認知症原因タンパク質とは?
 厚生労働省 研究班の調査によると、国内の認知症患者は2012年の時点で約462万人にのぼることが判明している。このうち、約半数はアルツハイマー病患者であると考えられている。アルツハイマー病患者数はこの数年でも急増しているが、人口の高齢化が進むにつれて、今後ますます増加すると予想される。

 アルツハイマー病患者の脳内にはアミロイドベータβと、タウと呼ばれるタンパク質が蓄積し、これに伴って神経細胞が死んで脱落することから脳が萎縮し、物忘れなどの症状が発現してくる。こうした異常タンパク質蓄積は、存命している状態で検出することは難しく、これまで患者が亡くなってから脳を解剖して調べていた。

 今回、アルツハイマー病などの認知症の原因となる脳内のタンパク質の蓄積の様子を、生体状態のまま画像化することに放射線医学総合研究所などが成功した。


 これまでは患者の死後に脳の切片を染色して、顕微鏡で異常タンパク質の蓄積を確認していた。近年は、がん診断にも使われる「ポジトロン断層撮影」(PET)を応用して、生体でのアミロイドベータの様子を画像化する技術があるが、タウについては未開発だった。

 以下はサイエンスポータル記事「認知症タンパク質の生体可視化に成功」から引用する。


 “タウ”タンパク質の生体可視化に成功
 アルツハイマー病などの認知症の原因となる脳内のタンパク質の蓄積の様子を、生体状態のまま画像化することに放射線医学総合研究所などが成功した。造影用の特殊薬剤を開発したもので、とくに病状の重症化に関わるタンパク質「タウ」の集積状態を可視化することができたことから、認知症の早期発見や治療などに役立つという。

 アルツハイマー病患者の脳内ではタンパク質の「アミロイドベータ」や「タウ」が蓄積し、神経細胞が死ぬことで、物忘れなどの症状が出てくる。これらの異常タンパク質は、これまでは患者の死後に脳の切片を染色して、顕微鏡で確認していた。近年は、がん診断にも使われる「ポジトロン断層撮影」(PET)を応用して、生体でのアミロイドベータの様子を画像化する技術があるが、タウについては未開発だった。

 放射線医学総合研究所脳分子動態チームの樋口真人・チームリーダーらは、タウの蓄積を画像化するPET薬剤を開発し、認知症モデルマウスとヒトのアルツハイマー病患者とで、脳内のタウによる病変を明瞭に画像化した。実際の患者では、病状の進行に伴ってタウの蓄積部位が拡大する様子が確認できたほか、物忘れに加えていろいろな運動障害を起こす「皮質基底核変性症」という異なる種類の認知症のタウ病変も画像化できたという。

 樋口さんによれば、これまでは、神経細胞の死に密接に関わるのはアミロイドベータの蓄積と考えられていたが、最近の研究では、タウがより影響を与えていると考えられている。今回の新規薬剤による画像化技術は、タウ蓄積を抑制する治療薬の開発や、認知症の根本治療法の開発などに貢献するとみられている。

 研究は、文部科学省委託事業「分子イメージング研究戦略推進プログラム」、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)などの支援を受けて行われた。研究論文“Imaging of Tau Pathology in a Tauopathy Mouse Model and in Alzheimer Patients Compared to Normal Controls”は、米国科学誌「Neuron」(オンライン版、18日)に掲載された。(サイエンスポータル 2013/09/20)


 アルツハイマー型認知症
 認知症(Dementia)は、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が低下した状態をいう。高齢になるほど認知症の人の割合は高くなり、65歳~69歳では1.5%だが、85歳以上では約4人に1人が認知症であるといわれている。

 認知症の中で一番多いのがアルツハイマー型認知症で、全体の50%である。アルツハイマー型認知症は、成人が発症する認知症の代表的な疾患である。アルツハイマー型認知症では、脳の神経細胞が減少したり、変化することで、脳が萎縮していく。

 健康な人であっても加齢とともに脳は萎縮するが、アルツハイマー型認知症の人は、より速いスピードで脳が萎縮していく。また、アセチルコリンは、認知機能に深く関係している神経伝達物質で、アルツハイマー型認知症の人の脳では、このアセチルコリンを産生する酵素の働きが低下し、アセチルコリンの量が減少している。

 このアルツハイマー型認知症の原因は、今現在はっきりとは解明されていないが、脳の神経細胞が減少したり萎縮したりして、機能が低下する病気で、脳の中の異常なたんぱく質であるアミロイドβ(ベータ)というタンパク質が関与しているのではないかと考えられている。

 一方、タウタンパク質は、神経系細胞の骨格を形成する微小管に結合するタンパク質。細胞内の骨格形成と物質輸送に関与している。アルツハイマー病をはじめとするさまざまな精神神経疾患において、タウが異常にリン酸化して細胞内に蓄積することが知られている。


参考 サイエンスポータル:認知症原因タンパク質の可視化に成功 メンタルナビ:認知症とはどんな病気? 


アルツハイマーになる人、ならない人の習慣
クリエーター情報なし
ディスカヴァー・トゥエンティワン
アルツハイマー病が劇的に改善した! 米国医師が見つけたココナツオイル驚異の効能
クリエーター情報なし
ソフトバンククリエイティブ

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please