ダイヤモンドが大量に存在する天体
 インドで日本の中古ダイヤモンドが人気だ。インドでは資産としてダイヤは貴重な存在。日本の中古ダイヤは安く買われ、これを再研磨して新品同様で取引される。

 これまで資産としての投資対象は金だったが、金は重い。1億円分の金なら100キロを超すので身につけて逃げるのは不可能。その点、ダイヤなら一粒で1億円もありうる。炭素なので空港の金属探知機にも反応しない。

 ダイヤは貴重な宝石で、地球上では希少な存在だ。どうやってできるのだろう?ダイヤは炭素からできている。だが、ただの炭素ではない。地下100kmという、深いところでできる。このような深いところは、高温、高圧で、回りからかなり強い力でおさえつけられている。そのために、炭素のつぶは強く結びつけられて、固いダイヤモンドになるのである。


 高温・高圧の場所なら、地球より高温・高圧の場所がある。それは、地球より大きな惑星だ。今回、土星、木星、海王星、そして天王星は、ガスの奥底深くにダイヤモンドが眠っているかもしれない…。そんな研究結果を、米国の研究チームが、デンバーで開かれた米天文学会惑星部会で発表した。

 報告によると、この4惑星はいずれも主成分がガスでできており、ダイヤの生成にとって完璧な温度や圧力などの条件がそろっているという。

 海王星と天王星にダイヤがある可能性は過去の研究でも指摘されていた。しかしウィスコンシン大学マディソン校の研究者らが、惑星の気温と圧力に関する観測データなどを集めて計算した結果、土星と木星にも可能性があることが分かった。

 National Geographic news 記事「土星と木星に大量のダイヤモンド?」から、引用する。


 土星と木星に大量のダイヤモンド?
 まるでSFの世界だが、最新研究によると、土星と木星には1000万トンものダイヤモンドが存在するかもしれないという。

 土星の嵐が炭素粒子を盛んに生成していることを示す観測データに加え、新たな実験とモデルによって、極限状況下における炭素の振る舞いを調べた結果から、土星と木星は、ダイヤモンドの生成にとって安定した環境となっている可能性があると、研究は結論付けている。

 「固体ダイヤモンドの上限温度が判明し(8000ケルビン、摂氏約7700度)、それ以上になると融解することがわかった。また、土星と木星内部のより正確な圧力と温度の構造もわかった」と、研究共著者でウィスコンシン大学マディソン校の惑星科学者、ケビン・ベインズ(Kevin Baines)氏は述べる。研究成果は今週、コロラド州デンバーで開かれた会合において発表された。

 「この2つの発見は、両惑星の広い鉛直領域上に、固体ダイヤモンドが存在する可能性を初めて示すものだ」。

 従来の説では、ダイヤモンドを形成している可能性がある太陽系の惑星は、地球以外では天王星と海王星のみだと考えられていた。これらの惑星では、非常な高温と高圧によって、大気中のメタンガスがダイヤモンドに変換され、惑星内部に降り注いでいる可能性が指摘されている。


 巨大な嵐と雷がダイヤの原料をつくる
それに比べて、木星と土星ははるかに低温で、メタンも少ないと考えられるため、これまでダイヤモンドの形成とは関連付けられてこなかった。大気中に含まれるメタンの割合は、土星が約0.5%、木星がわずか約0.2%なのに対し、天王星と海王星は、大気の15%近くがメタンだ。

 土星探査機カッシーニが、土星の上層雲に発生する巨大な嵐と雷の姿をとらえており、木星でも同様の嵐が観測されているが、ベインズ氏によると、これらの現象が、ダイヤモンドの形成を引き起こす上で重要な役割を果たしている可能性があるという。

 赤外線画像がとらえた暗い嵐の領域は、メタン分子が炭素に、おそらくは“すす”の粒子に分解されている領域だと考えられる。

 今回提唱された説によると、分解されてできた非晶質炭素は、大気中を降下し、密度の近い高度に到達すると、圧力の上昇によってグラファイト(黒鉛)に変換される。グラファイトは土星大気のさらに深部へ降りていき、圧力と温度の上昇に伴って固体ダイヤモンドに変わる。

 「これによって毎年約1000トンのダイヤモンドが形成され、厚さ3万キロのダイヤモンドを含む層には、このように形成されたダイヤモンドが約1000万トン存在すると推測される」とベインズ氏は述べる。


 液体ダイヤモンドの海かもしれない
 一方、木星大気の最深部は、非常に極限的な環境であるため、ダイヤモンドは固体でなく液体として海を形成している可能性が考えられる。

 「ダイヤモンドが融解する層より下では、水素の原子化、イオン化によって大気が過酷になり、融解したダイヤモンドはおそらくまた別の物質に変換される」。

 それに対し、天王星と海王星の内部ははるかに低温で、8000ケルビンに達することはないため、地球からさらに遠いこれら惑星のダイヤモンドはおそらく決して融解しない。

 「したがって、おそらく天王星と海王星にはダイヤモンドが永久に残り、木星と土星には残らないと考えられる」と、研究主著者でカリフォルニア州パサデナにあるカリフォルニア・スペシャルティ・エンジニアリングの惑星科学者、モナ・デリツキー(Mona Delitsky)氏は述べる。

 しかし、アリゾナ大学の惑星科学者ウィリアム・ハバード(William Hubbard)氏は、この研究が提示する炭素化学に懐疑的だ。土星の嵐と雷によって発生する“すす”の量はダイヤモンド形成するには少なすぎ、また、大気の深部へ降下するに従って上昇する圧力と温度によって、 “すす”はおそらく分解されるというのがその理由だ。

 「熱分解された炭素は、水素と一緒になって溶液を形成するだけで、凝固(してダイヤモンドになったり)はしないと考えられる」とハバード氏は述べる。


 ダイヤモンド“氷山”の可能性
 これら地球外のダイヤモンドは、はたしてどのくらいの大きさなのだろうか。デリツキー氏は、最初に雷によってできる“すす”は、1ミクロンほどではないかと考えている。これら“すす”粒子は、雨滴のように、惑星の内部へ降下していくにつれて大きくなり、やがてエンドウマメ以上の大きさになり、一部巨大化して”ダイヤモンド氷山”と呼べそうなサイズに成長する可能性もあるという。

 「おそらくナノダイヤモンドよりはるかに大きく、もしかすると手でつかめるほどの大きな塊だ」と、デリツキー氏は述べる。「遠い将来には、ロボット探査によって、これら巨大ガス惑星の深部大気に存在するダイヤモンドの採掘が可能になるかもしれない」。

 今回の研究は、アメリカ天文学会(AAS)惑星科学部会の第45回年次会合で発表された。(Andrew Fazekas, National Geographic News October 10, 2013)


 ダイヤモンドはどのようにしてできるのか?
 ダイヤモンドは炭素からできている。炭素からできているものには、黒鉛があるが、これは、鉛筆のしんの材料と同じもので、真っ黒な炭のようなもの。

 炭のような黒鉛とキラキラ光るダイヤモンドが、同じ炭素でできているというのは、なかなか信じられないが、これほどちがうのは、炭素の結びつき方がまったくちがうから。

 ダイヤモンドは、地下100kmという、とても深いところでできる。このような深いところは、高温、高圧で、回りからかなり強い力でおさえつけられている。そのために、炭素のつぶは強く結びつけられ、ダイヤモンドになるというわけである。

 地下100kmでしかできないダイヤモンドが、地球の表面で見つかることはとてもめずらしい。そのためにダイヤモンドは少ししか見つけることはできない。ダイヤモンドはとても美しいのに、ほんの少ししか地球上にない。それでだれもがほしがり、当然のことながら値段も高くなる

 しかし、このような地中深くでできる、天然ダイヤモンド以外に、別の方法でつくられるダイヤもある。

 今から百年以上前の1888年に、ユレイライトと呼ばれる隕石からダイヤモンドが見つかった。これは、隕石を酸で溶かしていった残りが、ダイヤモンドの次に硬いサフアイヤを傷つけたことから分かったもの。

 ダイヤ合成実験では、次の2つのでき方が知られている。1つは、ダイヤモンドの原料である炭素に非常に高速で物をぶつけたとき。これを、衝撃作用という。隕石衝突のエネルギーでダイヤができることがある。

 もう一つは、真空に近い条件でアルコールなどを分解し、金属などに蒸着させたとき。これを、気相成長(非平衡成長)という。太陽系に惑星が生まれる前、惑星を作る元となったガスやチリの中で、激しい雷の作用によってダイヤモンドができ、惑星が出来るときに取り込まれたと考えられる。(九州大学総合研究博物館) 


参考 九州大学総合研究博物館:ダイヤモンドが語る惑星の歴史 学研サイエンスキッズ:ダイヤモンドは何でできているの?


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