ゼオライトの健康効果
 福島第一原発事故による、放射生物質で汚染された土地や廃棄物。これを取り除くのにゼオライトが使われているが、ゼオライトとは何だろうか?

 スリーマイル島でもチェルノブイリでも、放射性物質の除去にゼオライトは大活躍した。 チェルノブイリでは、何と40万トンも投入されセシウム137とストロンチウム90の除去をしたと伝えられている。

 ゼオライトとは、火山灰などが固まった鉱石で、日本名を沸石という。備長炭の60倍とも言われる多孔質の鉱石で、1g当たりの表面積は何と畳1枚分に相当する。火山灰が固まったものは凝灰岩だが、アルミノケイ酸塩のなかで結晶構造中に比較的大きな空隙を持つものの総称であり、凝灰岩以外にも存在する。

 元が火山灰なので、世界中の各地で採石できる安価な天然原料であり、日本では沖縄を除き列島中に分布している。広大な産地として著名なのが、米国ネバダ砂漠やウクライナなどなど。 度重なる核実験で汚染された大地を浄化する為に、米国がゼオライトを使用している事は広く知られている。


 最近では、ゼオライトは土壌や水の汚染物質除去だけではなく、人体にとってもよい効果のあることがわかり、化粧品やサプリメントとして使用されている。具体的には、ゼオライトは還元力が強く、活性酸素除去にも大きな力を発揮する。ただし、現時点ではまだ医薬品としての認可を受けてはいないので注意が必要だ。

 これまでの臨床結果や海外での調査によると、次のような特徴がある。

1.ゼオライト単独よりも、フルボ酸やフミン酸などと組合せることで、効果が強化される。
2.放射性物質などの有害物質除去の方法として、吸着とイオン交換という2種類の方法で除去している。
3.ナノ粒子化することで、消化器内のみならず血液内にも吸収され、呼吸器内が内部被曝した場合でも、有害物質が肺から血管に入ってくれば、血管内で吸着・除去を行い、尿として排泄しすることが期待できる。(参考HP:ゼオライトと放射性物質を考える勉強会に出席してきました


 磁性化ゼオライト
 磁性化ゼオライトを開発した、愛媛大学の逸見彰男教授は、ゼオライト研究の第一人者である。ゼオライトは大きく分けて、天然ゼオライト、合成ゼオライト、人工ゼオライトの3つがある。逸見教授は人工ゼオライトの生みの親である。火力発電で残る産廃「石炭灰」を使って、見事に人工ゼオライトを造った。

 このゼオライトに色水を混ぜて、よく振るとあっという間に水が透明な綺麗な水になった。まさに無から有を造る。現代の錬金術師である。

 しかし、人工ゼオライトの完成までの道程は平坦ではなかった。40年前、逸見教授の研究は火山灰の研究から始まった。なぜ、火山灰の土地では作物が育たないか?当時23才の逸見は仮説を立てた。火山灰には植物に必要な養分を吸着する性質があるのではないか?

 それから10年かけて、仮説を証明する。火山灰には植物に必要なリンだけを強く吸着する性質を発見する。そして次の10年、火山灰の性質を利用して、土壌改良材ができないか?逸見教授は石炭灰から人工ゼオライトをつくった。

 しかし、当時は論文に発表してもあまり話題にならなかった。だが、逸見教授は言う「夢を持って希望を叶えたいなら、できるまでするしかない」

 そして、今回、磁性化ゼオライトを開発!これにより、放射性セシウムだけを農地から取り除くことが可能になった。(TBS「夢の扉」:人工ゼオライトで郷土を再生


 ゼオライトとは何か?
 ゼオライトとは日本名、沸石(zeolite)とは、天然に産する鉱物グループである。沸石と呼ぶのは、成分に含まれている水とアルミノケイ酸骨格との結びつきが弱いため、加熱すると容易に水を分離して沸騰しているように見え、このことからギリシャ語のzeo(沸騰する)と lithos(石)を合わせて名付けられた。

 アルミノケイ酸塩のなかで結晶構造中に比較的大きな空隙を持つものの総称でもあり、分子ふるい、イオン交換材料、触媒、吸着材料として利用される。現在では、さまざまな性質を持つ沸石が人工的に合成されており、工業的にも重要な物質となっている。

 沸石は凝灰岩に多いが、微細なものも含めると、火成岩、堆積岩、変成岩のすべてにおいて非常に多様な岩石に含まれている。

 沸石水として結晶の中に水がたくさん含まれていることからわかるように、産出する環境は水に富んでいることが多い。また、概して沸石は 100℃程度の比較的低温の熱水から晶出する。

 そのような地質環境が実現する主な場所としては、溶岩と水が相互作用する場所(温泉地帯、枕状溶岩など)や、ペグマタイト鉱床での末期の生成物、さらには岩石の隙間に地下水が浸入する場所、などが挙げられる。

 特に溶岩と水が相互作用する場所では、大きな晶洞が生じやすく、良質で美しい鉱物標本を多産することがある(インドのデカン高原など)。
 
 ゼオライトの構造と働き
 ゼオライトの基本単位は、ケイ素(Si)を中心として形成される4つの頂点に酸素(O)が配置されたSiO4四面体と、Siの代わりにアルミニウム(Al)の置換したAlO4四面体です。 この2つの基本単位が4つの頂点酸素を共有して次々と3次元的に連結し結晶化していくが、この時に均一な微細孔(0.1~1ナノメートル径)を有する骨格を形成する。

 ケイ素(Si)は4価の陽イオンですが、アルミニウムは3価の陽イオンなので、2価の陰イオンである酸素(O)を2個共有することになると、アルミニウムは1価の負電荷となり、ゼオライトの結晶は負に帯電します。この状態では不安定なので電気的に中性にしようとする働き、Na+やK+の陽イオンを結晶中に取り込む。

 粉末状にした沸石を別の種類のカチオンを含んだ水溶液中に入れると、細孔内と水溶液中でイオン交換・吸着が起こる。この交換反応は可逆的であり、時間がたつと飽和して平衡状態となる。カリウムやセシウムもカチオンなので、沸石によってイオン交換・吸着される。

 沸石の陽イオン交換優先順位は下記の通り。セシウム (Cs) やストロンチウム (Sr) など有害物質の交換順位が高い。
  Cs > Rb > K > NH4 > Ba > Sr > Na > Ca > Fe > Al > Mg > Li


 ゼオライトの利用
 吸着作用: 沸石は、液体の中において、微細孔内の水分子を放出し、かわりに毒素・アンモニア等を吸着することができる。そのため、有機溶媒の脱水や湿度調節に用いられる。

 イオン交換材料: ゼオライトはイオン交換能をもつため水質改良剤として用いられる。例えば、水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンをゼオライト中のナトリウムイオンと置きかえることで水の硬度を下げることができるので、衣類用の洗剤などに含まれている(「水軟化剤」等と記載されている)。また微細孔内に植物の生育に必要なカチオンを保持するため、陽イオン交換容量を増す土壌改良剤としても用いられる。

 触媒: ゼオライトはその細孔内に選択的に分子を取り込み、反応させることができるため、触媒として多方面に利用されている。例えばZSM-5という合成ゼオライトを用いることでメタノールからガソリンを合成することに成功している。また、ディーゼル排気中に含まれるNOxを分解・除去するための触媒としても期待されている。

 吸着材料: ゼオライトは微細孔内に水分子を吸着し、また放出することができるため、有機溶媒の脱水や湿度調節に用いられる。また、観賞魚飼育のろ過材としても使用され、水中内のアンモニア、有機物質、バクテリアの除去などに使われている。(Wikipedia:ゼオライト(沸石)


ゼオライトの奇跡―ワイオラ社のデトックス・サプリメント「活性化液体ゼオライト」
クリエーター情報なし
日刊現代
ゼオライト触媒の開発技術 (CMCテクニカルライブラリー―ファインケミカルシリーズ)
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シーエムシー出版

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