常に多量の金が沈殿することもありうる。ちりが積もって山となるのだ」。

 この研究は、経済的に価値のある金鉱脈のありかを探ることにつながるだけではない。ウェザリー氏らの研究では、系内の流体圧がどれだけ速やかに正常に戻るかということにも注目している。このデータは、地震発生後に地面がどのように動くのかをモデリングするうえでも役立つ可能性がある。

研究では、100トンの金鉱脈鉱床が形成されるのには10万年ほどかかると推定されている。世界の既存の金の大部分は、30億年程前の造山運動が活発だった地質年代に形成された、石英鉱脈中から産出されているという。(WIRED 2013.3.21)


 金とは何か?
 金とは?  金(gold)は原子番号79の元素。元素記号は Au。第11族元素に属する金属元素貴金属の一種であり、単体の金属として古くから知られてきた。元素記号は Au であり、これはラテン語で金を意味する aurum に由来する。 柔らかく、可鍛性があり、重く、光沢のある黄色(金色)をしており、展性と延性に富み、非常に薄くのばすことができる。

 展性・延性に優れ、最も薄くのばすことができる金属であり、1 gあれば数平方メートルまでのばすことができ、長さでは3000 mまで伸ばすことができる。平面状に伸ばしたものを「金箔」(きんぱく)、糸状に伸ばしたものを「金糸」と呼ぶ。 金は、主に自然金(native gold、金の単体)として得られることがほとんどである。また金は、火成岩中にも極微量に含まれる。通常、石英、炭酸塩、まれに硫化物の鉱脈(英:vein)の中に自然金として存在する。

 硫化物では黄鉄鉱、黄銅鉱、方鉛鉱、閃亜鉛鉱、硫砒鉄鉱、輝安鉱、磁硫鉄鉱などの鉱床に含まれていることが多い。金は鉱化流体として存在していることが多く、間隙の多い岩体を金を含む熱水が通過した場合は鉱染状に金が産出する。この場合、鉱石単位量当たりの金含有量は少ないものの、総量が多くなることがある。

 このように貴重な金属である金であるが、金に代表される貴金属は、およそ39億年前に地球へ襲来した大量の隕石群がもたらした可能性がある。今回、地球最初期の岩石層を分析したところ、隕石群の衝突によって地球の化学組成が変化した証拠が初めて確認された。


 マグマの塊に溶け込んだ初期の金
 地球のマントルと地殻に貴金属が存在する事実を科学的に説明することは、実はそれほど容易ではない。貴金属は地球の核を構成する鉄と結び付きやすい性質を持っているからだ。

 およそ45億年前、誕生した直後の地球はマグマの塊であった。冷えるにつれて、密度の高い物質が中心に向かって沈み込んで行き、最終的には鉄を主成分とする核が形成された。この過程で、原始地球のマグマに含まれていた親鉄元素(鉄との親和性が高い元素)も核へと移動したはずである。

 実際、初期の地球とほぼ同一組成と考えられる隕石を分析した結果、現在の地球の核には相当量の金が含まれていると推定されている。仮に地球表面を覆うと、厚さは4メートルにも達するという。

 研究に参加したイギリス、ブリストル大学のマシアス・ウィルボールド(Matthias Willbold)氏は、「親鉄元素はすべて核に取り込まれたはずだ。しかし、現在の地球表面付近には金などの貴金属が存在する」と話す。その由来として今回指摘されたのが、地球形成から約6億5000万年後に襲来した大量の隕石群である。


 およそ39億年前に襲来した大量の隕石群
 この仮説を実証するため、ウィルボールド氏の研究チームは、グリーンランドのイスア緑色岩帯で採取された岩石試料の分析を行った。同地域の岩石は38億年前の海底に噴出した溶岩と堆積岩からなり、隕石群の襲来時期に近い。ただし、同氏によると、元になったマントルは約45億年前の地球形成時まで遡るという。

 したがって、隕石の影響を受ける前の化学的な特徴が残っているはずだ。研究チームは、イスア緑色岩帯の岩石と比較的年代が新しい岩石とを比較し、タングステンの同位体比に違いがあることを突き止めた。

 一般に形成年代が比較的新しい岩石にはタングステン184が多く含まれる。一方、イスアの試料ではタングステン182の含有率が高かった。182は、太陽系誕生から約5000万年後までのわずかな期間に生成されている。「タングステンの同位体比が変則的なのはイスアの岩石だけだ。

 隕石群によって地球表面の組成が変化した証拠と考えている」。  隕石の襲来が地球にもたらした物質の量は、現在のマントル内物質の約0.5%に相当すると推測されている。質量にすると約2000京トン(2000兆トンの1万倍)に達し、無視できる数字ではない。この研究結果は「Nature」誌2011年9月8日号に掲載されている。(National Geographic news 2011年9月8日)


参考HP Wikipedia: アイラブサイエンス:「金」は宇宙からの贈り物?地球本来の金は地下深く眠っている!


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