ピンクのイルカを見たことありますか?
 皆さんはピンクのイルカが存在することをご存じだろうか?

 一目見て、まず目を疑う鮮やかなピンク色である。このピンクのイルカ、アジアに棲むタイプとアマゾンに棲むタイプの2つがある。アジアに棲むタイプは、東シナ海、インドネシア、ニューギニア島周辺の浅い海域に生息する、シナウスイロイルカ(Sousa chinensis)という。

 生まれた直後の体色は全身が黒あるいは濃い灰色であるが、成長するに従って名前の通り薄い色に変化し、成体では全身ピンクあるいはピンクと白色あるいは明るい灰色の斑模様になる。

 現在、香港近海に生息し、体の色から「ピンクイルカ」の愛称で知られるシナウスイロイルカの数がこの10年間で激減し、絶滅の危機に直面している。


 原因は経済優先の環境破壊である。多くのイルカが生息する珠江の河口周辺では大規模な埋め立て工事が進み、その影響で水が汚染されたり船との衝突が増えたりしている。

 香港政府は環境関連の研究に毎年12.5万ドル余りの資金を出しているほか、海洋生物保護公園の開設や生息数を監視する活動への協力を通して、イルカの保護に努めてきた。しかし政府の中でも経済部門の発言力が特に強いため、保護を訴える声がかき消されてしまうという。

 中国にはほぼ絶滅したとされている、ヨウスコウカワイルカもいる。2007年8月に偶然発見されたが、現在はどうなっているだろうか?貴重な動物たちが絶滅していくのは残念だ。ぜひ環境と共存できる経済開発を望みたい。

 以下はCNN newsの記事「香港のピンクイルカが激減、絶滅の危機」からの引用である。


 香港の「ピンクイルカ」が激減、絶滅の危機
 香港近海に生息し、体の色から「ピンクイルカ」の愛称で知られるシナウスイロイルカの数がこの10年間で激減し、絶滅の危機に直面している。

 イルカの保護に取り組む非政府組織(NGO)、香港イルカ保育学会のサミュエル・ハン会長によると、2003年に158頭だったシナウスイロイルカは、12年に61頭まで減少した。「このまま減り続けるのかどうか分からないが、早急に解決策を講じる必要があることは確かだ」と、ハン氏は話す。

 多くのイルカが生息する珠江の河口周辺では大規模な埋め立て工事が進み、その影響で水が汚染されたり船との衝突が増えたりしている。

 2016年には香港と珠海、マカオを結ぶ「世界最長の海上橋」が開通する予定。現在工事中のそのルートは、まさにイルカの生息地の真ん中を通る。

 また2023年に完成が予定される香港国際空港の第3滑走路は、新たに埋め立てる650ヘクタールの土地に建設される。

 さらに住宅地の地価高騰への対策として、現在イルカの生息区域で4カ所の埋立事業が提案されている。

 ハン氏によれば、香港政府は環境関連の研究に毎年12.5万ドル余りの資金を出しているほか、海洋生物保護公園の開設や生息数を監視する活動への協力を通して、イルカの保護に努めてきた。しかし政府の中でも経済部門の発言力が特に強いため、保護を訴える声がかき消されてしまうと、ハン氏は懸念を示している。(CNN.co.jp 2014年7月27日)


 ピンクイルカ(シナウスイロイルカ)とは何か?
 シナウスイロイルカ(支那薄色海豚、学名:Sousa chinensis)はクジラ目ハクジラ亜目マイルカ科ウスイロイルカ属に分類されるイルカである。

 ウスイロイルカと合わせて一つの種 Sousa chinensis として、シナウスイロイルカをその亜種 Sousa chinensis chinensisとする場合もある。

 生息域は、東シナ海、インドネシア、ニューギニア島からオーストラリア北部にかけての浅い海域である。

 Riceは、スマトラ島を境界とし、スマトラ島およびそれより東に棲息するものをシナウスイロイルカ (Sousa chinensis) 、スマトラ島より西側に棲息するものをウスイロイルカ (Sousa plumbea) と分類したが、交雑は不可避であろうと考えられている。そのため、シナウスイロイルカ (Sousa chinensis) とウスイロイルカ (Sousa plumbea) を合わせて一つの種と考える分類法もある。

 シナウスイロイルカ (Sousa chinensis) はウスイロイルカ (Sousa plumbea) に似ている。生息域によりその形態は異なり、また成長とともに変化する。ウスイロイルカ (Sousa plumbea) に比べると背びれが大きく、背中の隆起が小さい。口吻は細長い。

 成体の体長は2mから2.8m、体重は150kgから200kgである。生まれた直後の体長は1m程度である。

 生まれた直後の体色は全身が黒あるいは濃い灰色であるが、成長するに従って名前の通り薄い色に変化し、成体では全身ピンクあるいはピンクと白色あるいは明るい灰色の斑模様になる。

 寿命は約40年である。香港において、およそ33歳であることがわかっているシナウスイロイルカが生息していた。死亡した個体については、歯の断面図の観察によって、およその年齢を調べることが可能であることがわかっている。


 行動・生態
 シナウスイロイルカの成体は、通常は20秒から30秒に一度の割合で呼吸を行う。深く潜水する場合には、2分から8分程度の潜水を行うが、平均的には4分以上の潜水を行うことは稀である。未成熟の個体の場合には、呼吸の速度は成体の倍ほどであり、潜水も3分程度が限界である。

 集団で行動する社交的なイルカであり、通常は3、4頭ほどの小さな群を成して行動する。雌は約10歳、雄は約13歳で性的に成熟する。 通常、夏の終わりから秋にかけて交尾を行い、妊娠期間は約11ヶ月である。子育ては仔イルカが自分で餌を捕ることが可能になるまで続けられる。成熟した雌は約3年に一度のペースで出産する。

 香港では本種を「中華白海豚」と呼び、マスコットとして使う例があるほか、野生のシナウスイロイルカを船から観察するドルフィンウォッチングが商業的に行われている。主な海域はランタオ島北部や南東部、索罟群島沖、坪洲(英語版)沖などである。

 ドルフィンウォッチングにより、香港の一般の人々がシナウスイロイルカへの関心を持つ機会を増やしたり、利益の一部をFriends of the Earth (HK) へ寄付する業者も存在するため、香港の沿岸環境保護に繋がるという意見がある。一方、ドルフィンウォッチングは、シナウスイロイルカに過剰なストレスを与え、持続的な生存を脅かすものであるという批判もある。


 環境汚染、埋め立てなど
 香港近海はシナウスイロイルカにとっては危険な生息域になってきている。主な原因は、密漁、埋め立ての増加、海上交通の発達などである。

 シナウスイロイルカはほぼ一定の海域を生息域とし、その生息域から離れることはほとんどないため、工業排水、農業排水、生活排水による香港近海の汚染の影響が深刻になってきている。

 珠江デルタでは、毎日19万m3の汚水が全く処理されることなく、そのまま海へ排出されている。未処理の汚水や化学物質は海全体の環境を悪化させ、シナウスイロイルカの生息環境も悪化させている。

 シナウスイロイルカの死骸からは水銀などの重金属、PCBやDDTなどの塩化有機物、トリブチルスズ (TBT)、合成保存料などが検出されており、食物連鎖の中にこれらの有害な物質が既に組み込まれていることが明らかになっている。

 香港国際空港の建設によって、シナウスイロイルカの生息海域が9.5km2減少した。同空港には第三滑走路の建設計画があり、更に影響を与えることが危惧されている。

 他にも、北大嶼山公路(英語版)、屯門と青山火力発電所(英語版)を繋ぐ香港内河碼頭(River Trade Terminal)、香港ディズニーランドといった開発に伴う大規模な埋め立てが実施あるいは予定されており、シナウスイロイルカの生息域に壊滅的な打撃を与える恐れがある。さらに索罟群島においてはLNGターミナルの建設の動きもあり、潜在的な脅威となっている。

 ランタオ島北部の海域における魚の乱獲や多数の船舶の航行もシナウスイロイルカへの脅威となり得る。香港政府による商業的な漁業に対する規制はほとんどないため、魚の乱獲は混獲によるシナウスイロイルカの被害を増大させる可能性がある。1日あたり平均70艘の船舶が香港海峡を通過する。多数の船舶が発生するエンジンの雑音は、シナウスイロイルカが行う反響定位の妨げとなって悪影響を与える恐れもある。(Wikipedia:シナウスイロイルカ


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