時代は今、宇宙新時代
 時代は宇宙新時代を迎えている。12年ぶりに開発された新型の国産ロケット、イプシロンは、9月14日午後、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられ、予定の高度で搭載した衛星を切り離して打ち上げは成功した。

  記者会見でイプシロンの打ち上げチームのリーダーを務めたJAXAの森田泰弘プロジェクトマネージャは、「台風が小笠原付近にあったため、打ち上げができるか、ぎりぎりまでドキドキしていた。最後は、産みの苦しみも味わうことになったが、結果として、打ち上げは見事に成功した。ようやく心の底から笑える日が来ました」と話した。(NHKnews 2013年9月15日)

 一方、米航空宇宙局(NASA)は9月12日(日本時間13日)、記者会見を開き、探査機ボイジャー1号が人工物体として初めて太陽系を離脱したと発表した。NASAはこれまで、「磁場の変化の確認が重要だ」として太陽系離脱の認定には慎重だった。


 40年以上も計画にかかわってきたエドワード・ストーン米カリフォルニア工科大教授らは「歴史的発表」と強調。太陽系離脱の決め手になったのは、昨年秋と今年春に送ってきた電子振動の周波数に関するデータ。機器の故障で1980年代から情報がほとんど得られていなかったが、この2回は運良くデータが得られた。このデータは、太陽系の外に出たことを示すものだった。

 会見で、ボイジャー1号は太陽系の外から見た太陽の写真を送ってくるかとの問いに、ストーン教授は「写真を撮るだけの電力は残っていない」と述べた。2020年に一部機器の運用は終わるが、その先もデータは送信しつづけるという。(朝日新聞デジタル 2013年9月13日)

 以下はNational Geographic News記事「ボイジャー1号の太陽系外到達を確認」から引用する。


 「太陽系の端」はどこ?
 太陽風とは、太陽の表面から吹き出す高エネルギーの粒子のことで、時速160万キロというスピードで宇宙空間に放出されている。

 恒星間の空間には、これより低温の荷電粒子が分布していて、これを「星間風」と呼ぶ。2004年以降、ボイジャー1号は太陽風と星間風が混合する領域を飛行中だ。

 太陽風の到達範囲は正確にはどこまでか、そして星間空間はどこから始まるのかについては、宇宙科学者の間で40年以上もの間議論が続いていて、結論は出ていないとストーン氏は言う。

 その答えを見出すため、研究者らはボイジャー1号に搭載されているさまざまな装置を用いて、磁気および電気的活動を間接的に計測している。

 太陽系と星間空間の境界を特定するカギの1つは、荷電粒子の密度の違いである。太陽風と星間風では、星間風のほうが約50倍も荷電粒子の密度が高い。

昨年10月と今年4月の2回、大規模な太陽風がボイジャーに到達した。ガーネット氏らのチームはこの際の数値を確認し、ボイジャー周辺での電気的活動の変化は、荷電粒子の密度の高い星間空間への移行を反映したものだと報告した。

 この観測結果を利用して、研究チームではボイジャー1号が星間空間に突入したのは2012年8月25日のことと推定した。

 ボイジャーが星間空間に突入したらしいことは、昨年のうちに間接的な計測結果によって分析されていた。今回の報告はそれにさらなる裏づけを与えるものだ。

 ストーン氏は今回の研究には関与していないが、この報告を説得力のあるものと見ている。「2度の大規模な太陽風という自然の恵みのおかげで、ボイジャーがすでに星間空間にあることが確認できた」。(Dan Vergano for National Geographic News September 13, 2013)


 太陽系の範囲に2つの意味
 ボイジャー1号は1977年に打ち上げられ、木星と土星の近傍を通過し、現在は太陽から約187億キロ付近を飛行中だ。人工物として初めて太陽系外の星間空間に突入した・・・すばらしい成果だと思う。

 だが、疑問に思った人はいないだろうか?太陽系の範囲は187億キロということになるが、そんなに小さいものなのか?

 そう考えた人は正しい。太陽系には彗星もふくまれており、彗星の起源とされるオールトの雲の存在があるからだ。現在、地球に接近中(11月29日再接近)のアイソン彗星もそこからやってきた。

 オールトの雲の形成理論では、原始太陽系星雲の中で形成された氷の天体が惑星重力の影響で遠方へ放り出され、凡そ1兆個(質量にして地球の2~3倍)とも見積もられる彗星の素が、太陽系を取り囲むように辛うじて太陽の重力束縛の中にあると考えられている。

 観測は極めて困難なため、直接観測の実証はされていないが、あらゆる方向からやってくる彗星軌道を研究していた「ヤン・オールト」という天文学者により、様々な軌道周期の起源が提唱され、そこから考え出された「仮想天体群」ではあり、最も有力な仮説として今日に至る。

 オールトの雲を入れると、太陽系の大きさは、太陽から約5万天文単位(約1光年)の範囲を球状に取り囲んでいるとされている。

 ボイジャーの旅はこれで終わりではない。「搭載されているプルトニウムバッテリーの寿命を考えると、ボイジャー1号からの信号は2025年頃を最後に、地球上では確認できなくなるだろう」と前述のストーン氏は言う。

 まだ、あと10年は観測を続けることができる。ボイジャーは双子の探査機で、2号もまだ稼働中だ。木星、土星、天王星、海王星の観測を行い、現在は太陽から約154億キロ付近を飛行している。

 「このミッションのこれまでの40年間は本当にワクワクしたし、今後の10年も同様にワクワクするものになるはずだ。私たちがこれまで到達したことのない領域を探査しているのだ」とストーン氏は言う。その中にはオールトの雲との出会いも期待できる。

 Wikipediaでは、太陽系の範囲について次のように記述している。


 ボイジャーの旅はまだまだ続く
 かつては最も外側の惑星であるとされていた冥王星の軌道を太陽系の果てとみなすことが多かったが、外縁天体(エッジワース・カイパーベルト)の発見によってその考えは古いものとなった。

 太陽から放出された粒子(太陽風)は、エッジワース・カイパーベルトの外側にある末端衝撃波面を越えると恒星間空間を満たす星間物質や宇宙線の抵抗によって減速し、やがて星間物質の一部となる。

 太陽風が到達する範囲を太陽圏(ヘリオスフィア)、その境界面をヘリオポーズと呼ぶ。太陽が銀河系の中を公転しているため、その進行方向ではヘリオポーズは太陽に近く、後方では遠くなる。ボイジャー1号は21世紀初頭に末端衝撃波面を通過し、2012年8月25日にヘリオポーズに到達した。

 散乱円盤天体や長周期彗星の多くはヘリオポーズより外側まで達する軌道を周回している。オールトの雲は1万天文単位(約0.16光年)以上、太陽の重力圏の限界付近まで広がっていると予想されている。

 その距離はおおむね10万天文単位(約1.6光年)程度とされているが、もっと遠くまで広がっているという説もあり、その場合は太陽系と近隣恒星のオールト雲が重なっていることもありうる。(Wikipedia)


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