乳酸菌のさまざまな健康効果
 ヨーグルトを食べると少し酸っぱくて、さわやかな感じがする。乳酸菌は、腸内環境を良くするだけでなく、体調も良くなるので毎日欠かさずに食べている。

 最近では花粉症や糖尿病、心不全、緑内障、ガンなどに対する健康効果に加えて、記憶力や集中力に対する効果も確認されている。先日はカルピスが乳酸菌飲料(殺菌済み)の飲用でヒトの記憶力や集中力などが改善されることを発表している。

 2012年3月25日、明治は自社保有の乳酸菌「L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)」が、ストレスを軽減すること、また免疫の低下を抑えることを、動物試験および臨床試験で明らかにしたことを発表した。

 ストレスや激しい運動、不規則な生活による疲労などは免疫を低下させ、それによりインフルエンザなどの感染症にかかるリスクが高くなると考えられている。乳酸菌がストレスを緩和し、免疫力も高めてくれるなら「鬼に金棒」だ。

 今回、明治の研究チームは、免疫の低下を反映する2つのモデルとして「ストレスをかけた動物試験」と「激しい運動を行った臨床試験」を実施し、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)の免疫活性に及ぼす影響について検討を行った。その結果、L.ガセリ乳酸菌が、ストレスを軽減すること、および免疫の低下を抑えることが明らかになったとしている。
 同成果の詳細は同日開催された「日本農芸化学会2013年度大会」にて発表された。(マイナビニュース 2013/03/25)


 次に、明治のホームページから、プレスリリースの記事を引用・掲載する。


 L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)のストレス軽減 および免疫活効果
 株式会社 明治は、会社の保有するL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が、ストレスを軽減すること、また免疫の低下を抑えることを、動物試験および臨床試験で明らかにし、2013年3月25日の「日本農芸化学会2013年度大会」で発表しました。

 ストレスや激しい運動、不規則な生活は免疫を低下させ、インフルエンザや風邪などの感染症のリスクを高めます。今回は、免疫の低下を反映する2つのモデル、すなわち、ストレスをかけた動物試験と、激しい運動を行った臨床試験を実施し、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)の免疫活性に及ぼす影響について検討しました。

 研究1:ストレスによる免疫低下に及ぼす影響 ラットに水またはL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を14日間与えました。最後の5日間、ケージの底面から1.5cmの高さまで水を張り、ラットに浸水ストレスをかけました。

 その結果、水を与えたラットでは、浸水ストレスによりストレスホルモンである血中コルチコステロンが増加し、免疫機能の一つである脾臓のNK活性が有意に低下しました。一方、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を与えたラットでは、血中コルチコステロンの増加はゆるやかになり、脾臓のNK活性の低下が抑えられました。

 研究2:激しい運動による免疫低下に及ぼす影響 日常的に運動を行っている大学生を対象に、無作為化プラセボ対照二重盲検試験を行いました。各被験者には乳酸菌を含まない偽薬(プラセボ)または100mgのL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を含有する錠剤を4週間摂取しました。4週間の摂取前後で、それぞれ1時間のエルゴメーターによる激しい運動を行いました。

 その結果、摂取前の検査では、プラセボ群・乳酸菌群ともに激しい運動により血中のNK活性が低下しましたが、摂取後の検査ではプラセボ群のみ運動によりNK活性が有意に低下し、乳酸菌群では運動後のNK活性の低下が見られませんでした。

 これらの結果により、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が、ストレスを軽減すること、および免疫の低下を抑えることが明らかになりました。(明治プレスリリース)


 乳酸菌飲料で記憶・集中力が改善!?
 カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区)の発酵応用研究所は、自社保有の乳酸菌「ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)」で発酵させて作った乳酸菌飲料(殺菌済み)の飲用で、ヒトの記憶力や集中力などが改善されることを、中部大学応用生物学部の横越英彦教授との共同研究で確認したと発表した。

 この効果は2012年10月に、マウスの実験でこれらの効果を確かめていたことを発表していたが、今回はヒトでの効果を確かめた。研究結果は12月2-6日に米国・ハワイ州で開かれた国際機能性食品学会(ISNFF 2012)で発表した。

 同研究所は、もの忘れを自覚する45歳から70歳までの男女20人(平均年齢50.9歳)に、ラクトバチルス・ヘルベティカスで作った乳酸菌飲料200ミリリットルを1日1回朝食前に飲んでもらい、8週間後に「アーバンス神経心理テスト」を用いて、「即時記憶」「空間認知」「言語」「集中力」「短期記憶」について評価した。

 その結果、飲用前と比べて総合点と言語、集中力、短期記憶で改善効果がみられた。とくに言語では「意味流ちょう性」(野菜や動物の名前をできるだけ挙げさせる)の項目、集中力では「数唱」(読み上げた数字〈1・5・3・4・8など〉を覚えて答えさせる)と「符号」(図形の下の空欄に90秒間内で、対応する数字を記載させる)の各項目、短期記憶では「図形再生」(約20分前に模写してもらった図形を思い出して描かせる)の項目が有意に改善されることが分かったという。(サイエンスポータル 2012/12/14)

 乳酸菌Lactobacillus helveticus(ラクトバチルス・ヘルベティカス)は、ラクトバチルス属の乳酸菌の一種で、チーズなどの発酵に用いられるたんぱく質分解能力の高い乳酸菌。今回使用したのは、「カルピス菌」(乳酸菌飲料「カルピス」を製造するときに用いる菌で、乳酸菌や酵母などの集合体)を構成する主要な乳酸菌である。


 そもそも乳酸菌とは?
 乳酸菌は、ブドウ糖や乳糖を分解して乳酸を作り出す細菌(微生物)の総称で、私たち人間にとって、有益な菌のひとつ。乳酸菌には実にさまざまな種類があるが、そのうちの一部は、腸をはじめとする消化管に留まるなどして、私たちの健康を守っている。そんな乳酸菌は、ヨーグルトやチーズ、味噌やしょうゆ、漬け物といった、古くから伝わる発酵食品を作るために欠かせない存在で、乳酸菌と人間の健康・生活は、大昔から深く結びついている。

 乳酸菌は、さまざまな発酵食品の製造に用いられてきた。主なものとしては、ヨーグルトや乳酸飲料などの発酵乳製品、キムチや浅漬け、ピクルス、ザワークラウトなどの発酵植物製品、鮒寿司などのなれ寿司などが挙げられる。乳酸菌による発酵は、これらの食品に酸味を主体とした味や香りの変化を与えるとともに、乳酸によって食品のpHが酸性側に偏ることで、腐敗や食中毒の原因になる他の微生物の繁殖を抑えて食品の長期保存を可能にしている。

 また、乳酸菌は発酵の際、ビタミンCも生成し、発酵前の生乳等のビタミンCよりも濃度が高くなる。牛乳にはビタミンCがほとんど含まれていない。その理由は、子牛が自らビタミンCを合成できるので牛乳から摂取する必要がないためである。牛乳を発酵して作ったヨーグルトでは若干ながらビタミンCが含まれている。

 植物性乳酸菌は、野菜や豆、米や麦などの植物素材を発酵させる乳酸菌のことである。漬物(キムチ、ザワークラフトも含む)や味噌、しょう油、さらには酒やなれ寿司などの米の発酵食品まで、さまざまな食品に生育している。

 一方、ヨーグルトのように牛乳などの動物の乳に生育する乳酸菌は動物性乳酸菌と呼び、それぞれ区別している。動物性乳酸菌は、乾燥、熱、酸に弱く、胃酸で死滅するが、植物性乳酸菌は酸に強く、生きたまま腸に届くため現在注目を浴びている。

 植物性乳酸菌は、腸まで届くプロバイオティクス食品であり、腸内生存率が動物性乳酸菌の10倍であると言われている。植物性乳酸菌の効果として,免疫活性作用、発癌物質の排出・分解、便秘・下痢の解消、病原菌感染の予防などが挙げられる。

 L. lactisは、ナイシンとよばれる抗菌ペプチド(バクテリオシン)を生産する。ナイシンは、黄色ブドウ球菌やリステリア菌などの食品腐敗菌に対して高い抗菌活性を持つため、その抗菌作用を期待して食品添加物として世界中で広く用いられている。


参考HP Wikipedia:乳酸菌 株式会社明治:L.ガセリ乳酸菌のストレス軽減効果、免疫活性効果 カルピス:乳酸菌が作るペプチドに記憶力向上効果


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