JAXA、8月に2つのロケットを打ち上げへ
 宇宙研究開発機構(JAXA)は21日、「こうのとり」4号機(HTV4)を搭載するH-IIBロケット4号機および、惑星分光観測衛星(SPRINT-A)を搭載するイプシロンロケット試験機の打上げ予定日を発表した。

 H-IIBロケット4号機は、大型主力ロケットとして人工衛星を打ち上げてきたH-IIAロケットの技術を生かして作られたより能力の高いロケット。ISS(国際宇宙ステーション)に物資を補給する「こうのとり」を3回打ち上げてきた実績がある。打ち上げ予定日は2013年8月4日、予定時刻は4時48分頃、種子島宇宙センターの大型ロケット発射場から打ち上げる。

 イプシロンロケットは、M-VロケットとH-IIAロケットの技術を使い、効率的な運用と高いコストパフォーマンスによってロケット打ち上げへの敷居を下げるために作られたロケット。今回が初号機となる。


 搭載機器の点検をロケット自身が行い、ノートパソコンをネットワークに繋ぐだけで管制が可能となるモバイル管制システムを搭載。従来2ヵ月程度かかっていたロケット打ち上げの準備期間を1週間ほどに短縮できるという。

 今回搭載する惑星分光観測衛星(SPRINT-A)は、惑星観測用の宇宙望遠鏡で、人工衛星軌道から金星や火星、木星などを遠隔観測。初期の太陽系で起きていたことの解明などを目指すとしている。打ち上げ予定日は8月22日、予定時間帯は13時30分~14時30分。鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げる。(RBB TODAY 2013年5月22日)


 H-IIBロケットとは何か?
 H-IIBロケット(H2Bロケット)は、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が共同開発し、三菱重工が製造及び打ち上げを行う、日本で最大の能力を持つ人工衛星打ち上げ用クラスターロケット。H-IIAロケットの設備と技術を使い、H-IIA以上の能力を持つロケットとして、日本で初めて官民が対等な関係で開発したロケットである。2009年(平成21年)9月11日に試験機1号機が打ち上げられた。

 H-IIBロケットは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業株式会社(MHI)が共同で開発した我が国最大のロケットです。主な任務は、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送する質量約16.5トンの宇宙ステーション補給機(HTV)を高度約300kmの軌道に打ち上げることです。スペースシャトルが退役し、任務の重要度は増しており、打ち上げロケットとして信頼性と確実に打ち上げ時期を守っていくことが大切になっています。

 H-IIBロケットはH-IIAロケットと機器の仕様・構成を踏襲することにより、信頼性の維持・向上と運用コスト低減を達成しています。設備、運用手順も共通な部分が多く、運用機会を増やしつつ、異なるロケットを効率的に運用し経験を積み上げることができます。

 H-IIBロケットでは、H-IIAロケットに使用されているLE-7Aエンジンを2基装備し、推進薬タンクを大型化し第1段ロケットの直径を5.2mとしました。また衛星フェアリングも、HTV用に大型化させた5S-H型を新たに開発しました。技術刷新する部分は刷新しつつ、実績のある技術(エンジン、分離機構)については活用し、その適用範囲の拡大を図りました。H-IIAロケットというロケットを足がかりに改良することにより、ロケットの性能向上とロケット技術の発展という2つの成果を得ました。

 今後もロケットを育てている気概をもって、打ち上げ結果を評価し反映事項を処置し信頼性を高めてゆきます。射場設備を良好に維持し、打ち上げ運用の経験を積み上げることにより、スケジュール通り打ち上げ、利用者にとって重要な即時性を確保してまいります。将来の有人技術獲得も目指して研究が始まった回収型HTV(HTV-R)の打ち上げへの確実な対応も含め、日本の有人計画を支える重要な足として、発展させていきたいと考えています。


 イプシロンロケット
 イプシロンロケット(Epsilon Launch Vehicle)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とIHIエアロスペースが開発中の、小型人工衛星打ち上げ用固体ロケット。当初は次期固体ロケットの仮称で呼ばれていた。イプシロンロケットは、2006年(平成18年)度に廃止されたM-Vロケットの後継機として2010年(平成22年)から本格的に開発が始まっている固体ロケットである。

 M-VロケットとH-IIAロケットの構成要素を流用しながら、全体設計に新しい技術と革新的な打ち上げシステムを採用することで、簡素で安価で即応性が高くコストパフォーマンスに優れたロケットを実現することを目的に開発されている。M-Vロケットの約3分の2の打ち上げ能力と約3分の1の打ち上げ費用(30億円以下)を実現することが具体的な開発目標である。

 イプシロンロケットの開発は2段階に分かれており、2013年(平成25年)度に打上げ予定の第1段階のイプシロン実証機はE-X、2017年(平成29年)度以降に打ち上げ予定の第2段階となる改良型はE-Iと呼ばれている。

 E-Xの標準型の機体は3段から構成される。第1段にはH-IIAロケット等に使用されているSRB-Aを改良したものを、第2段と3段にはM-Vロケットの第3段とキックステージを改良したものを流用する(構成と諸元を参照)。E-Iの開発では、E-Xの開発と運用の成果を踏まえて地上支援設備を含めたシステム運用のさらなる簡素化や機体コンポーネントの抜本的な低コスト化を進め、E-X以降の打ち上げニーズの変化にも対応できる機体とする(将来性を参照)。

 イプシロン (Ε) の名前は公式には「Evolution & Excellence(技術の革新・発展)」「Exploration(宇宙の開拓)」「Education(技術者の育成)」に由来する。ラムダ (Λ) ロケット・ミュー (Μ) ロケットなど日本で開発されてきた固体ロケット技術を受け継ぐ意味を込めギリシア文字が用いられた。正式な名称のない頃から、一部報道で名称は「イプシロン(エプシロン)ロケット」が有力候補とされていた。また、ISASのOBなどが参加するトークライブなどでは、「いいロケット」の駄洒落で「Eロケット」→「イプシロンロケット」になったと言う話が公式決定前からアナウンスされていた。(Wikipedia)


 H-IIA ロケットとは?
 H-IIA ロケット(エイチツーエー ロケット)は、宇宙開発事業団(NASDA)と後継法人の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工が開発し、三菱重工が製造および打ち上げを行う、人工衛星打ち上げ用液体燃料ロケットである。

 JAXA内での表記は「H-IIAロケット」で、発音は「エイチツーエーロケット」であるが、新聞やテレビなどの報道では、「H2Aロケット」または「H-2Aロケット」と表記され、「エイチにエーロケット」と発音される場合が多い。

 H-IIAロケットは、急激な円高により失われた日本のロケットの国際競争力を回復させるため、先代のH-IIロケットを全体にわたって再設計し、海外の安価な製品の利用や構造の簡素化などにより、打ち上げ費用の削減と信頼性の向上を目的に開発された。また、開発中に起きたH-IIロケット5号機と8号機の相次ぐ失敗や、H-IIAロケット6号機の失敗による信頼性の低下を回復するため、運用開始後にも改良が行われた。

 1996年に開発が開始され、開発費(H-IIからの改良開発費)は約1,532億円であった。H-IIAと同じくH-IIが技術的基盤となるH-IIBの開発費の約270億円と合わせた開発費は1,802億円であり、同じく前任者から改良開発されたデルタ IVの開発費2,750億円、アトラス Vの開発費2,420億円と比較してみても安価に開発されているといえる。

 打ち上げ費用は構成によって異なるが約85億円 - 120億円であり、H-IIロケットの140億円 - 190億円に比べると大幅に低減されている。 静止トランスファ軌道への打ち上げ能力は3.8 - 5.8 tであり、H-IIロケットと同等 - 約1.5倍の能力である。

 2001年夏に試験機1号機が打ち上げられて以来、22回中21回の打ち上げに成功している。打ち上げ成功率は95.5%。なお、日本が打ち上げた衛星打ち上げロケットをH-IIAも含めて累計すると、92回中80回の打ち上げに成功している。累計成功率は86.95%(ペイロードの成否を勘案しないロケット側の成功率、2013年1月27日時点)。


ロケットの科学 日本が誇るH-IIAからソユーズ、アリアン、長征など世界のロケットを完全網羅 (サイエンス・アイ新書)
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新型固体ロケット「イプシロン」の挑戦
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