ペルーのイルカ漁は違法
 イルカ漁というと、アカデミー賞を受賞した映画「ザ・コーブ」を思い出す。日本のイルカ漁を隠し撮りしたドキュメンタリー映画が第82回米アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞した。

 舞台は日本の和歌山県太地町。イルカが赤い血をあげる様子や、隠し撮りに対して地元住民が憤って「妨害」する様子などが収録されている。 内容はイルカやクジラを「優先的」に保護する「環境保護活動家」が、太地町のイルカ漁に抗議し、イルカを捕っている日本人は野蛮だというメッセージになっている。

 同じ日本人としては、不本意な映画である。現在、世界の数箇所でこの漁獲方法によりイルカが獲られており、日本以外には、オセアニアのソロモン諸島、大西洋のフェロー諸島や南アメリカのペルーでも行われている。

 今回、ペルーでイルカが虐殺されるようすがビデオに撮られ公開された。 ペルーでは1996年以降はイルカ漁は違法となっているので、これはルール違反である。


 ペルーではサメ漁の餌にするために、イルカが殺され切り身にされるという。だが、日本の場合には違法ではない。なぜ他国の環境団体から干渉されねばならないのか理解できない。

 CNNニュース「イルカ大量捕殺、サメ漁の餌にフカヒレ輸出」から引用する。 


 イルカ大量捕殺、サメ漁の餌に フカヒレ輸出 ペルー
 ペルー沖の太平洋でサメ漁の餌にする目的で大量のイルカが殺されている実態を示すビデオが公開された。

 ビデオはロンドンに本拠を置く環境保護団体エコロジストの映像取材チームが調査の一環で1週間にわたって漁船に乗り組み撮影した。漁船側は取材チームが燃料費を支払うことと、自分たちを匿名にすることを条件に承諾した。

 ビデオには、イルカの群れに近づき、狙いを定めて銛を打ち込む漁師たちの姿が捉えられている。漁師たちは大量の血を流すイルカを船に引き上げ、鋭いナイフで背中の皮をはぎ、切り身を作る。サメ漁の餌にするためだ。

 取材にあたったジム・ウィケンズ氏によれば近年、ペルーではサメ漁が盛んになっている。「サメの身のほとんどはペルー国内で消費されるが、ヒレはフカヒレスープ用に極東に輸出されていると聞いた」とウィケンズ氏は話す。ウィケンズ氏によれば、ペルー沖ではほぼ1年中、数百隻の漁船がサメ漁を行っている。

 取材チームの乗った漁船も同様だ。船長によればどんな船にも銛が備えつけられており、1回の出漁で1~3頭のイルカを狙うという。

 ペルーでは1996年以降、イルカを殺すことは法律で禁止されている。それでもペルーの環境保護団体ムンド・アスルのステファン・アウスターミューレ事務局長によれば、同国では毎年、1万頭を超えるイルカが殺されているという。

 今回のビデオ公開を受け、ペルー政府は調査に乗り出す方針だ。プンピウ副漁業相は、調査結果によってはサメ漁の禁止も検討すると述べている。


 シーシェパードによる抗議活動
 ペルーのイルカ漁は現在違法であるが、日本では合法であり、シーシェパードから執拗な抗議活動が続いている。現状はどうなっているのだろうか?

 和歌山県太地町のイルカ漁は日本の伝統的な観光名物であったが、2000年代以降は環境保護団体の標的となっており、実力行使による違法行為が繰り返されている。

 意見交換会におけるシーシェパードの主張ウェストは、「伝統と文化に対しては理解している。長く続いているからいいというものではなく、もう続けてはいけないものがあることも理解しなければならない。奴隷制度のように、時がくれば終わらせなければならないものがある」と主張した。また、「太地町の一握りの活動が日本の名誉を傷つけている」と主張した。

 「いつになったらイルカ漁をやめるのか」とし、「太地町がより良い方へ進むために何かできないか」と主張した。
記者に「シーシェパードはどうして町側と話し合わず、暴力的な振る舞いをするのか」と問われ、「私は毎日現地に行っているし、だれとでも話し合う用意はある」と回答した。寄付を集めてイルカを買い取ることを提案した。

 意見交換会における太地町側の主張太地町側は、「太地町民が決めること。一方的な価値観を押し付けないで」とし、「捕鯨は生活の糧。地域の食文化について不毛な議論はしたくないが、必要に応じ理解を求めていきたい」と反論した。

 映画ザ・コーヴについて「差別、偏見に満ちており、血の海となるような手法も数年前からやっていない」と反論した。三軒町長は、「科学的根拠に基づいて適法に行っている」とし、「価値観の違いは明確。意見の行き違いは交わることはない」と反論した。

 漁野副町長は「食文化や風習を尊重し合うべきだ」と反論した。

 三原議長は、「シー・シェパードはいつも一方的な価値観を押しつけてくる。イルカは魚でないと言うが、こちらは資源と考えている」と反論した。

意見交換会後の記者会見シーシェパードのウェストは、「伝統や文化が重要なのは分かるが、イルカ漁や捕鯨は野蛮。やめるまで活動する」と語った。

 「地域の食文化や習慣について不毛な意見交換を続ける気はない」、「小型鯨類の漁業者は、今後も法律を順守しながら漁業を続ける」という三軒町長のコメントが読み上げられた。

 三原議長は、「エコテロリストとして基本的に考えは変わっていない」とシーシェパードを批判し、「(団体の)実態が理解できた。これまでの食生活は今後も続けていく」と語った。

 意見交換会後に太地町漁協が発表した談話「太地の伝統はいわれのない攻撃に屈することなく存続する」とし、「うそのシナリオで、世間の人々に誤った認識を持たせ続けようとしている」とシーシェパードを非難し、「太地の人々は団結しており、攻撃は成功しない」などとする談話を発表した。


 イルカ漁の太地町、海洋公園をオープンへ
 米アカデミー賞(Academy Awards)長編ドキュメンタリー賞を受賞した米映画『ザ・コーヴ(The Cove)』でイルカの追い込み漁を批判的に取り上げられた和歌山県太地(Taiji)町が、イルカと一緒に泳いだりできる海洋哺乳類公園をオープンさせる─だが毎年恒例のイルカ漁は止めない。

 太地町役場の職員が7日、語った。太地町役場の和田正希(Masaki Wada)氏はAFPの取材に、カヤックに乗って小型のクジラやイルカを間近で見たり、一緒に泳いだりできる施設を造るために湾の一部の調査を始めたと語った。

 だがこのプロジェクトは、毎年のイルカ漁を止めさせようと運動している自然保護活動家からの圧力に屈したというのとはほど遠く、むしろイルカ漁の継続に役立てることが目的だという。

 和田氏は「(平成20年度から)すでに、イルカや小型鯨類を観光資源として、イルカ追い込み漁をしている湾で活用している。夏の7月末から8月末にかけて、クジラと出会える海水浴場として、湾の中のいけすからクジラをはなし、すぐ近くで見えるようにする事業を実施している」と述べた。

 さらに同氏は「これをもっと大規模にやろうと計画しています。町全体を公園化する構想の一部で、ホエールウオッチングをしたり、鯨肉やイルカ肉を含め、ゆたかな海産物を味わってもらうなどして楽しんでもらう構想です」と語った。

 新たな海洋公園は、イルカを追い込み、一部を水族館や海洋公園に販売し、残りを食肉用に捕殺している畠尻湾(Hatakejiri Bay)ではなく、町北西部の森浦湾(Moriura Bay)に造られる予定。規模は約28ヘクタールで、湾入り口にネットを設営して干潟や砂浜を含む自然公園として開発し、園内に太地町付近で捕獲したゴンドウクジラとバンドウイルカを放す計画。オープンは5年以内を予定している。

 和歌山県によると太地町は2012年度にイルカ1277頭を捕獲した。今年度の漁は9月から来年8月までで、2026頭までの捕獲を許可している。(AFP通信 2013年10月07日)


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