米オクラホマ州で竜巻 大きな被害
 「Terrible,It semms like batttlefield (ひどい…まるで戦場だ)」報道アナウンサーは繰り返し伝えた。

 オクラホマ州のオクラホマシティー郊外で、現地時間の5月20日午後3時前(日本時間の21日午前5時前)、巨大竜巻が発生した。

 NOAA(アメリカ海洋大気局)によると、竜巻は現地時間の20日午後2時56分にオクラホマシティーの南で発生した。その後、西から東に向かって市街地などを通り、30キロ余り移動し、発生から40分後の午後3時26分に消えたという。

 地元のテレビ局は、巨大な竜巻がゆっくりと渦を巻きながら移動する様子を撮影した映像を伝えた。竜巻が過ぎ去ったあとに地元のテレビ局がヘリコプターで上空から撮影した映像では、広い範囲で多くの建物が激しく破壊され、一部で火災が発生している様子も映し出されていた。

 今回の竜巻で亡くなった人は、24人。警察によると、建物が大きな被害を受けた地元の小学校では、児童や教師などおよそ80人が取り残されたという情報があり、警察などが救助活動にあたった。


 また、病院にも被害が出ていて、1つの病院では、入院患者や医療スタッフおよそ30人にけがをした人はいなかったが、建物の被害が大きいため、別の病院に移動させたという。

 アメリカでは、今月に入って南部や中西部で竜巻が相次いで発生している。このうち今月15日には、南部テキサス州の北部にあるフォートワース近郊で巨大な竜巻が発生し、少なくとも6人が死亡、およそ50人がけがをするなど、大きな被害が出ている。(NHKnews 2013年5月21日)


 米で竜巻が相次ぐ理由
 アメリカではたびたび聞く、竜巻の被害。どうして竜巻は発生するのだろう?

 気象当局は、大気の不安定な状態が続くとして、南部から中西部にかけての広い範囲に竜巻への注意を呼びかけていた。竜巻は空気が激しく回転して発生する現象で、大気の状態が非常に不安定になったときに発達した積乱雲に伴って発生する。

 気象庁によると、オクラホマ州周辺ではこの1週間程度南から平年よりも暖かく湿った空気が流れ込んでいる一方、上空を寒気を伴った低気圧が繰り返し通過し、大気の状態が不安定だったという。

 竜巻が発生したとみられる直前の日本時間の21日午前3時には、上空に特に強い寒気が流れ込んでいて、現場に近いオクラホマシティーの気温は27度8分あったのに対し、上空5500メートルの気温は氷点下15度と、温度差が40度以上あり、大気の状態が非常に不安定になっていた。

 また、上空は西寄りの風、地表付近は南寄りの風で、上空と地上で風向きが大きく異なると、空気が渦を巻きやすくなり、積乱雲が発達しやすい状態だったという。このため気象庁は、積乱雲が発達しやすい気象条件が重なって竜巻の規模が大きくなった可能性があるとみている。

 気象庁によりますと、去年5月に茨城県などで竜巻が発生した際にも地表と上空との間で40度近い気温の差があるなど積乱雲が発達しやすい気象条件が重なっていた。(NHKnews 2013年5月13日)


 竜巻とは何か?
 竜巻(tornado)は、積乱雲の下で地上から雲へと細長く延びる高速な渦巻き状の上昇気流。

 突風の一種で、規模が小さく寿命が短い割に、猛烈な風を伴うのが特徴。地上で強い竜巻が発生すると、暴風によって森林や建物などに甚大な被害をもたらすことがあり、災害をもたらす典型的な気象現象の一つとされている。

 竜巻の水平規模は平均で直径数十m、大規模なものでは直径数百mから1km以上に及ぶ。その中心部では猛烈な風が吹き、ときには鉄筋コンクリートや鉄骨の建物をも一瞬で崩壊させ、大型の自動車なども空中に巻き上げてしまうことがある。1ヶ所に停滞するものもあるが、多くは積乱雲と共に移動する。その移動速度は様々で、まれに時速100kmを超えることもある。

 竜巻は、台風や温帯低気圧に比べてはるかに局地的であるため、気象観測施設上を通過することが希であり、中心の気圧を実測した例はほとんどない。わずかな観測例から、中規模のもので950hPa程度と考えられる。なお、F4規模のトルネードでは、2003年、アメリカ・サウスダコタ州において850hPaの観測報告がある(右図参照)。


 発生のメカニズム
 竜巻の発生過程に関する研究は、着実に解明が進んでいるものの、未解明の部分も残されている。

 強い竜巻は多くの場合、スーパーセル(Supercell)または親雲と呼ばれる発達した積乱雲や積雲に伴って生じることが分かっている。なお後述の通り、スーパーセルを伴わない竜巻の発生事例も少数ながら報告されている。

 スーパーセルの中心部や周辺部には、上昇気流の領域と下降気流の領域がある。下降気流の領域では集中豪雨が降っている。この雨は、大気中や地上で蒸発する際に大気から気化熱を奪い大気の下層を冷やすとともに、自身の重さで大気を押し下げて、下降気流を増強する働きがある。これにより下降気流が維持されて、雨が尽きるまでしばらくの間は降りつづける。豪雨に混ざって霰・雹が降ったり、豪雨の前後に激しい下降気流に伴うダウンバースト(down burst、下降噴流とも呼ぶ)が発生したりする。

 上昇気流の領域では、下降気流により冷たくなった空気の層の上を、暖かく湿った空気が乗り上げるようにして上昇することで上昇気流が発生している。上昇気流は積乱雲や積雲が発達するのに不可欠な空気の対流活動であり、地上付近から上空10 - 15km付近の対流圏界面へと空気が上昇していく過程で、空気に含まれた水蒸気が凝結して雲を作る。

 このような環境の下では、重く冷たい下降気流の部分に比べて、軽く暖かい上昇気流の部分の気圧が低くなり、上昇気流の部分を中心として、低気圧と同じ方向(北半球では反時計回り、南半球では時計回り)に気流が渦を巻いて回転し始める。すると、メソサイクロン(Mesocyclone、メソロウとも呼ぶ)と呼ばれる小規模(水平距離が数km~数十kmくらい)の低気圧ができる。

 メソサイクロンの周囲を回転する空気には遠心力が掛かり渦の外側に引っ張られるため、中心部の空気が薄くなって気圧が下がる。一方気圧が下がることで、気圧傾度力が働いてさらに周囲の空気を巻き込む。また、この規模の渦には地球の自転に起因するコリオリ力という力も働くため、気圧傾度力・遠心力・コリオリ力の3つの力が均衡して、低気圧としての気流の循環を維持している(このタイプの風を傾度風という)。


 竜巻の発生
 メソサイクロンの中では、「上昇気流の領域」や「下降気流の領域」自体も回転している。下降気流は回転しつつ周囲に向かって流れ出しているが、この気流と南東の風とがぶつかると、ガストフロント(Gust front)と呼ばれる、寒冷前線に類似した気流の衝突面が形成される。ガストフロントは、主に強い下降気流さえあれば発生しうる現象であり、スーパーセル以外の発達した積乱雲でも発生することがある。

 ガストフロントの先端である前線面は、冷たい下降気流と暖かく湿った上昇気流が衝突している。気流の衝突によって、この前線面では大きな風速差や気流の乱れが生じる。これをウインドシアという。ウインドシアのある状況下では、小規模で短命な気流の渦が多数、現れては消えることを繰り返す。このような多数の渦のうち、ごく少数の渦が発達して上昇気流と結びついて、竜巻に成長するのではないかと考えられている。

 ただ、「竜巻のもと」となるこの渦の発達のきっかけについては、詳しく解明されていない部分が多く、現在も気象学や流体力学の観点から研究が続けられている。

 現在のところ、発達のきっかけとして、「上昇気流が急激に強まること」だという説がある。スーパーセル内でメソサイクロンが発達して中心部の大気中層の気圧が下がると、その下の大気下層では上向きの気圧傾度力が強まって、上昇気流が急激に強まる。この上昇気流と前述の小規模で短命な渦が重なると、渦に対して上向きの吸引力が働き、収束によって渦の幅が狭まると同時に風速も増し、コンパクトで強力な渦が形成されて竜巻となる…という考え方である。このような条件は、メソサイクロンの気流が回転している中心部にできやすいが、これはレーダーや衛星画像で見たスーパーセルの雲の位置的な中心とは異なるため、スーパーセルの雲の端のほうに竜巻ができることも珍しくない。

 スーパーセル以外の積乱雲の場合、上昇気流が強まる要因はあまりなく、ウインドシアによって偶然、水平方向に回転する渦が発達すると竜巻になると考えられている。そのため、竜巻の発生域は限られており、発生頻度も低く、勢力もスーパーセルよりは劣るものが多い。ただ、スーパーセルでなくとも被害をもたらすような竜巻は実際に発生しており、同様に注意が必要である。(Wikipedia)


参考HP Wikipedia:竜巻 CNNnews:オクラホマの巨大竜巻


地球温暖化 自然災害の恐怖〈第4巻〉ハリケーン・竜巻・雷
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