温暖化の原因は“人間の活動”の可能性「極めて高い」
 IPCCとは、気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC)のこと。国際的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構である。

 学術的な機関であり、地球温暖化に関する最新の知見の評価を行い、対策技術や政策の実現性やその効果、それが無い場合の被害想定結果などに関する科学的知見の評価を提供している。数年おきに発行される「評価報告書」(Assessment Report)は地球温暖化に関する世界中の数千人の専門家の科学的知見を集約した報告書であり、国際政治および各国の政策に強い影響を与えている。

 この夏日本では記録的な暑さや、かつて経験したことがないような豪雨、そして竜巻被害など、異常気象が続いた。今回、国連の組織IPCCが発表した報告書では、今世紀末までに最大で地球の平均気温が4.8度も上昇。そして、海面は82センチも上昇すると予測されている。原因は私たち人間の活動による可能性が極めて高いと指摘された。


 IPCCは、9月27日総会がスウェーデンのストックホルムで行われ、温暖化に関する報告書が承認された。各国の温暖化対策に大きな影響を与えるこの報告書。「気候システムの温暖化は疑う余地がない」とした。

 人間の様々な活動で温室効果ガスが増加するなど、「人間活動」が主な要因であった可能性が“極めて高い”と指摘。6年前の報告書の「非常に高い」より、一歩踏み込んだ表現に改めた。

 そして、対策をとらなければ、今世紀末には最大で平均気温が4.8度、海面水位は82センチ上昇するとの予測している。さらに、平均気温の上昇に伴って極端な高温が増加することは「ほぼ確実」とし、極端な降水がより強く頻繁に起こる可能性は「非常に高い」と指摘した。

 「地球の気候を安定させるには、かなりの温室効果ガスを削減しなければならない。世界はこのメッセージを受け入れてほしい」とIPCCのパチャウリ議長は述べている。 (28日00:06)


 温暖化、原因は「人」IPCC、6年ぶり報告書 
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は9月27日、ストックホルムで総会を開き、地球温暖化の科学的根拠をまとめた作業部会の報告書を承認した。温暖化の原因は人為起源の温室効果ガスである可能性が「極めて高い」(95%以上)と、これまでで最も強い表現で指摘した。

 IPCCが総合的な報告書を公表するのは前回2007年以来6年ぶり5回目。加盟195カ国のチェックを受けて承認されたため、今後の国際的な対策づくりの科学的なよりどころとなる。

 報告書では、世界の平均気温は1880年から2012年までに0.85度上昇、海面水位は1901年から2010年までに19センチ上昇したと認定。大気中の二酸化炭素(CO2)濃度は1750年以降40%増加し、過去80万年で前例のない高さだとした。

 20世紀後半からの温暖化については「人為影響である可能性が極めて高い」とし、前回の90%を上回る95%以上の確信度で断定した。将来の予測では、1986~2005年と比べた今世紀末の気温上昇幅を0.3~4.8度、海面の上昇は26~82センチとした。(asahi.com)

 以下にNational Geographic news「IPCCの気候変動報告書5つの要点」から引用する。


 IPCCの気候変動報告書、5つの要点
 世界中の専門家には周知の事実だが、気温と水温上昇による海面上昇が100年前から続いている。9月27日、地球温暖化に関する科学界の総意としてIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の重要な報告書が発表され、その深刻な傾向が改めて確認された。

 今後、2014年にかけて、気候に関する一連のレポート(第5次評価報告書)が発表される予定だ。

 自然科学的根拠を記したその第1作業部会報告書は、次のように始まっている。「これまでに観測された変化の多くは、数十年から数千年にわたって前例がない」。報告書では気候変動がもたらした世界的な変化と将来の予測をまとめている。「最近30年の各10年間の世界平均地上気温は、1850年以降のどの10年間よりも高温である」。

 さらに、大気や海にさまざまな変化が起きる中、1880年から2012年において、世界平均地上気温が摂氏0.85度上昇したことがデータによって示されているという。

 第1作業部会の共同議長を務めたスイス、ベルン大学のトーマス・ストッカー(Thomas Stocker)氏はスウェーデン、ストックホルムでの発表の際、「気候システムの温暖化については疑う余地がない」と断言している。「ある10年間がそれまでより高温だったという程度ではない。10年単位で連続している」。

 報告書の要点を5つにまとめた。

 1:異常気象
 異常気象に関して、1950年以降、寒い昼夜が減少し、逆のパターンが増加した“可能性が非常に高い”。また、強い降水現象の頻度もしくは強度は北アメリカとヨーロッパで増加している可能性が高い。1950年以前と比べ、激しい暴風雨や暴風雪のトップ1%の強度が増している。つまり、土砂降りがさらに激しくなっているのだ。

 2:海水温上昇
 海洋は“ほぼ確実”に温暖化している。1970年以降、水深75メートル以上の表層の水温は、10年ごとに約0.11度のペースで上昇。同時期には、地球温暖化によって大気に蓄えられた熱の90%以上が海洋に取り込まれている。しかも、その大部分は上部(0~700メートル)以内にとどまる。「とはいえ安心するのは大間違い」とストッカー氏は話す。「海がなければ状況はさらに悪くなるはずだ」。

 産業革命以降、化石燃料の使用によって排出された二酸化炭素は、海洋の酸性化を26%促進した“可能性が非常に高い”。海洋酸性化はサンゴや殻を持つ生物、さらに海の食物連鎖に脅威をもたらす。世界の海の水素イオン濃度指数(pH)は、人間活動によって0.1低下している。

 3:海氷・氷河の減少
  ホッキョクグマへの影響は? 1970年以降、海氷や氷河、氷床が減少し続けている。1993年から加速した“可能性が非常に高い”。南極のみ海氷面積は増えているが、これは予測されていたことだ。北極では1979年から2012年にかけて、海氷の平均面積が10年ごとに3.5~4.1%ほど減少している。永久凍土の温度も1980年代から、程度の差はあれほとんどの地域で上昇している。

 4:海面上昇
  地球温暖化による海面上昇は既に起きており、これからも続く。1901年以降、海面水位は平均0.19メートル上昇し、今世紀中にさらに上昇するのは“ほぼ確実”。南極の氷床が崩壊しなければ、2100年までに0.98メートルを超える可能性は低い。

 5:温室効果ガスの増加
 人間活動が20世紀半ば以降に観測された温暖化の主な要因であった可能性が極めて高い。中でも、化石燃料の使用によって排出される二酸化炭素などの温室効果ガスが、大きな影響をもたらしている。排出が続く限り、既に指摘したすべての影響が、何世紀にもわたって“ほぼ確実”に持続する。

 世界気象機関(WMO)の事務局長ミシェル・ジャロー氏は、「行動を起こさなければ温暖化は続く」と述べている。ジャロー氏は27日朝の発表会見の席で、21世紀の将来予測として“シナリオ”を何通りも提示しているが、産業界と消費者を合わせた現在の温室効果ガスの排出レベルは、中でも多い部類に入ると警告している。

 報告書では、気候変動の影響や観測結果の確信度を表すため、議論を重ねて正確に定義した用語を使用している。

・“ほぼ確実”:99~100%の確信度
・“可能性が非常に高い”:90~100%の確信度
・“可能性が高い”:66~100%の確信度

 つまり、1950年以降、複数の大陸で熱波が増加している“可能性が高い”と言えば、66%以上は確信していることになる。

 ストッカー氏は会見で、「科学的な意見を表明しているだけで、トップニュースとして取り上げてほしいわけではない」と前置きした上で、次のように結論を述べている。「気候変動は人類にとって重要な2つの資源、陸と海に難題を投げ掛けている。地球という惑星、つまりわれわれの唯一の希望に試練をもたらしているのだ」。(Dan Vergano for National Geographic News September 30, 2013)


IPCC地球温暖化第四次レポート―気候変動〈2007〉
クリエーター情報なし
中央法規出版
ラジェンドラ・パチャウリ―地球温暖化 IPCCからの警告 (NHK未来への提言)
クリエーター情報なし
日本放送出版協会

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