許せない!ボストンマラソンのテロ事件
 米マサチューセッツ州ボストンで4月15日開催されたボストンマラソンのゴール付近で2回の爆発が起き、同州捜査当局によると8歳の少年を含む3人が死亡し、170人以上が負傷したテロ事件が発生した。地元の病院によると負傷者のうち少なくとも17人が重体。負傷者の中には子どもが8人以上含まれている。捜査状況の説明を受けたテロ専門家は、少なくとも10人が手や脚を切断されたと述べた。

 爆発は、トップランナーのゴールから2時間余りたった現地時間午後2時45分(日本時間16日午前3時45分)ごろ、コプリー広場で発生。2つの爆弾の間は約50~100メートル離れていた。近くにいた人々が吹き飛ばされ、建物の窓ガラスが割れて、周囲は騒然となった。「巨大な大砲のようだった」と話す目撃者もいた。

 オバマ米大統領は声明で犯人への「裁き」を約束し、「ボストンは強い街だ。米国民はあらゆる面でボストン市民を支える」と述べた。

 そのオバマ大統領のもとに4月17日、猛毒「リシン」の付着した郵便物が送り付けられた。リシンは、細胞が生存に必要なタンパク質を作ることを妨げる物質である。それらのタンパク質が作れないと、細胞は死ぬ。それがやがて全身に害を及ぼし、場合によっては死をもたらすという。


 その後19日には、事件捜査の過程で、米政府当局者はチェチェン共和国出身の2人の容疑者を特定。両容疑者は2000年代初期に両親らと一緒に観光客として渡米。一家はその後、亡命を申請した。弟は2012年に米市民権を得たという。兄弟は別々に訪米し、後で合流したとの情報もある。

 友人や知人は兄弟が今回の犯行を起こしたことを信じられないでいる。2人は楽しく、友好的な、物静かな人間だったと評した。だが、イスラム教徒の同容疑者は数年前からより敬虔(けいけん)になり、1日に5回祈りを捧げるようになったという。(CNN news)

 今回のボストンマラソンのテロ事件と「リシン」事件との関係は、まだはっきりわかっていない。猛毒と言われる「リシン」について調べてみた。


 米大統領を狙った猛毒リシンとは
 今月、アメリカのバラク・オバマ大統領(17日)とロジャー・ウィッカー上院議員(16日)に、リシンの付着した郵便物が送り付けられ、リシンという毒物に注目が集まっている。

 その後、米連邦捜査局(FBI)は、ミシシッピ州の男を逮捕したと発表した。 FBIによると、男は同州コリンスのポール・ケビン・カーティス容疑者。予備検査でリシンとの結果が出た物質を含む封書を郵送したと考えられている。

リシンがニュースの見出しになったのは、これが初めてではない。1978年に、ブルガリアからイギリスに亡命したゲオルギー・マルコフ氏がロンドンで暗殺される事件が起こった。このとき犯人はマルコフ氏に近づいてきて、リシン入りの小さな弾丸を発射するよう改造した傘でいきなり突き刺した。

 リシンは天然に存在する毒物で、東アフリカからインドが原産とされるトウゴマ(学名Ricinus communis)の種子に含まれる。トウゴマは別名ヒマ(蓖麻)と呼ばれ、その種子から採った油は「ひまし油(蓖麻子油)」として古くから利用されてきた。

 毒物学のテキスト『キャサレット&ドール・トキシコロジー(Casarett & Doull's Toxicology)』によると、トウゴマの種子は幼児なら5~6粒で死亡することがあるという。成人の致死量は20粒とされているが、有毒のタンパク質は腸でほぼ分解されるため、トウゴマの種を飲み込んだ場合の死亡率は10%に満たない。

 では、今回の郵便物に付着していたような、バイオテロ目的で粉末などに加工したリシンの場合はどうだろうか。米国疾病予防管理センター(CDC)公衆衛生事前準備対応局の副局長で医学主任であるダン・ソーシン(Dan Sosin)博士は、「毒性が強いため、テロで懸念すべき物質の中でも死亡率は高い。しかし、吸入した場合と皮膚に触れた場合のデータは十分ではない」と話す。

 リシン入りの郵便物は、この摂取経路の点で、2001年にアメリカで5人を死亡させた炭疽菌入り郵便物と大きく異なる。「炭疽菌は胞子であり、感染する。トウゴマの種子に含まれる毒物は、炭疽菌ほど容易に体内に取り込まれない」とソーシン博士は指摘する。

 そのため、リシン入りの郵便物が、集配過程で介在する人に及ぼす危険性は低いと考えられると、ソーシン博士は付け加えた。「しかし危険性については現在FBIが調べている。このリシンの純度を検査しているのだ。まだ最終的なことは言えない」。


 リシンについて、米国疾病予防センターから
 リシンの毒性の強さは? 人体はどのように影響を受けるのか?: リシンは、細胞が生存に必要なタンパク質を作ることを妨げる。それらのタンパク質が作れないと、細胞は死ぬ。それがやがて全身に害を及ぼし、場合によっては死をもたらす。リシンを摂取した人が身体に悪影響を被るかどうかは、大半の化学物質の場合と同じく、どの程度の量を摂取したか、どのくらいの時間摂取し続けたか、どのような経路で摂取したか(吸入か、経口か、注射か)により違ってくる。

 リシン中毒の兆候と症状は?: 経口摂取の場合、初期症状は通常6~12時間以内に現れる。たいていは消化器系に影響し、吐き気、嘔吐、腹痛などが起こる。リシン中毒の症状は急速に進行することがあり、深刻な脱水症状や、腎臓、肝臓の障害が生じる。吸入した場合、初期症状は4~6時間という短時間で現れる。しかし深刻な症状は吸入後24時間経過してから現れることもある。この場合、初期症状は呼吸器系に現れる可能性が高く、呼吸困難、息切れ、胸苦しさ、咳などが見られる。リシン中毒で死亡に至るまでの時間は、摂取経路と摂取量により36~72時間である。

 解毒剤は?: 解毒剤は存在しない。そのため、まず第一にリシンを摂取しないようにすることが最も重要となる。

 リシンで死んだ人は多いのか?: リシンを直接注入されて死亡した人が数人いる。トウゴマの種子を食べて中毒になる人もいるが、消化器系の中で種子から簡単にリシンが放出されることはないため、たいていは食べても中毒にまで至らない。またリシンは、注射や吸入に比べると、消化管を通じては吸収されにくい。

 どのような検査で調べるのか?: 疑わしい物質のサンプルの検査や、人間の血液等の検査など、いくつかの方法がある。CDCの臨床検査即応体制ネットワーク(LRN)に属する公衆衛生検査施設は、環境中から採取したサンプルの簡易検査を行う。一部のLRN検査施設では、臨床的な尿サンプルに、リシン摂取の指標となるリシニンという物質が含まれるかどうかを調べる検査も実施できる。(Cathy Newman for National Geographic News April 18, 2013)


 リシン (毒物)とは何か?
 蛋白質のリシン (ricin)はトウゴマ(ヒマ)の種子から抽出されるタンパク質である。ヒマの種子に毒性があることは古くから知られていたが、1888年にエストニアのスティルマーク(en)が種子から有毒なタンパク質を分離し、リシンと名付けた。

 猛毒であり、人体における推定の最低致死量は体重1kgあたり0.03mg。毒作用は服用の10時間後程度(たんぱく質合成が停止、それが影響していくことによる仕組みのため)。タンパク質構成アミノ酸で、必須アミノ酸でもある、リシン(Lysine:Lys)とは別物なので注意が必要である。

 リシン分子はAサブユニットとBサブユニットからなり、Bサブユニットが細胞表面のレセプターに結合してAサブユニットを細胞内に送り込む。Aサブユニットは細胞内のタンパク質合成装置リボゾームの中で重要な機能を果たす28S rRNAの中枢配列を切断する酵素として機能し、タンパク質合成を停止させることで個体の生命維持を困難にする。

 この作用は腸管出血性大腸菌O157の作るベロ毒素と同じである。 吸収率は低く、経口投与より非経口投与の方が毒性は強いが、その場合の致死量はデータなし。戦時中はエアロゾル化したリシンが、化学兵器として使用された事もある。 また、たんぱく質としては特殊な形をしているため、胃液、膵液などによって消化されず、変性しない。

 現在、リシンに対して実用化されている解毒剤は存在しない。ただし、米テキサス大学で2004年に開発されたワクチンの臨床試験がFDAの認可の下に行われ、2006年1月30日付の米国科学アカデミー紀要電子版において予防効果を確認したと報じられている。また、New Scientist誌では2007年7月4日付で、リシン・コレラ毒素・ベロ毒素の吸収を阻害する分子構造がワシントン医科大学の研究により発見されたと報じている。

 タンパク質としては、糖鎖を持つ糖タンパク質のひとつ。267アミノ酸残基からなるAサブユニットと、262アミノ酸残基からなるBサブユニットからなり、Aサブユニット259位のシステインとBサブユニット4位のシステインの間に形成されるジスルフィド結合により両鎖は結合している。Bサブユニットは2本の -Gal-Glc の2糖残基とからなる糖鎖と、2本の -Nag-Nag-Man(-Man)-Man 5糖残基からなるオリゴ糖側鎖を持つ。酵素としてはEC.3.2.2.22として知られ、ラットの28S rRNAのAサブユニット4324番目のN-グリコシル結合を加水分解する。 なお、Gal : D-ガラクトース Glc : グルコース Nag : N-アセチルグルコサミン Man : α-D-マンノースである。


 リシンに関する事件
 1978年9月7日、ロンドンでブルガリア出身の作家ゲオルギー・マルコフが倒れ、4日後に死亡した。同年の8月26日にはパリで同じくブルガリア出身のウラジミール・コストフが何者かに傘の先端で突かれ、直ちに病院で検査した結果、約1mmの白金-イリジウム合金の弾丸が発見され、中にはリシンが入っていた。その後マルコフの体内からも同種の弾丸が発見され、被害者2名とも共産政権だったブルガリアからの亡命者であることから、KGBおよびブルガリア秘密警察(STB)による犯行と考えられた。KGBは、傘に偽装した空気銃に仕込んだリシン入りの弾丸により暗殺を行ったのである。

 2003年の11月にワシントンD.C.のホワイトハウスに手紙に封入されたリシンが検出された。その手紙はホワイトハウスから離れた郵送物を扱う施設で発見され、大事にはいたらなかった。手紙は細かい粉末状の物質を含んでいて、その後のテストによってリシンと確認された。調査官によると危険性は低く、健康に被害を与えるとは思われないということである。この情報は、2004年2月3日に予備調査でアメリカ上院のビル・フリスト議員(当時の多数党院内総務)のオフィスの郵送物取扱室で同様の事件が発覚するまで公にされなかった。この事件によって健康に被害が及んだという人物は現れていない。また同事件によっていくつかの上院議員のオフィスが予備措置として閉鎖された。

 2013年の4月にアメリカでバラク・オバマ大統領宛の手紙の中にリシンが混入されていることをシークレットサービスが発見した。ホワイトハウス近くの郵便物を仕分ける施設で未然に発見されたため、ホワイトハウスには届けられず大統領の手元には届いていない。この事件の前日に起きたボストン・マラソン爆破テロ事件との関連性は2013年4月18日現在、調査中である。(Wikipedia)


Wikipedia:毒物リシン National Geographic news:米大統領を狙ったっ猛毒リシンとは


NOW トウゴマオイル「ヒマシ油」[473ml] (正規輸入許可商品、分類:化粧品)
クリエーター情報なし
NOW solutions
トウゴマ(唐胡麻) 500g [ヘルスケア&ケア用品]
クリエーター情報なし
小島漢方

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ ←One Click please