8月12日夕方から2つの天文現象
 連日猛暑が続いている。今年は、山梨県の甲府など連日40℃を超える場所もある。熱射病に注意して過ごしたい。

 日差しが強く、日が沈むとようやくほっとする状態だが、今日は夕方から珍しい天文現象が2つ見られる。一つはスピカ食、もう一つはペルセウス流星群だ。この機会にぜひ観察したい。

 夕方、全国広い範囲で、おとめ座の1等星スピカが月に隠される「スピカ食」が見られる。1等星の星食は2005年3月のアルデバラン食(おうし座)以来のことだ。なお、東北と北海道の一部ではスピカ食は起こらず、スピカと月の"接近"になる。

 また、ペルセウス座流星群が、8月12日の深夜から13日の明け方にかけて出現の極大となり、多くの流星を見ることができる。さらに、極大の前後1週間程度はふだんよりも多くの流星を見ることができる。


 今年のペルセウス座流星群は、日本で観察しやすい時間帯に流星群の活動が最も活発になることに加え、夜半前に月が沈み月明かり邪魔されることもないため、とてもよい条件で観察することができる。

 夜も気温の高い状態が続くため、星空観察は水分補給をしながら楽しみましょう。


 スピカ食
 8月12日の夕方、おとめ座の1等星スピカが月に隠されるスピカ食が起こる。このとき、スピカと月は南西の空に見えている。空がまだ明るい時間帯に起こる現象なので、観察には双眼鏡や望遠鏡を使うとよい。

 東京では、スピカが月の暗い縁に隠されていく潜入が18時41分頃、スピカが月の明るい縁から現れてくる出現が19時24分頃。出現後には、月のすぐ近くにスピカを確認することができるだろう。

 潜入と出現の時刻は、地域によって異なる。また、北海道や東北地方の一部ではスピカ食は起こらず、月とスピカの接近となる。

 8月10日13日頃までは、日の入り後の西の空に注目してください。金星、スピカ、土星といった明るい星に、月が近づくようすが目を引く。

 8月10日には、マイナス4等で輝く金星の近くに月齢4の月が並びます。空のやや低いところではありますが、宵の明星として輝く金星と細い形の月が目をひく光景となる。

 8月12日には北海道や東北地方の一部では月とスピカの接近が、それ以外の全国では月がスピカを隠すスピカ食が見られる。スピカ食の翌日の13日の夜には、月が土星に接近して見える。

 8月12日から13日の1日間で、スピカの近くから土星の近くへ、月が星を背景に移動したようすを確認することができる。これは地球を中心とした月の公転運動による1日分の動きである。


 絶好条件のペルセウス座流星群
 夏の風物詩、ペルセウス座流星群が今年は8月13日午前3時ごろにピークをむかえる。この時間帯でなくても、12日から13日にかけての夜ならチャンスはじゅうぶんだ。

 流星群の条件の良し悪しは、その年によってまちまち。月明かりのじゃまがない方がいいし、放射点(流れ星が飛ぶ中心となる空の一点)が空高く上るほど、全天に降るように流れて見つけやすくなる。

 今年はというと、月が夜9時ごろには西の空に沈み、また放射点付近となるペルセウス座が北東の空高く見えるころにもっとも多くの流れ星が現われると予測されている。数年ぶりの絶好条件だ。

 なお、ペルセウス座流星群は出現期間が長いので、この夜に限らず前後数日間は見ることができる。天気や自分のスケジュールに合わせて楽しもう。


 ペルセウス座流星群 楽しみ方
 1月のしぶんぎ座流星群、12月のふたご座流星群と並ぶ三大流星群のひとつ、ペルセウス座流星群の今年の活動ピークは8月13日の3時ごろと予想されている。

 スイフト・タットル彗星の通り道を毎年この時期に地球が通過し、そこに残されていたちりが地球の大気にとびこんで、上空100km前後で発光して見える。

 宵のころ月齢6の月が西の空にしずむので、空を広く見わたしながら待っていれば日付が変わるまで夜ふかししなくてもチャンスは十分だ。極大の時刻にはペルセウス座が北東の空高く上り、絶好の条件となる。

 流星群の流れ星は、星空のある一点(放射点)を中心として放射状に流れるように見えるが、この放射点の高度が高いほどたくさんの流れ星が見えるようになる。

 ペルセウス座流星群の放射点は、夜10時頃には北東の空にそこそこ高くなり、以後夜が更けるにつれて高度を上げ、流れ星の出現数も多くなっていく。そして、空が明るくなり始める4時頃まで観察することができる。

 2013年のペルセウス座流星群の活動がもっとも活発になると予想される極大時刻は、8月13日午前3時ごろとみられている。もっとも流れ星が流れるとされる時間帯に放射点の高度もじゅうぶん高くなるため、多くの流れ星が見られるのではないかと大いに期待される。

 12日から13日へと日付けが変わる真夜中から13日の明け方にかけてが絶好の観察好機となる。


 虫よけ対策、楽な姿勢でのんびりと
 流星群の流れ星は放射点の方向から飛んでくるので、ペルセウス座流星群の場合は北東の方向を見れば流れ星が見やすいように思いがちですが、いくつもの流れ星の流れた跡をたどっていくと放射点で交わるのであって、実際には全天に流れます。

 たとえば、南の空に飛んだ後には北の空に現れるといった具合です。したがって、できることならなるべく空が広く見渡せる見晴らしのいい場所で観察することをおすすめします。

 また、月明かりだけでなく町明かりも、流れ星が見える数を減らしてしまう要因です。せっかく今年は夜半前には月明かりがなくなる好条件なのですから、できれば町を離れて空の暗いところへ行ってみましょう。

 流れ星を観察するために長時間夜空を見上げ続けていると首が痛くなります。アウトドアチェアやサマーベッドを用意できればベストですが、グラウンドシートに寝転がって見るのも快適です。ただし、車の往来がある駐車場で寝転がるのはたいへん危険ですのでやめましょう。

 夏のペルセウス座流星群観察は夜風が心地好く、とても思い出に残る流星群ですが、観察場所によっては蚊の襲来に悩まされることがあります。虫除けを用意しましょう。

 星空観察では、夜の暗闇に目を慣らすことがポイントです。慣れたところで明るいライトを照らすと、あっという間に目がくらんで星空が見えなくなります。そうならないように、ライトは赤いセロファンをかぶせるなどして減光しておきましょう。最近では赤色LEDライトもあります。

 流れ星はいつどこに流れるかわかりません。数個連続で飛んだかと思えばその後しばらくは出ない、ということの繰り返しです。のんびりと気長に観察しましょう。


参考HP アストロアーツ:流れ星を見るチャンス!だけじゃない、ぺルセの夜の楽しみ方

国立天文台:星空情報2013年8月


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