冬場の牧草保存法
 
酪農とは、牛や山羊などを飼育し、乳や乳製品を生産すること。酪農で大切なのが牧草である。夏場は自然に生えているが、冬場の牧草飼料はどうしているのだろうか?

 牧草は乾燥させた乾草として給与するか、発酵させた牧草を使う。かつては牧草を気密度の高い塔型サイロに入れて発酵させていた。現在では保存等のためにビニールで密封、乳酸発酵させてサイレージとして給与することが多い。

 こうした発酵の知識は、古くから伝わってきたものが多いが、これを科学的に分析し、適度な酸性の強さを発見、牧草の保存法「AIV法」を開発したのが、フィンランドの化学者アルトゥーリ・ヴィルタネン(Artturi Ilmari Virtanen)である。


 彼は1924年ストックホルムから帰国後、冬場の牧草保存の問題に取り組んだ。そして資料貯蔵中のpH(酸性度のこと。通常は6.5ぐらい)のところ、pH4より少し下にすると、腐敗を起こす反応を妨げることができ、しかも飼料中の栄養素、ビタミンA,Cも失わないということを発見した。

 実際には塩酸を主成分とした酸性溶液を飼料中に混ぜて行われる。この資料保存の方法は「AIV法」と名付けられた。1931年以降は植物生化学上の研究も活発に行った。主として植物の窒素化合物に関して研究をし、マメ科植物に共生する根粒バクテリアの窒素固定の仕組みや、植物に含まれる多くの非タンパク性アミノ酸の発見等業績を残した。

 これらの研究の成果に対して、45年ノーベル化学賞が贈られた。受賞理由は、「農業化学と栄養化学における研究と発見、特に糧秣の保存法の発見」である。(Wikipedia)


 アルトゥーリ・ヴィルタネン
 アルトゥーリ・ヴィルタネン(Artturi Ilmari Virtanen, 1895年1月15日~1973年11月11日) は、フィンランドの化学者である。1945年、農業化学と栄養化学における研究と発見、特に糧秣の保存法の発見によりノーベル化学賞を受賞した。

 ヘルシンキに生まれ、ヘルシンキ大学や、スウェーデンやスイスで生物学、物理学などを学んだ。1931年にヘルシンキ工科大学(現アールト大学) の生化学の教授となり、1939年にはヘルシンキ大学の教授となった。

 農化学を研究し、発酵の研究、輪作の手法の開発などを行った。飼料の保存のため異常発酵を防止し、乳酸発酵に適するpHまで塩酸や硫酸を使って強制的に低下させるAIV法と呼ばれる方法を発見した。この業績などでヴィルタネンはノーベル化学賞を受賞した。

 ユルィヨ・バイサラによって発見された小惑星はヴィルタネンの業績をたたえて (1449) Virtanen と命名された。
1945年ノーベル化学賞の受賞理由は、「農業化学と栄養化学における研究と発見」である。

 フィンランド生化学の父と呼ばれる。ビルターネンの最大の業績は農業の実際面に即した研究を行ったことであろう。北欧では酪農は重要な産業であるが、冬に乳牛に与える緑草資料の貯蔵は大きな問題であった。

 彼は24年ストックホルムから帰国後、この課題に取り組んだ。そして資料貯蔵中のpH(酸性度のこと。通常は6.5ぐらい)のところ、pH4より少し下にすると、腐敗を起こす反応を妨げることができ、しかも飼料中の栄養素、ビタミンA,Cも失わないということを発見した。実際には塩酸を主成分とした酸性溶液を飼料中に混ぜて行われる。この資料保存の方法は「AIV法」と名付けられた。

 1931年以降は植物生化学上の研究も活発に行った。主として植物の窒素化合物に関して研究をし、マメ科植物に共生する根粒バクテリアの窒素固定の仕組みや、植物に含まれる多くの非タンパク性アミノ酸の発見等業績を残した。これらの研究の成果に対して、45年ノーベル化学賞が贈られた。晩年はタンパク質を含まない資料で乳牛を育て、ミルクを生産することに興味を示し、タンパク質を与える代わりに尿素を窒素源とした飼料で乳牛を育てることに成功した。

 その著書には「畜牛飼料と人間の栄養摂取」「AIV法」などがある。


 粗飼料と濃厚飼料
 
日本の酪農の規模や生産額は北海道が日本一。その背景にあるのは、乳牛の飼育に向いた気候と広大な土地。北海道といえども夏は暑くなるが、夜は気温が下がるため、乳生産量にはさほど悪影響を及ぼさない。

 酪農で重要なのが飼料。飼料にはどのようなものが使われているのだろうか? 飼料は大まかに言って、繊維質の多い、生の牧草・乾草などの「粗飼料」と繊維質の少ないトウモロコシ(デントコーン)などの穀類や植物油の絞りかす等をつかった「濃厚飼料」とに分けられる。

 粗飼料に比べ濃厚飼料のほうが高カロリーである。高脂肪の乳を搾り取るため、粗飼料中心の酪農から、近年は濃厚飼料中心の酪農へと変ってきている。

 牧草は乾燥させた乾草として給与するか、保存等のために密封、乳酸発酵させてサイレージとして給与することが多い。かつては牧草を気密度の高い塔型サイロに入れて発酵させていたが、この方式は機械の故障が多発し、維持管理に多額の費用がかかることから廃れ、現在では平面型のバンカーサイロ等が使用されるようになった。また通常のサイロよりも簡易的な牧草をロール状に巻き取り、これをビニールで包んで発酵させるラップサイレージが主流となりつつある。


 サイレージとは何か?
 サイレージは、乳牛の大切な飼料を貯蔵したもの。代表的な原料は、牧草やトウモロコシ。牧草サイレージの場合、イネ科やマメ科(アルファルファ)の牧草などが主流になっている。

 どのような方法で貯蔵するのだろうか。「ロールベールサイレージ」といって、ちょうどキッチンでラップを使うのと同じように、特殊なビニールで牧草などを密封する方法が、最近では多くみられるようになってきた。比較的手軽につくれることで、たくさんの酪農家たちに普及したといわれている。

 しかし、刈り取った牧草を積み上げて、それにビニールを覆うだけで、サイレージが完成するわけではない。よい品質のサイレージをつくるには水分や密封の状態など、さまざまな要因が関係しているのだが、長期間安全に貯蔵するために、じつは乳酸菌が欠かせない条件だ。

 乳酸菌を加えることによって牧草が発酵し、炭酸ガスや窒素ガスが発生、安全に保存されるというわけだ。しかも、栄養分のロスも最少限に抑えられるという利点もある。今度、牧場へ行ったら、乳牛たちの「食料貯蔵庫」サイレージにぜひ注目してみよう。


参考 Wikipedia:飼料 サイレージ アルトゥーリ・ヴィルタネン えらべる倶楽部:酪農大地北海道を訪ねる 


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